最初に台本をお読みになって感じたことは? そうですね…。「八つ墓村」というと、懐中電灯を頭にくくりつけて、というシーンが有名ですけど、実は物語に関してはあまり知らなかったんです。何せ、怖い話というのが苦手なので…。基本的に、怖いものは見ないようにしているんですよね(笑)。まあでも、前回から横溝先生役をやらせてもらっていて、稲垣(吾郎)くんが演じている金田一耕助さんとの絡みのところは物語とはまた別の部分で、僕としては物語の中に入らずに済んでいるからよかったです(笑)。新しい部分ですよね。そこを楽しませていただいています。前回も、「いやあ、横溝先生役をやらせてもらえるなんて…」と非常に感動して、実際に横溝さんが疎開した場所に座って景色を眺めながら芝居させてもらったりして光栄だったんですけど、まさかまた半年後にこうしてやらせてもらえるなんて…。とても嬉しかったですね。 横溝先生を演じる、ということに関してはいかがですか? 星護監督が、非常に乗り気で取り組んでくださっているので、僕は監督の言われるままに…。唯一、苦労したのは…前回もそうだったんですけど…話を思いついて書き始めるところ。監督は、そこを僕の字でやりたい、っていうんですよね。いや、ありがたいんですけど、僕、字上手くないんですよ(笑)。「八つ墓村」って思いついてバッと書くところを、大胆に書いて欲しい、と。昔の太い万年筆で書くんですけど、何枚も何枚も書いて…。なかなかOK出ないんですよ(笑)。休憩中もずーっと練習してて、もう何十枚も書いたんじゃないかなぁ。「八つ墓村」「横溝正史」と(笑)。こんなことなら、もうちょっと習字とかちゃんとやっておけばよかったな、と思いましたね。 確かに、いざ書こうと思っても、バランスが難しい字ですよね。 そうなんですよ。いままでいい加減に書いてたから(笑)。「村」のバランスが悪い、とか言われちゃって(笑)。確かに、横と縦の棒を正確に引いていくと、結構キレイな字になるんですよね。それは監督のアドバイスのおかげです。そのまま引き絵になるんで、吹き替えじゃないこともわかりますし…。 先ほど、「怖い話は嫌い」とおっしゃっていましたが、過去に横溝作品を読んだりしたことは? 多分、ちゃんと見てはいないですね。湖から足が出てるシーン…あれは「犬神家の一族」ですよね。そういう風に、部分的に強烈な印象があるだけで…。この年になっても、怖いものは怖いので(笑)。夏場、結構怖い映画のCMとかが流れても、絶対に見ないようにしてるし…。だから、前に映画の「リング2」のお話をいただいた時に、「とにかく前作を見てくれ」と言われたので見たんですけど、もう見るんじゃなかった(笑)。だから、自分が出ている「2」もまともに見てないですよ。 稲垣さんが演じる金田一耕助に関してはいかがですか? いままでいろんな方が演じているんですけど、やっぱり稲垣くんが演じる金田一になってますよね。人それぞれですから、自ずと変わってくるんでしょうけど、稲垣くんは金田一を演じることをもの凄く楽しんでる感じがして…。あの髪の毛の感じもいいですよね。キレイな金田一ですけどね(笑)。美しい金田一。あんまり見てないんで、「金田一はこうじゃなきゃ!」っていうのも全くないんですけど、何代目かの金田一になるんで、稲垣くんにはプレッシャーだったのかな? いや、でもそんな風には見えませんでしたね。これがもしシリーズ化されたら…僕がアップした時に、監督に「お疲れさまでした」って言ったら、「また来年!」って言っていたので、出来るだけやりたいですね。横溝先生が出てくる金田一耕助シリーズって、あんまりないと思うんで、是非、稲垣くんの金田一をシリーズ化してほしいな、と思います。 ということは、毎回、書くシーンがあるということですね。 多分、そこは必ずありますね(笑)。横溝作品って、随分ありますよね。「悪魔の手毬唄」とか「獄門島」とか…。着物を着られる、というのも非常に嬉しいんですよね。麻の着物を着て、机の前に座って…最高でしたね(笑)。蝉の鳴き声が聞こえてきたりして、なかなか味わえない現場でした。あとは字の練習だけですね(笑)。 |