2月11日 オンエア
人生2度目の結婚式★孫と祖父母 互いを思い合う奇跡の愛
 
 
photo  2年前、愛知県のテレビ局に送られてきた1枚のFAX、それが物語の始まりだった。 送り主は大学生の吉村彩萌さん。
「初めまして。突然のFAX失礼致します。2014年6月16日(月)に祖父母が金婚式を迎えます。祖父はガンを患っており余命を宣告されている為、母・姉妹で話し合い、もう一度 結婚式を挙げさせてあげたいと思い連絡させて頂きました。」
 
 
photo  三重県・四日市市。 この町に創業から半世紀以上にわたり地域に愛され続ける貸衣装店がある。 営んでいるのは吉村照明さん、FAXを送った彩萌さんのおじいちゃんだ。
 今から52年前、お見合いで一目惚れした弘子さんと結婚。 夫婦でこの貸衣装店を始めた。 高度成長期、時代のニーズにもマッチし、貸衣装店は連日大忙し。 お客さんの喜ぶ顔が何よりの生きがいだった2人。 イベントがない日も、衣装のメンテナンスに費やすなど、50年間、身を粉にして働いた。
 
 
photo  当然、自分たち家族の祝い事はいつも二の次。 妻の弘子さんは、衣装を扱っているにもかかわらず、一度もドレスを着たことがなかったという。
 多忙な日々の中で唯一の楽しみは、大好きなテレビ。 仕事一筋な2人が無邪気に笑える大切な時間だった。
 
 
photo  そして、そんな夫婦を一番近くで見ていたのが…孫娘の彩萌さんである。 9歳で両親が離婚。 彩萌さんは母親に引き取られたが、母は家計を支えるため、仕事で夜まで帰ってこられないことが多かった。 そんな彩萌さんに親のように愛情を注いでくれたのが、母の両親にあたる祖父母だった。
 そして2年前、ついに彼女は成人式を迎えた。 晴れ着はもちろん、2人に用意してもらったものだ。
 
 
photo  これまで良くしてくれた恩を、これからは少しづつ返していきたい。 そんな矢先、照明さんの余命が後2年しかないことを知らされてしまったのだ。 恩返しをするために残された時間はもう長くない。
 そこで彩萌さんが思いついたのが…今まで自分たちのことは二の次にして頑張ってきた2人に、50年ぶりの結婚式を挙げてもらおうというものだった。 日取りは、2人の50回目の結婚記念日である6月16日、金婚式当日に決めた。 さらに、大好きなテレビに自分たちの晴れ姿が流れたら、きっと最高の思い出になる…そう考え、FAXを送ったのだ。
 
 
photo  取材を快諾したテレビ局と話し合った結果、このイベントをサプライズで行うことになった。 しかし、当日を迎えるまでには色々な苦労があった。 まず、金婚式当日に突然テレビカメラがやって来るのはおかしい。 そこでテレビ局は、ニセの密着番組を用意し、本番の数日前から2人の様子を撮影し始めた。
 さらに、おじいちゃんの衣装のサイズも分からない。 そこで彩萌さんは、友人の祖父が衣装を借りたがっていると嘘をつき、おじいちゃんと同じサイズと伝えることで、なんとか店から体型に合う衣装を持ち出した。
 
 
photo  サプライズ当日。 夕方、食事に行こうと言って誘い出された2人がやって来たのは…地元の結婚式場。 案内されるまま中へ。
 状況を理解できないでいる様子の照明さん。 すると…お顔を綺麗にしましょうと、突然メイクをされる弘子さん。 そこへ彩萌さんがやって来てネタバラシ。
 別室には、友人の祖父の為にと言って出してもらった衣装が置いてある。 おじいちゃんが自ら着る。 おばあちゃんのドレスも彩萌さんがこっそり持ち出していた。
 
 
photo  着替えを終えた2人が対面をはたしていた頃…結婚式が行われるチャペルでは、すでに親族や友人たちが数多く駆けつけ、2人の登場を待っていた。 そして…これまで、丹念に手入れをしてきたドレスとモーニングに身を包んだ2人が、ゆっくりと入場してきた。
 こうして、半世紀もの間、ずっと地域の人たちの幸せを手助けしてきた2人は…この日、50年ぶりに祝福を受ける主役となった。 照明さんはこの日、彩萌さんの結婚式までは何が何でも頑張ると誓った。 そして後日、50年ぶりの晴れ姿が大好きなテレビで放映された。
 
 
photo  あの金婚式から1年半が経った、先月11日。 あの日、金婚式が行われた会場に1台の車がやって来た。 中から出てきたのは、2年前に余命を宣告された彩萌さんの祖父・照明さんだ。
 この日、1年半ぶりに照明さんが会場を訪れた理由…それは…最愛の孫、彩萌さんの結婚式に出席するためだった。 お相手は大学の同級生、中嶋啓貴さん。
 
 
photo  そして…夢にまで見た、孫娘とのヴァージンロード。 体調は決して良くない。 しかし…何が何でも頑張る… あの日の誓いを見事に果たしたのだ。 祖父母と孫…互いに思いあう気持ちが身を結んだ奇跡の結婚式だった。