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新生・柳本ジャパン、 北京への第一歩

柳本ジャパン

ワールドグランプリ2005は、柳本晶一監督率いる全日本女子チームにとって、2008北京オリンピックへの第一歩を印す国際大会となる。
「目的ありきでチームを作っていく。その目的から逆算してシナリオを描いていく」
 4月4日、東京都内で開催された2005全日本女子チームの記者会見で柳本監督はこう語った。日本女子バレーの再生を目指して、2003年にスタートを切った柳本ジャパン。国際経験豊かなベテラン・吉原知子を主将にすえ、栗原恵、大山加奈、木村沙織という将来性豊かな十代を加えた布陣で、2大会ぶりのオリンピック出場権を獲得。アテネオリンピックでも5位入賞を果たし、チームの土台は作られた。
 新生・柳本ジャパンに課せられたテーマは、その土台の上に足りない部分、新しい部分を付け足していくこと。そして、3年後の北京オリンピックで、日本にとって24年ぶりとなるメダルを獲得することにある。ワールドグランプリ2005は、柳本ジャパンにとって“北京への道”の出発点にあたる大会なのだ。

 ワールドグランプリ2005に出場する新生・柳本ジャパンの見どころをいくつかあげてみよう。
 まず、何といっても昨年までの“精神的な支柱”吉原知子がチームを退き、セッター・竹下佳江が新キャプテンに選ばれたこと。強烈なリーダーシップを発揮してきた吉原に代わり、柳本監督が竹下に求めたものは「調和」だという。今回の全日本登録選手は、熊前や櫻井ら全日本に復帰したベテランから泉(誠英)、服部、狩野(八王子実践)の高校生まで幅のある構成。年齢的に中間の位置にいる竹下は、チームのバランスをとる意味で適任だ。司令塔として、チームリーダーとして、竹下がどんな活躍を見せてくれるか楽しみだ。

 葛和伸元監督の下、全日本の中心メンバーであった熊前知加子、櫻井由香らベテラン勢のチーム復帰は頼もしいかぎり。3月に終了した第11回Vリーグで、約1年半ぶりにコートに姿を見せた熊前は全盛時に勝るスパイカーぶりを発揮。得点、スパイク決定本数の両部門で日本人選手最高をマークし、好調をアピール。リベロの櫻井もサーブレシーブ成功率2位に入った。

 全日本初選出が多いのも今回のチームの特徴。北京オリンピックまでの3年間、あらゆる選手の可能性を追求し、新しい戦術にチャレンジしようという柳本監督のねらいが反映されている。中でも、第11回Vリーグで最優秀選手(MVP)に選ばれた仁木希のいぶし銀のようなスパイクや、エースからリベロに転向した菅山かおる、吉澤智恵がどんな役割を果たすのか興味が持たれる。また、初選出ではないが、サウスポー大沼綾子も「例えば、左利きでライトでもおもしろい」と柳本監督は期待する。

 そして、当然、一昨年のワールドカップ、昨年のオリンピック最終予選以来、チームをリードしてきた高橋みゆき、杉山祥子、大友愛らは健在。ワールドグランプリでも随所で持ち味を発揮してくれるはずだ。大山加奈、木村沙織は故障のため、不安が残るが、一日も早い復帰が待たれている。

世界の強豪が集い、 4週間にわたるデッドヒートを展開

アジア、ヨーロッパ、北中米、南米を代表する12の強豪国が集い、予選ラウンドから決勝ラウンドまで4週間にわたり、アジアを中心に各地で激戦を展開するワールドグランプリ。柳本ジャパンの前に、どのような敵が待ち構えているのだろうか?

 第1週、日本のホームコートで開催されるAグループでは、いきなり好カードの連続。第1戦の相手・ポーランドは、日本がワールドカップ2003でフルセットの末に下した相手。主砲グリンカの強打をものともせず、耐え忍んで勝利を得た姿は日本中に感動を呼んだ。あの名カードがいきなり実現する。次は宿命のライバル・韓国。世代交代を進めつつある韓国が、北京へ向けてどんなメンバーで臨んでくるか興味が持てる。そして、東京大会の最後の相手が、昨年のワールドグランプリ覇者・ブラジル。アテネオリンピックでは初戦ストレートで負けている相手。ここ数年、世界の上位をキープしている強豪に対して、日本がどこまで通用するか?今後の日本を占う意味でも重要な対戦だ。

 第2週(Dグループ)は、場所を韓国に移動。まずは、成長著しいドミニカ共和国。ワールドカップ2003では3-1で勝っているが、気が抜けない相手だ。第2戦は地元・韓国との対戦。韓国にはワールドカップ、世界最終予選で国内2連勝しているが、敵地となるとかってが違う。韓国の大応援団に囲まれながらの厳しい戦いが予想される。そして、韓国シリーズの最後の相手はアメリカ。アテネオリンピックまで監督を務めた吉田敏明氏が辞任し、新体制になったアメリカとの力試しだ。

 第3週(Iグループ)の開催地はタイ。日本はポーランド、アメリカとの2試合目を行ったあと、最終戦で地元・タイと当たる。昨年の世界最終予選では下した相手だが、過去、アジア選手権で敗れたこともあり油断はできない。

 第4週は、初めて日本で開催される決勝ラウンド。
“杜の都”仙台で6日間にわたって争われる(第3日目は休養日)。出場できるのは、開催国・日本と予選ラウンドの上位5チーム。激戦を勝ち抜いてきたチームとの連戦は、新生・柳本ジャパンにとって最初の試練となるはず。総当りで争われる決勝ラウンドで、柳本ジャパンは北京へのスタートダッシュを決められるだろうか?

 

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