4月16日 オンエア
意識不明からの回復★8年越しの結婚式
 
 
photo  岡山市にある結婚式場、「アーヴェリール迎賓館」。
ここでウェディングプランナーとして働く 久保田さんには、忘れられない結婚式があるという。
 始まりは昨年6月、別の結婚式場から異動してきた久保田さんが顧客ファイルを整理していた時のこと。 一冊の古いファイルを見つけた。 久保田さんは、当初、処理し忘れているファイルだと思ったという。 しかし、キャンセルしたお客様の情報は顧客ファイルに残さないので、疑問に思ったという。 それから一カ月後、久保田さんの元に一本の電話が入った。
 
 
photo  新郎・西澤尚志さん。新婦・中原麻衣さん。 二人が出会ったのは今から11年前。 友人の紹介で知り合い意気投合、交際がスタートした。
 そして 付き合いはじめて、ちょうど2年目の記念日、2人は結婚を決めた。 半年後の3月に結婚式を挙げるため、二人はその日、式場を予約した。
 
 
photo  だが…悲劇は突然訪れた! 2人で結婚式の相談をしているときだった。 麻衣さんが突然、今日何をしていたか記憶がないと言い出した。
 そして…夜になると、麻衣さんは まるで何かに取り憑かれたかのように叫び続けた。 原因がわからないまま、麻衣さんは精神科に入院。
 
 
photo  ところが…入院3日目、麻衣さんの体に異変が起きた。 麻衣さんは、突然心停止を起こし、大学病院に緊急搬送されたのだ!!
 麻衣さんは人工呼吸器で心臓は何とか動いているものの、脳は眠った状態でいつ意識が戻るのかも分からない状態になってしまったのだ。 さらに…意識がないにも関わらず体が勝手に動いた。 痙攣発作だった。
 尚志さんは、式場に連絡して結婚式を保留にしてもらった。 だが 尚志さんは、結婚式を決してキャンセルしようとはしなかった。
 
 
photo  麻衣さんは、その後も人口呼吸器によって、かろうじて命をつないでいる状態。 意識不明が何ヶ月も続いた。 それでも尚志さんは会社勤めの傍ら、平日は出勤前の1時間、休みの日は1日に3度、麻衣さんの元を訪ねた。 寝たきりで硬直していく手足の筋肉をマッサージでほぐし、耳からの刺激が脳によい影響を与えるのではと、麻衣さんが好きな曲を聞かせるなど献身的に付き添った。
 そして、入院から5ヶ月、ついに病名が判明! 卵巣奇形腫による辺縁系脳炎。 そもそもの原因は卵巣にできた腫瘍。 しかし、異物を排除しようと体が作った抗体が、何らかの異常により脳を刺激。 その結果、様々な障害を引き起こす、恐ろしい病気だった。 しかし、手術をすれば意識が戻るかもしれない…
 
 
photo  そして2007年5月17日。 麻衣さんの卵巣の腫瘍を取り除く手術が行われた。
 母、信子さんの日記には、術後の麻衣さんの様子が記されている。
5月18日(手術翌日)「いつもの生活に戻ったような気もするけど、こんな生活じゃない、5ヶ月前の本当の生活に戻りたい。」
5月27日「痙攣が止まらない、回数は一向に減ってくれない。手術前よりは良くなったと思うけど、麻衣じゃない」
5月28日「面会の間、ずっとけいれんをしていた。何回も何回もブルーになって、立ちなおり、もう限界」
 
 
photo  だが 手術から1ヶ月経っても、2ヶ月が経っても、依然として麻衣さんの意識が戻ることはなかった。 それでも尚志さんは毎日看病を続けた。
 そして麻衣さんが意識を失ってから、1年が経った頃… 母・信子さんは、尚志さんに感謝の気持ちを伝え、そして…「もう別の人探していいから」と言った。 しかし、尚志さんは、麻衣さんの笑顔がもう一度見たいと、麻衣さんの側にいさせて欲しいと頼んだ。
 
 
photo  そんな麻衣さんに変化が訪れたのは、入院から529日目。
麻衣さんがついに目を覚ましたのだ!
 長い眠りから目を覚ました麻衣さん、大きな前進だった。 しかし…カメラの動きを目で追うことは出来ても、表情の変化はない。 話しかけても返事が返ってこない…意思の疎通はできなかった。 それでも尚志さんは、病院へ通うことを決してやめなかった。
 
 
photo  そして入院から3年近くが経った頃。 いつものように、マッサージをしていると…表情を失っていた麻衣さんが、笑ったのだ! 自分の想いが届いている、初めてそう感じた瞬間だった。
 立ち上がることはできなかった。
それでも麻衣さんは、止まっていた時間を取り戻そうとするかのように、日ごとに目ざましい回復ぶりを見せた。
そして入院から実に1555日目に退院。 長い間眠ったままだった夢が再び動き出した。
 
 
photo  そして迎えた昨年12月21日。 8年越しの結婚式。
そして…なんとそこには、自分の足で立つ麻衣さんの姿があった!
 
 
photo  この日を迎えるまでには、血のにじむような努力があった。 5年以上、寝たきりでいたため、全身の筋肉は衰え、足首はのびきり、力が入らない。 しかし 麻衣さんは、結婚式で元気になった姿を見せたいと、過酷なリハビリを続けた。
そばにはいつも尚志さんがいた。
 
 
photo  両親に支えられながら、バージンロードを自分の足で歩く。 そして…愛する尚志さんのもとへ。 二人は永遠の愛を誓った。
 8年間待ち続けた式場スタッフも、2人を祝福する。 尚志さんの信じる気持ちが、8年越しの結婚式という奇跡を生んだ!
 
 
photo  結婚式から3カ月… 現在、岡山県で 麻衣さんは両親と一緒に暮らしている。 そして新婚の2人に嬉しいニュースがあるという。 なんと、麻衣さんのお腹に、7ヶ月になる赤ちゃんが。 二人のアルバムには、これからも家族の歴史が刻まれていく!