吉岡拓海役 森永悠希さんインタビュー
2020.2.3 mon. Update

interview#03

今回の企画を聞いた時に最初に感じたことは?
僕は、『絶対零度』シリーズを全部追いかけて見ていたので、この作品の中に入れるこということが素直に嬉しかったです。ポジション的にも、良いとこ取りのようなキャラクターでもあるというところが見え隠れしていましたし(笑)。吉岡につけられている肩書みたいなものが、元天才子役で、いきなりミハンに配属されて、という設定で、ミハンのメンバーたちの潜入捜査にも何かと口うるさく言うんですけど、そこに僕はプレッシャーを感じて、「これは頑張らなきゃいけないな!」と思いました。
演じるにあたって、制作サイドから何かリクエストはありましたか?
衣装合わせのときに、「『陰』か『陽』かで言えば『陽』のキャラクターでいてほしい」というお話がありました。先々、どうなっていくのかはわからないですけど、「ミハンメンバーの中で、唯一後ろ暗い過去がない人なので、明るいシーンのときはそういう空気に持っていくように意識してほしいし、暗いシーンの時でもダーンと落とすんじゃなくて、吉岡がテンションの底上げを担ってほしい」とおっしゃっていたので、そこは時に意識するようにしています。
新メンバーということもありますし、なかなか難しい役柄ですね。
そうかもしれません。役割が大きいですしね。ドラマのテイストを変えないで、そういうところを表現するのはなかなか難しいと思います。でも、だからこそやりがいも感じています。
吉岡には、本当に“闇”の部分はないんでしょうか?  つい疑いたくなってしまいますが……。
ない……と思います。いまのところ、伺っている範囲ではないです(笑)。もしかしたら後から足されるかもしれないですけど、僕も最後どうなるかはまだ知らないので。ただ、この先、組み替えていくような要素もあるようなので、楽しみにしているんですけど……。
1話から衝撃的な展開なので、何か起きてもおかしくないですしね。
そうなんですよね。1話の冒頭からもう衝撃的でした。「ひょっとしたら、吉岡にも何かあるんじゃないかな?」とも思ったんですけど、衣装合わせのときに「そういうのはないです!」と言われたので「ああ、そうですか……」って(笑)。
キャリアですけど、敢えて危険な井沢(沢村一樹)の下に送られたんじゃないか、とか。
ああ、それも考えられますよね。何か理由があって、とか。吉岡になくても、それを決めた人には何らかの思惑みたいなものがあるかもしれないですからね。
ことしはオリンピックイヤーということもあり、ミハンシステムのようなテクノロジーが以前よりも現実味を帯びてきたように感じます。森永さんご自身は、どのようにお考えですか?
前作のとき、例えばアメリカなどではもう似たようなシステムが導入されているというような情報も出ていたので、「これが日本でも採用される日が来るのかな?」と思いながら見ていました。今回は、それが法制化に向けて動き出していくお話ですけど、すべてを監視されているということがわかってしまうと嫌だな、という思いもある一方で、人間には「監視されていたい」という潜在意識みたいなものがあるのもわかっているから、どうなっていくんだろうな、と思って。国民アンケートみたいなものを見たいですよね。すでに、監視カメラはたくさん設置されているわけですけど、その情報がいろいろな形で使われるのはどうなんでしょうね。
小さい話で言えば、閲覧履歴を他者に知られるのは嫌だな、とは思いますが。
それは確かに嫌ですね(笑)。
もしスマホを無くしたら生活にも支障が出ると思いますし。顔認証とかSNSの履歴が、となってくると、プライバシーの問題などもありますから。
いろいろテクノロジーが進化していくと、何だか人と人の距離が離れていってしまうような感じがしますよね。感情とかも数値化されてしまうのか、という風に考えていくと、ちょっと怖いな、と思います。
井沢役の沢村さんたちと実際にお芝居をされてみての感想は?
例えばアドリブとか、その場で起きていることをどんどんお芝居に取り入れてくださって、僕にもいろいろ投げてくださるので、一緒に作っている感じがしてとても楽しいです。「初めまして」という立場の僕からすれば、どこまでやってもいいのかな、と探り探りなところもあったりするんですけど、そういう部分も受け止めてくださるので本当に有難いです。
沢村さんを始め、横山裕さん、本田翼さんのチーム感は素晴らしいですし、何より気さくで明るい方たちですからね。
ホントにそうです。一緒に、いろいろな番組にも出演させていただいていますけど、みなさんが見ている雰囲気そのままですからね(笑)。撮影の合間のお話も面白いので、たくさん笑わせてもらっています!  最初は、不安もあったんです。でもそれは、きっとどの現場でも、どんな役者さんでもそうだと思うんです。シリーズものはなおさらですよね。新レギュラーで入るとなると緊張してしまうものだと思うんですけど、最初から入りやすい雰囲気を作ってくださったので。
本田さん演じる小田切との掛け合いも楽しいです。
男女カップルの設定で潜入することも多いので、そうなると小田切さんと組んで動くことも多くなるので、そこでバチバチやり合ったりすることもあり……。なかなか面白い関係性になっているんじゃないかと思っています。
そこに、恋愛的な要素は?
それは、僕もわからないんです。「今後、おふたりのお芝居を見て決めていきます」と言われています(笑)。相関図にもありますけど、小田切さんは篠田(高杉真宙)のことが「好き?」みたいになる感じですし。ただ、『絶対零度』は予測不可能なドラマですから、何があるかわからないので、そういう部分も楽しみにしていただければ(笑)。