桜子(芦田愛菜)ら4人の父親である奏太役を演じていていかがですか?
奏太は、ミステリアスでもないし、繊細で弱過ぎるわけでもない、どこにでもいるような男性で、そういう役は久しぶりなので新鮮に感じています。4人の子供の父親で大黒柱としての責任感は持ち合わせているのに、奥さん(渡辺舞)が亡くなって半年で海外からアリス(シャーロット・ケイト・フォックス)を連れて来ちゃったりする、完璧ではない一面もあって。そこには、寂しさや彼なりの理由があるんですが…。人間らしい男だと思いますので、僕もより自然に演じられたらいいと思っています。
ご自身との共通点はありますか?
僕も結婚しましたし、守るものがあるという意味では奏太と同じです。撮影で毎日子供たちに囲まれていると、子供ができたらこんな感じなのかな、と考えたりもしますし、それこそ予行練習にもなっているかもしれません(笑)。
撮影現場にはいつも子供たちの声が響いて楽しそうですね。
シャーロットを含めて、みんなすっかり家族のようです。撮影の合間にはおしゃべりをしたりして楽しんでいますけど、本番となればみんなプロですから、甘え過ぎず、離れ過ぎず、いい関係性でやれています。僕は子供が好きなので、だからこそかわいがり過ぎないように気を付けていますが、愛菜ちゃんはすっかり大人ですし、(加藤)清史郎もビックリするくらい男らしくて、頼りにしているくらいです(笑)。
制作発表で、この作品を「現代版『ひとつ屋根の下』」と評していたのが印象的でした。
すごく大きな事件が起こってストーリーが展開していくというドラマではなく、描いているのは何気ない日常なんですけど、人と人とが触れ合い、思い合うなかから生まれる物語に、優しさと温かさがあって。脚本が野島(伸司)さん、演出が永山(耕三)さんと、「ひとつ屋根の下」と同じ方々だというのもありますが、もう20年近く前に出演した「ひとつ屋根の下」に通じるものがあるな、と感じています。
家族で食卓を囲む画にも、同様の懐かしさがありますね。
僕らが暮らす伴家のセットが「ひとつ屋根の下」とそっくりなんです(※セットデザインは、「ひとつ屋根の下」などを手がけた荒川淳彦氏によるもの)。狭い居間にみんながギュッと集まって食卓を囲む画は、現代っぽくはないですけど、温かい雰囲気があって僕はすごく好きです。人間関係がパッと見てわかりますしね。食卓といえば、食べるシーンだけで一日の撮影が終わることがあるんです。そういう時は、お昼の代わりに食卓に並んだお料理をいただくんです。食べることが大好きな(寺田)心くんが「これ食べていい?」なんて聞くのを「いいよ〜」なんて言いながらみんなで食べて。そんなシーンを重ねるうちに、「これは現代の『ひとつ屋根の下』だ」と思うようになりました。
野島さんの脚本を読んでどんなことを感じられましたか?
人が人を受け入れたり、許したりという様が野島さんらしい言葉で描かれているな、と感じました。野島さんの作品は、テーマも明確ですが、中盤に何気ないというか、一見意味のないシーンが織り込まれていることがあるんです。でも、そういう何気ないシーンこそが、実はキャラクターの思いや人間関係をより明確に説明していて。そういう部分も大事に演じたいと思いましたし、見ていただく方にも何気ない瞬間にときめいてもらえたらいいな、と思いました。
奏太は、プロのサックス奏者で1話から演奏シーンがありました。初挑戦ながら、かなりの腕前だとうかがいました。
僕自身、ギター、ドラムは演奏できるんですけど、管楽器はやったことがなくて。それをスタッフから「1ヵ月半でプロ並みになってくれ」と言われまして(笑)。サックスは、楽器の扱いと指の動かし方が難しいんです。ほかの仕事現場の合間にも、その役衣装のまま練習するというシュールなことを続けていたら、だんだんと楽しくなってきてしまって。もっと苦労するかと思っていたんですが、今はドラマが終わったら自分用のサックスを買おうかと思っているくらいです。
最後に、視聴者のみなさまへメッセージをお願いいたします!
現代に生きる僕たちが忘れかけている人間関係の温かさや、安心感、優しさのようなものがたくさん織り込まれていると思います。きっとみなさんの心にも染み入って心の休憩にもなる作品だと思いますので、日曜夜9時、ぜひご家族で見ていただけたら嬉しいです。