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コラム

vol.13

提供=産経新聞社

2016年9月8日

【谷真海のパラリンピアン・ライフ】

メダルには届かずとも、スポーツへの貢献は大

フェンシング男子フルーレ個人で1試合目となる2回戦でブラジル選手に敗れ、マットに手をかざす太田雄貴=7日、カリオカアリーナ(撮影・桐山弘太)

フェンシング男子フルーレ個人で1試合目となる2回戦でブラジル選手に敗れ、マットに手をかざす太田雄貴=7日、カリオカアリーナ(撮影・桐山弘太)

今年の夏は、リオデジャネイロ五輪の熱戦に連日、胸を熱くさせられました。

そんな中、1人のアスリートの挑戦が幕を閉じました。2020年東京五輪・パラリンピックの招致活動でともにプレゼンターを務めたフェンシングの太田雄貴選手です。

北京五輪で日本フェンシング界初の銀メダルを獲得し、ロンドン大会では団体での銀メダルに貢献。日本のレベルを引き上げ、競技の認知度を大きく向上させました。昨年の世界選手権を制し、個人で悲願の金メダルが期待されたリオの舞台。残念ながらメダルには届きませんでしたが、フェンシング界を、そしてアスリートたちを引っ張ってきた功績は決して色あせません。

振り返れば、招致実現の肝となったIOC委員への最終プレゼンで、日本チームの士気とレベルを押し上げていたのは太田選手でした。堂々とした立ち振る舞いの裏で、英語の勉強やプレゼンの練習を欠かしませんでした。世界のトップを目指し、全力を尽くすストイックな姿勢が印象的ですが、その一端を間近で見させてもらいました。競技でも競技外でも、大きな志を持ち、一つ一つの場面を大事にして結果を残していくことで、道は切り開かれていくんだと改めて実感しました。

不可能を可能にし、道を切り開いていく-。転換期を迎えているパラリンピックにも大きなヒントになります。太田選手のアスリートとしての姿をもっと応援したい気もしますが、今後はスポーツ界のリーダーとして、新たな道を切り開いていってくれることでしょう。楽しみにしています。

熱戦も小休止。9月7日からはパラリンピック・リオ大会が開幕します。2020年にバトンをつなぐためにも選手たちの熱闘を日本から応援しています。