
- "幹ちゃん"こと、武市幹城は、成瀬(江口洋介)も頼りにする存在です。演じていていかがですか?
- 先生役は一度か二度やったことはありますが、幹ちゃんのような役は初めてですので、僕自身も、ちょっと楽しんで演じています(笑)。
特に、ここ最近は、アクが強い役柄が多かったので、新鮮に感じています。
- おじいさん役も初めてだそうですね。
- そうですね。最近は、ホームドラマが少ないというのもあるかもしれませんが、父親役はあっても、おじいさん役は初めてで。最初は、「僕も、もうおじいさんか…」とも思いましたが、演じているうちに、だんだんそんな気分になってくるから不思議ですね(笑)。
- 幹ちゃんは、岸部さんの実年齢より8つも年上の設定です。
- 72歳ですからね。そう聞くと、かなり無理がある設定に思えるかもしれませんけど、意外とラクにやっています。特に、おじいちゃんらしくする、といったこともしていませんし。
かの子(北乃きい)、百合子(堀内敬子)というふたりの孫が、僕を「おじいちゃん」として見て、接してくれているので、自然とそういう感じが出ているのかな、と思いますが。
- 成瀬にはやさしい幹ちゃんですが、孫にはビシッと言う厳しい面もあります。
- かの子と百合子の姉妹の口げんかは、結構、荒っぽいでしょう。あのふたりのおじいさんですから、怒ったりするときも、彼女たちのしゃべるテンポに似た感じが出せるといいな、と思っています。実際、ついていくのは大変ですけど(笑)。
- 引退はしても、教育に情熱を傾け続ける幹ちゃんは、岸部さんから見て、どんな人物に映りますか?
- 僕が子どもの頃に、どこにでもいたおじいさんという感じがしますね。自分のおじいさんも、近所にいたおじいさんも、あんな感じだったんじゃないかなって。やさしさや柔らかさはあるけど、言うことに筋が通っていて、気骨を感じられるという。
最近、お年寄りが、子どもたちに押されて家のなかに小さくなっている、なんて話を聞きますが、そういうタイプではないんでしょうね。
自分の教育者としての理想みたいなものを、成瀬くんに引き継いでもらっているの
だから、何かあればいつでも自分が出て行こう、とも思っている人だと思います。
反面、お酒が大好きだったりと、あまり立派過ぎないのもいいですね(笑)。
- 5話以降、学校へ行ったり、生徒たちと接する機会も増えていますね。
- 彼は、もともと、学校や子どもたちが大好きな人でしょうから、きっと楽しんでいるでしょうね(笑)。僕としても、おじいさんが、ただ子どもに接しているという風ではなく、どこかに学校とつながっている人らしい"現役感"のようなものを出すことは意識しています。
- ご自身の先生とのエピソードといえば?
- 僕の子どもが幼稚園や小学校の頃に、よく学校を訪ねたことがありました。こういう仕事をしていることもあって、学校や先生の現実を知りたいな、と思うことがありまして。僕の子どもたちが通っていたのは私立でしたが、新宮小学校と同じように、いつ見学に来てもいいという学校でしたので、暇なときに遊びに行く感覚で出掛けていました。
そういえば、息子が通っていた小学校に、授業が終っても職員室に戻らない先生がいましたね。教室に自分用のテレビと
冷蔵庫を置いて、ずっと子どもたちといるんですよ。職員室があんまり好きじゃないし、子どもたちと一緒にいると子どものことがよくわかる、とおっしゃっていました。
『スクール!!』でも、幹ちゃんのセリフに「先生は、とにかく子どものそばにいないといけない」というのがありましたけど、そういう面からしても、このドラマは、いろいろな問題や現実をうまく取り入れていますよね。
- ドラマを応援してくださっている視聴者のみなさまには、どんなことを感じていただきたいですか?
- ドラマを見て、「いい学校だな」「あんな先生がいたらいいな」と思っても、普通はそこで終ってしまいますよね。でも今回は、その思いが少しでも声になって、先生側の力になればいいな、と思います。
最近は、問題が多すぎて、先生のほうが尻込みしていると聞きます。先生が孤立することのないように、みんなが応援してあげる流れになればいいな、と。あとはもちろん、先生方がご覧になって勇気や元気を得られる作品になっていればいいな、とも思っています。
- 今後の『スクール!!』について、ご希望などがあれば教えてください。
- みんなでいいドラマを、記憶に残るドラマを作ろうとはじめた作品だから、そういう意識を最後まで持ち続けることが大事だと思います。
幹ちゃんについても、だいたいどんなふうになるか、というのは聞いていますが、先を読みきることなく、丁寧に演じていきたいと思っています。
視聴者のみなさんにも、最後まで応援していただければうれしいですね。
