フジテレビパラスポーツ応援サイト
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vol.12
文=田中ウルヴェ京
2017年5月24日
2017年5月24日(水) 開催
PARA☆DO!サポーターで、トークMCの
田中ウルヴェ 京さんによる対談後記をお届けします。
抜群のコンビネーションを見せた高田裕士さん(左)と千明さん(右)
PARA★DO対談では、これまでにも同じ競技で活躍のご夫婦をお呼びすることがありましたが、今回は、同じ陸上競技でも、裕士さんは聴覚障害400mハードル。奥様の千明さんは視覚障害走り幅跳びで、「金メダルをどっちが先にとって息子に見せられるか!?」を「競争」しておられるご夫婦です。対談中、お二人で協力しあう姿を何度も見ました。裕士さんは「見える視覚情報」を千明さんに伝え、千明さんは「聞こえる聴覚情報」を裕士さんに伝える。時折、千明さんが、ついつい「見ることに集中」してしまっている裕士さんの腕に優しく触れ、「今どうなってる?」という感じで尋ねると、裕士さんが見えているものを、それはそれは素早く的確に説明します。その説明の発音の明瞭さに、「あれ、先天性の聴覚障害の方なのに、なぜこんなに発音が完璧なんだろう」と改めて私などには想像もできない幼少期でのご努力に想いを馳せます。
パラアスリートから直々に早く走るコツを学んだ
あまりの会話の上手さに、裕士さんが聞こえていないことなど忘れてしまうのですが、対談の途中で、裕士さんからは見えない場所で、観客席側にいる司会者がマイクで説明中、裕士さんが話し始めてしまった時、スッと千明さんが、手話で何かを伝え、裕士さんがパッと話をやめました。おそらく「今、違う人が話してる最中だ」とでも伝えたのでしょうか。その絶妙なチームワークを、真横で見させていただいた時、なんだかとても心が温かくなり、なんと有難い機会を頂いていることかと実感しました。
当然、この対談では、心が温まる、なんて言葉を軽々しく使えない人生の重みも感じます。8歳になるお二人のご長男は将来医者になりたいということで、いつかママの目が見えるようになった時のために、「小さい頃の僕の顔を撮っておかなきゃ」と自撮りの写真をためています。裕士さんの真摯な優しくも力強い眼差しや、千明さんのお茶目で優しく、しかしアスリートならではの芯のあるお声を「感じることのできる」自分は、そのことから沢山の元気をお二人から頂くわけですが、そういった「生きている間で得られる貴重な経験」を、どう解釈すればいいのか、と考える時、様々な感情が溢れます。
小さい体からは想像できない迫力のあるチアリーディングで会場を盛り上げた
今回のメンタルエッセンスは「身体感覚の快」。人間は身体から得られる感覚、たとえば、足裏で感じる地面の温かさ、肌に感じる風など、身体情報に敏感になることでの「幸福」や「生きている感=実存感」があります。これは、高田ご夫妻が高い次元で共有されているのだろうと感じた対談でした。
新たなステージは“人と人とをつなぐ”という未来に向けたメッセージが込められている
東京都のパラスポーツを応援するTEAM BEYONDもブースを出展
港区長武井雅昭さんの挨拶でイベントスタート
MCの田中ウルヴェ京さんも笑顔でイベントを進めた
速く走るためのワンポイントレッスンで子供たちも真剣そのもの
トップアスリートから直々に速く走るためのコツを教えてもらう
教わった走り方でダイナミックな動きを見せる清貴
高田夫妻の絶妙なコンビネーションで終始、明るい雰囲気で行われた
今回のメンタルエッセンスは「身体感覚の快」
たくさんのお客様にご来場いただきました
手話で高田ご夫妻にエールを送った芝浦エンジェルス
最後は出演者のみなさんで記念撮影