高山文夫というキャラクターを演じられてみていかがでしたか?

高山は、脚本家としてトレンディードラマ時代にヒット作を書いていたんですけど、時代の流れとともに自分のやりたいこととの間にギャップが生まれて…。それで小説を書き始めるんですけど、いまひとつ上手く回っていかないと。そんなときに、亜紀(篠原涼子)という女性に出会って、仕事も人生も少し変わっていく、というような役柄なわけですけど、本当はもっと偏屈な感じでやりたいと思っていたんです。寝ぐせをつけたりして冴えないというか…。でも、全体のバランスを見ながら、もう少ししっかりした人間というか、そんなイメージで演じました。だらしないところもあるけど、でもどこかロマンチストで、恋愛に対しても自分なりの思想を持っているからこそ、自分からは行動を起こしづらいとろもある、という男だと思います。

公式サイトには視聴者のみなさんから、「高山さんカッコいい」というメッセージをたくさんいただいています。

本当? 嬉しいですね(笑)。

高山というキャラクターは、もちろんドラマの中に存在しているんですけど、この物語を彼が書いているかのような、不思議な錯覚を起こすような感覚もありました。

台本上では、7話から亜紀のことを書きだす、という風になっていたけど、僕は彼女と出会った時点でもう興味を持っていた、というような目線で考えていました。本当は、『オトナ女子』のことを含めて全部小説に書いたらもっと広がったのかもしれないけど、脚本的にはなかなか難しかったと思うんです。40歳前後の女性が人生を楽しもうと、どういう風に奮闘しているのか、あるいは生きていく中でどう傷ついてるのか、みたいなことは頭の中では考えていたと思うんですけど、実際に目の前にそういう人間が現れたときに、やっぱり面白くて仕方なかったんだと思うんです。1話の最後に「40女がこれからどういう風に這い上がるのか見てみたい」というようなセリフがあったんですよね。本当は、その時点で興味があって、彼女のことを意識し始めていたんだと思うんです。だから、脚本上は7話だけど、僕の中ではもうそこから気分としてはそうなっている、みたいな感じはありましたね。「こんないい題材はないぞ!」「これはいい作品になるぞ!」ってね。それによって、自分も元気になるというか…。それくらい、亜紀という存在を意識していたんじゃないかな?

篠原涼子さんとのお芝居はいかがでしたか?

篠原さんとは『アンフェア』でも共演しているんですけど、今回はもっとラフな感じでしたね。ちょっと恋愛ゴッコみたいな感じで、コメディー色もある作品なので、その辺の具合が…彼女がちょっとコメディーの方に振ってくればそれに合わせていくような感覚でしたね。あとは彼女がそこに来たときの空気を感じながらやっていくというか。高山文夫のキッチリしたセリフに対して、彼女がブワーっと喋るシーンではどこかで彼女のテンションをキャッチしながらセリフの掛け合いをしなくてはならないので、特にドラマ前半では気を遣いながら芝居をしていました(笑)。逆に、後半ふたりの仲が近くなってきてからは、ある程度、柔軟に…とはいえ、あんまり近すぎないように距離は取りながら芝居をしていました。

そういうさじ加減は難しそうですね。

そういうのはその場の感覚ですよね。どういうシーンなのかによりますけど、ちょっと膨らましたときに、自分の思考というかセンスによって、どこまでも振れちゃいますからね。「これは行き過ぎだろう!」というのはドラマをやってきた中で何となくわかりますけど、実際にやってみて編集で切られたときは「ああ、これはやり過ぎだったんだな」って(笑)。そういうところもスタッフを信頼して、料理をしてもらう感じでしたね。

制作発表のときにも質問がありましたが、撮影を通じて、改めて『オトナ女子』という言葉に対して思うことは?

男は子どもを産めるわけじゃないし、そんなには変わらないんじゃないかな、というのは常に思っているんです。このドラマは独身女性を描いていますけど、結婚して子どもを産んで…となれば、そこでまた世界は大きく変わっていきますよね。そういう意味でも、人生のチョイスは男よりも広いというか。仕事を選んだっていいし、家庭に入ってもいい。何が幸せなのか、というのは人それぞれだけど、選択肢が多い分、男より女性の方が深みが出てくるような感じもします。男もそうじゃなくちゃいけないんだけど、何となくいまの世の中を見ていると、男が歳をとって余裕とスケールの大きさみたいなものが出てくる、というのはなかなか難しいと思うんです。でも、女性はそういうのにも左右されない強さがあると思うし、コミュニケーション能力とか、新しいものに対する嗅覚とか、そういう部分でも僕は刺激をもらえるんですよね。

最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。亜紀と高山がどうなるのか、ということが最大のポイントですが…。

どうなるのか、とは言っても「亜紀と高山はくっつくんだろ?」と思いながらずっと見てくれた人たちをどれだけ楽しませることができるか、どれだけドキドキさせることができるか、ということをスタッフとともに考えながらやってきました。大人になっても、恋愛する気分みたいなものはそんなに変わっていなんじゃないかな、という部分を何となく届けられたらいいな、と思うんです。人間が、生き生きと、楽しげに、キュートにいるためには恋というのは絶対必要だと思うんです。僕らの時代はそういうドラマもたくさんありましたけど、ずっと毛色の違う作品をやってきてまた戻ってきたりすると、こういう作品をもっと作り手側も楽しんだ方がいいと感じましたし、見てくれる人たちをもっとドキドキさせたい、ウキウキさせたい、と思ったんです。このドラマがそうなればいいな、と思っています。最終話まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

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