

走る渡辺康幸監督&大迫傑
昨年の出雲は、完璧だった。
1区からゴールまでトップを守り続ける完全優勝で、14年間勝てなかった三大駅伝を制覇したのだ。
今年は、その優勝メンバー6人全員が残り、連覇に死角なしとも思えた。
しかし、昨年3区区間賞で今年は競走部主将を務める八木(4年)、そして昨年は1年生ながら5区を走り、全日本の5区区間新記録も樹立した志方(2年)が相次ぎ故障。
主力2選手の欠場により、勝利への黄色信号が灯った…。
それを、個々の選手の成長と、層の厚さでカバーするのが、今の早稲田の強さ。
今年のユニバーシアード10000mで渡辺康幸監督以来16年ぶりの金メダルを獲得した大迫傑(2年)は、夏合宿の最後に行われた16km練習でもチームトップ。5000m13分31秒は、出雲出場選手中2位。
監督に「竹澤健介(現エスビー食品)の2年の時より良い」と言わしめた。
そして昨年、出雲1区をトップでつないだ矢澤曜(4年)、4区・6区でそれぞれ区間賞を獲得した佐々木寛文・平賀翔太(3年)の佐久長聖高出身コンビも健在。
さらに、一年間、浪人して早稲田に入学した異色のランナー山本修平(1年)は10000mでチーム2番手のタイム28分38秒を持ち、
他にも一般受験で入学した市川宗一郎(3年)が関東インカレ1部ハーフで4位に入るなど、期待がかかる。
胴上げされるために走り込み、昨年10キロも体重を落とした渡辺監督は、今年も選手と共にコミュニケーションをとりながら、三冠の大願成就を目指して走り続けている。
曰く、「3つ獲らなければならない。負けることは許されない。2年連続三冠を狙えるのはうちだけなのだから…」
とてつもないプレッシャーの中、それをも撥ね退ける底力を、高い意識を、チーム全員が持っている。
前人未到の2年連続三冠へ―出雲、ここから始まる早稲田の挑戦。