2017.12.25 Mon. Update 『隣の家族は青く見える』公式サイト用 スペシャルトーク 五十嵐奈々役 深田恭子さん 五十嵐大器役 松山ケンイチさん

夫婦役は大河ドラマ『平清盛』以来約5年ぶりになりますが、
前回の共演で印象に残っていること、そしてこれから
共演するのにあたって楽しみにしていることは?
  • 深  田
    松山さんは、前回ご一緒したときの役柄でもあるんですけれど、高い下駄を履いて、浴衣で颯爽と歩いていた姿がとても印象に残っています。あと、現場でご家族の話をよくされていて、温かい方なんだなって思いました。先ほども(ポスターやスポットの)撮影しながらお話をうかがっていたんですけど、そういった時間が楽しいです。お聞きすると、割となんでも答えてくださるので(笑)。
  • 松  山
    前回は、とてもクセのある役ではあったと思います。世の中を動かした人ですから。すごく強いものを持っているというか。劇中にも、クセが強い人には、クセが強い相方がいなきゃダメだな、というようなセリフがあって、それが深田さん演じる時子という役だったんです。だから、ある意味、僕らはクセ者同士でもあると思うんですよ。だから、そのクセの強さみたいなものは、そのまま出せればいいなと思います、落ち着きたくないなって思います(笑)。そっちの方が絶対おもしろいと思いますし。どうやって作っていくかは、これからですし、あまり非現実的な感じじゃないようにはしたいと思いますけど。
  • 深  田
    遠回しに、私もクセが強いということですよね?(笑)。
  • 松  山
    僕、そっちの方が好きなんです。
  • 深  田
    じゃあ、いいですね。ありがとうございます(笑)。
それぞれ、今回のキャラクターをどのように
演じていこうと考えていますか?
  • 深  田
    私が演じる五十嵐奈々は、本来だったらもうちょっと落ちこんでしまったりするようなことでも、そこをなるべく良い方向にとらえて生きてきたキャラクターだと思いました。人の気持ちがわかって、そこを先読みして行動したりできるところもあって。その彼女がいままで立ち向かったことのない壁にぶつかってくわけですけど、そういうときにどう立ち向かっていくのか。私は、結構悩んだりとか、そういったことに引っ張られてしまったりするので、良い方に良い方に、と考えていく奈々さんのような女性は、とても素敵だなと思います。
  • 松  山
    大器は、バカって言えばバカだと思うんですけど、奈々に対しての愛情みたいなものはちゃんと忘れないでいるというか、「この人を幸せにする」という気持ちを持ち続けている人なんじゃないかなと思います。結婚しても、結局自分の方に戻っちゃうような感覚は僕も持っていますし。やっぱり、一番近くに居る人が見えなくなってしまうようにはなりたくないなと思います。妊娠しないということで落ちこんだり、悩んだりしている奈々に対して、大器がどういう風に接するのかっていうのは、凄く大事なことなので、愛情は絶対持っていたいなと思いますね。
おふたりにとって、理想のパートナーシップ、理想の夫婦像とは?
  • 深  田
    この台本を読んでいて思ったんですけど、妊活に対する向き合い方って凄く難しいなと思って。男女間でも差があると思うし。そういうことをどう乗り越えていくか、一番追い詰められたときに、思いやりを持ってどう乗り越えていけるかっていう、どう優しくいられるかということは、とても大切なことだと思います。
  • 松  山
    やっぱり夫婦となって一生一緒にいると決心したからには、結婚後もお互いに努力しなければならないと思います。だから、夫婦間のコミュニケーションはすごく大事ですよね。最近思うんですけど、僕は役者で、これから大器という役を演じますけど、それもせいぜい3、4ヵ月で終わってしまいますよね。でも、お父さん役とか旦那さん役っていうのは、ある意味、一生かけて役作りをしていくものではあると思うんです。だから、いまからやるのに何ですけど、大器どころじゃないっていうか、止まっちゃダメだって思うんです。
ドラマのタイトルにちなんで、お互いの青く見えるところ、
羨ましいなと思うところを教えてください。
  • 深  田
    羨ましいところは、自分の言葉で思いをまとめて話せるところです。私は結構、迷っている気持ちがどんどん重なっていってしまうので。松山さんは、物事や人生をキチンと考えていらっしゃって、筋がちゃんと通っていると思うので、そこが羨ましくて仕方ないです。
  • 松  山
    適当にしゃべっているだけなんですけどね(笑)。良いように解釈していただいて、ありがとうございます。深田さんは、独身だっていうこと…自分はいま違うところにいるから、やっぱりひとりだと色々違うだろうなって思うこともたまにあるんですよ。こういうこともできるな、ああいうこともできるなって。だから、ひとりだった時に、もっと色々やっておくべきだったなって考えたりもしますね。あと、深田さんの写真集とかを見ていると、セクシーだし、ホントに外国人みたいだな~って。スタイルが僕好みなので、今回夫婦役をやらせていただけて光栄だなと思います。あんまり言うと、嫁に怒られそうだけど(笑)。
妊活に限らず、夫婦が直面した問題を一緒に
乗り越えていくために必要なことは何だと思いますか。
  • 深  田
    力を抜いているときに、どんな風にお互いが過ごせるかっていうことですかね。頑張り過ぎず…。今回の役でいえば、いてもたってもいられない、気持ちがどうしようもないときに、優しい気持ちでみてあげたり。そのときだけの人としての向き合い方じゃなくて、大きく見ているということなんだろうなって、思います。想像なんですけど。優しさ…でも、優しさも多分、「こうしてあげてる」みたいなことがちょっとでもあると、それもまた押しつけになっちゃって違うんだろうなとか、そういうことって、ふとしたときに出ちゃうんじゃないかなと思うので。考えすぎなのかもしれないですね。ちょっと妄想の世界なので(笑)。
  • 松  山
    深田さんが言ってることは凄くよくわかります。例えば奈々が悩んだり落ちこんだりする時は、もちろん大器が彼女を引き上げてあげて、大器がへこんだり落ちこんだりした時は、奈々が助けてあげるというか、その時々で役割が変わりながらも、ちゃんと同じところにいるっていうのは凄く大事なことだと思うんです。お互いにヘコんでしまったりすると大変だと思うし、どちらかが上がり過ぎてても、周りが見えなくなって失敗しますし。どちらかがガーっとなっているときには、もうひとりが冷静でいる、みたいなバランス感覚はふたりで生活していく中で、上手く出来上がっていくものだと思うんですよね。
妊活という題材で難しさを感じていることは?
  • 深  田
    何から何まで難しいなぁ、と。こういうときに、どんな風にお話しようかなっていうのも常に考えているし、同世代としてどういう意見でいたらいいのか、自分で自分に問う時間でもあります。でも、知れば知るほど簡単にもいかないお話だと思いますし、一概に「頑張って」とか「応援してる」という話でもないと思います。ただ、このお話の中には、いろんな考えや選択肢があるということも描かれていくので、少しでも励みになるような力添えができたらいいな、という気持ちです。あまりセンシティブになりすぎず、物語をお伝えできたらと思っています。丁寧に演じていきたいです。
  • 松  山
    僕自身子どもがいて、大器と奈々の関係とは違うんですよね。だから、いまの感覚のまま大器を演じてしまうと大変なことになってしまうなと思っていますし、妊活にもいろんな形があるということもわかりましたし…。ドラマの中で、コーポラティブハウスに住む人たちはそれぞれに悩みを抱えていますが、それぞれ違った形の幸せも抱えていると思うんです。なので、幸せの形がひとつではないということ、いろんな幸せの形があるということをきちんと表現できたらなと思っています。

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