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来るものがあれば、去るものもあります。
ワールドカップバレーへ向け、9月25日から始まった最終合宿。
柳本監督はアジア選手権で金メダルを勝ち取った
14人のメンバーに加え、
怪我で戦列を離れていた「パワフルカナ」こと大山加奈選手や
「かおる姫」こと菅山かおる選手などを招集、合宿をスタートさせました。
早速練習に参加した新たなメンバーたちは皆、
それぞれ気合の入った表情で切れのある動きを見せました。
そして大山選手は
「呼ばれたことに感謝をして、出来ることを100%やりたい」と語り、
菅山選手は
「チームから離れていたので不安もあるが、しっかりとやっていきたい」と意欲を示したのです。
柳本監督は新たなメンバーの召集について、
「アジアチャンピオンが終着点ではない。進化するチームだからね」とのこと。
あくまでも今年の目標
「ワールドカップでメダルを獲得し、北京オリンピックの出場権を獲る」
を実践する合宿のスタートとなりました。
そして、合宿初日から10日後…。
それは突然の出来事でした。
午前の練習前、柳本監督が3人の選手を別室に呼んだのです。
それぞれと会話すること2時間。
部屋から出てきた選手たちの目には涙が光っていました。
ワールドカップに出場できる選手は全部で12名。
現在、参加している19名のうち7名がメンバー落ちをすることになります。
その第一段階のセレクションが、この10日間で行われていたのです。
誰かがメンバーから落ちる。そのことは皆がわかっていることでした。
でも、実際にメンバー落ちを告げられ合宿所をあとにする選手の姿を見ると、
改めて全日本という場所の厳しさを痛感させられます。
この日、チームから離れたのはセンターの先野選手、宝来選手、
そしてサイドアタッカーの小山選手の3人でした。

ワールドカップを、そして来年の北京オリンピックを目指し、
必死に5ヶ月間戦ってきた彼女たち。
その思いは、それぞれの瞳から零れ落ちる涙が物語っています。
それでも、彼女たちは涙を振り払い
「ありがとうございました。お世話になりました」
と合宿所をあとにしました。
大きな決断をした柳本監督。
選手たちの姿を見えなくなるまで見送った後、
少し、やつれた様に見える表情でこう語りました。
「本当に人を切るのはつらい。
けれど、このチームは勝ちに行くチーム。
痛みもともなわなければ強くなれない」
そして、この後日の丸をあずかる監督ではなく、ひとりの人としてひとこと。
「つらいなぁ。仲間がいなくなるのは…。なぁ…」
そういって、静かに目線を落としました。
残った選手たちはというと、この場所の厳しさ、そして大切さを痛感し、辛い練習に耐えています。
世界に勝つことは簡単なことではない。
だからこそ自分を追い込まなければならないと、
時には床に崩れ落ちながらも必死でボールを打ち続けています。
キャプテンの竹下選手は
「振り返ってはいられない。残った私たちには、残った責任があると思う。
彼女たちに恥ずかしくないようにしたい」と思いを語りました。
ワールドカップまであとわずか。
心なかばで去っていった人たちの思いも胸に、チームは本番への道を走り続けています。
2007年10月15日
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