2017.11.20 Mon. Update

町尾守役 橋本淳さん

撮影は後半戦に突入しましたが、これまでの撮影を通して
チーム『ゆがみ』の現場の印象はいかがですか?
とても素敵な現場だと思います。最初は緊張もありましたけど、撮影が始まってからは浅野忠信さんが先頭を切って凄く良い雰囲気を作ってくださっているので、僕はそれに乗っかって楽しくやらせていただいています。説明的な部分があまりなく、速い展開で進んでいく作品ですし、それぞれの役のバックボーンが透けて見える形をとっていますから、キャラクターがその場に存在する、生きている、というのが大事な作品だと思います。個人的にそういう部分も楽しみながら演じています。
視聴者のみなさんからの反応もとても良いです。
有難いです。もし出演していなくても録画して何回も見てしまうというか、ドラマでもあり映画でもあるという匂いがする作品なんじゃないかと思います。僕の周りの評判も良いですし、僕自身もとても楽しく見られる作品なんです。出演している立場で言うのも何ですけど(笑)。
ひとつひとつのシーンが見逃せないですよね。
目の動きひとつで説明されていたりするので、僕もひとつひとつのシーンを食い入るように見ています。そういう部分も楽しんでいただけたら嬉しいです。
町尾刑事を演じるにあたって、特に意識されていることは?
36歳という設定なので、最初はどういう人生を送ってきたのか、バックボーンを考えながら演じていたんですけど、そのなかでも良い部分は残して、捨てるところは捨てて、という感じです。やっぱり、浅野さん演じる弓神さんたち強行犯係4人との空気が大事なので、みなさんの雰囲気を感じたり、羽生(神木隆之介)くんからもらったものを返したり、というのを大切にしながら…。余白が多い役なので、やりようによっては全然違う演じ方もできると思うんですけど、その時その時の衝動を大事にしようと思っています。僕自身も、町尾のことを「こういうキャラです!」という風にあまり決めつけないように心がけながら演じています。多々木役の仁科貴さんとも「弓神と羽生が捜査している裏で、きっと僕らもこういう捜査をしているよね」とか話しながら。それを押し付けるのは違うと思うんですけど、ふたりでそういう部分も意識しつつ楽しみながらやっています。
説明しやすいキャラクターは分かり易い反面、
リアリティーに欠けることもありますよね。ましてやこの作品自体、
人間の持ついろいろな面にスポットを当てている作品ですし。
そうなんですよ。町尾もクールなタイプかもしれませんけど、クールと言われている人が日常生活の中でずっとそうなわけではないと思うんです。決めつけてしまうと、人間性が欠けてしまうということはあると思います。この作品は、リアルさが大事だな、というのは感じますね。
浅野さんや神木さんとお芝居をしてみて感じたことはありますか?
たくさんあります。浅野さんは凄く自由に現場に立ってらっしゃいますし、弓神というキャラクターをベースにして、浅野さんの持っているチャーミングな部分、遊び心溢れる表現方法を見ると、役としての魅力はもちろん、リアルに受け取れることが多くて本当に勉強になります。その反対にいる神木くんは、割とキッチリ作りつつ…でもただそれをやるだけじゃなくて浅野さんとの合わせ方とかを見ていると、ふたりで作っているキャラクターだな、という風に感じました。おふたりの刑事部屋でのやり取りはとても楽しいので、油断すると視聴者のような気持ちになっちゃいますね(笑)。
強行犯係のみなさんの雰囲気は独特ですよね。
僕はそれほど刑事ドラマはやっていないので、他の刑事ドラマがどういう風に作っているのかわからないですけど、5人の空気感が同じというか。自分のやり方を押し付ける人もいないですし、自然と「ずっとこういうチームでやってきたんだな」という空気が出来ているような気がします。
見たことはないですけど、所轄の強行犯係はこんな感じかな、
と思ったりもしました。
警察監修の大沢良州先生も、「こんな感じ」とおっしゃっていました(笑)。
稲森いずみさん演じる菅能係長も素敵ですよね。
素敵です!  ご本人は役柄とは全然違いますからね。優しい方ですし。菅能係長からは、一歩引いたところからみんなを包み込んでくれるような感じが滲み出ていて安心感があります。
橋本さんが新しい役柄に出会ったとき、最初に考えることは?
何かルーティーンみたいなことはありますか?
作品によって取り組み方は変えるんですけど、よくやっているのは本を読むこと…今回でしたら、刑事ものの小説を読んでみたりして、「30年前の刑事ものだとこういう刑事が描かれていて、今の刑事ものだとこういう刑事が描かれているけど、この違いは何なんだろう?」と考えたりしました。海外ドラマを見たりすることもありますね。全部が全部プラスにならなくてもいいので、妄想を広げるための自分の中のファクターとして、台本とは別に本を読んだりしています。あとは、生まれてから現在までのバックボーンを考えたり、家庭環境を想像したり、というのを細かく詰める作業もやったりはするんですけど、今回は最初にそれをやっておいたので、あとは西谷弘監督の演出に合わせていった感じです。やっぱり、一番大事なのは現場で合わせて初めて生まれる空気だと思うんです。ひとりでやる作業ももちろん大事ですけど、今回は特に、現場で感じるものが重要だと思いました。なので、考えてきたものを、すぐ捨てる準備もしていますね。
最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに向けて
メッセージをお願いします。
たくさんの方に見ていただいて、良い評価もいただいていて嬉しい限りですけど、それに甘んじることなく、1話1話を大事に演じていきたいです。毎回のゲストの方々とも良い化学反応を生み出せるようにしていきたいです。みなさんも、SNS等でたくさん宣伝していただけたら嬉しいです。最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります。

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