2022年2月15日更新
そんなちょっと変わった名前のキャリア教育授業が、千葉県浦安市立日の出中学校で2011年度から毎年実施されています。
様々な職業から選ばれた大人たちが自分の仕事内容やキャリアを選んだきっかけなどを語るイベントで、平成27年度には文部科学大臣表彰を受賞した伝統ある取り組みです。今年度は2022年1月15日に行われ、20名の講師が集められました。今回、その中のひとりとして私(コンテンツ事業部・清水俊宏)にお声がけいただき、授業をしてきました。
子どもたちが選択できる講師の職種は、以下の通りです。
1.宇宙技術 2.獣医師 3.航空運輸 4.整形外科医 5.機長 6.スポーツ選手 7.警察官 8.弁理士 9.IT関連 10.金融関連 11.ユーチューバー 12.保育士 13.大学助教 14.広告 15.起業家 16.児童文学作家 17.介護 18.ナレーター、女優 19.会社員兼スポーツ選手 20.薬剤師
お気づきの通り、この中に「テレビ」や「プロデューサー」といった単語は入っていません。
今回、私が受け持った教室は「11.ユーチューバー」です。
私は新卒で入社してから記者、ディレクター、プロデューサーなどを経験してきた生粋のテレビ局員なのですが、去年、『#シゴトズキ』という名前のYouTubeチャンネルを立ち上げ、“会社公認のユーチューバー”となりました。
「ユーチューバー」と言われれば、子どもたちは当然、ヒカキンやはじめしゃちょー、フワちゃんといった有名人をイメージするでしょう。もちろん、ユーチューバーでも、そんな存在になれるのはひと握りです。しかし、自らが“会社公認ユーチューバー”になってみて、逆にヒカキンたちでは真似できないであろう仕事や可能性があることも実感しています。
この内容を子どもたちに伝えることで、将来のキャリアに対する視野を広げてもらう貢献ができるのではないかと、「ユーチューバー講師」としての依頼を引き受けました。
実は、私が「テレビ画面ではない仕事」をしたのは、ユーチューバーが初めてではありません。
例えば、「FNNプライムオンライン」や「フジテレビュー!!」といったオンラインメディアを作ったり、Twitter社やNewsPicks社など他企業と組んでインターネット向け動画番組を作ったり。今でこそ、そうしたサービスは当たり前になっていますが、当時としては目新しかったものもかなりあります。
どの事業も毎回新鮮な気持ちで臨んでいるのですが、いくつか手掛けているうちに事業の立ち上げにはベースとなる共通のメソッドのようなものが存在していることに気が付きました。もちろんユーチューブ番組の立ち上げにも使えます。
今回の授業は、そのメソッドについてがメイン。
内容的には、本来、社会人や大学生が学ぶレベルですが、今回、中学生向けにアレンジしてみました。
チャンネルの独自性を出すために必要な「自分自身の個性を発見する自己紹介」や、動画の再生数を伸ばすのに欠かせないユーザー分析のための「不満発見ワーク」など。
後ろで聞いていた先生が「これは大人が聞いても本当に役に立つ内容ですね」とあとで感想をもらしたほどの難しさですが、自ら考えて発表するワークショップを通じて、余すことなく面白さを伝えてきました。
生徒のみなさんもそれに応える形で、私にやり方を質問しながら目を輝かせて積極的に取り組んでくれました。
その結果、短い時間でしたが、参加してくれた全員が、中学生ならではの斬新なユーチューブチャンネル企画を立ち上げることができました。
帰り際に一人の女子生徒が駆け寄ってきて、「本当に面白かったです!こんな授業はじめて受けました!また来てください!」と声をかけてくれたのがとても嬉しく、印象に残っています。
“未来のユーチューバー”たちとコラボする日が、いまから待ち遠しいです。