KIKCHY FACTORY

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#64(02/11/06)


わたしの『めがね』の理由

 このコラムの左側にわたしの写真があります。「TV LIFE」のカメラさんに撮っていただいたのですが、もちろんわたしからお願いしたわけではありません。『夜ヒット』育ちで「スタッフは絶対に画面に見切れるな!」と叩き込まれたわたしは、カメラの前も人前も、正直そうとうに苦手です。

 そんな人見知りのわたしなのに、旧くはシャ乱Qやしのはら、そしてキンキや拓郎さん、最近ではモーニング娘。関係やGacktのファンのみなさんにも、コンサート会場とかで指をさされたりもします。そのわかりやすい目印になってしまうのが、写真の「めがね」なのです。

 このめがね、レイバンのフレームにレンズを入れたいわゆる「度付きサングラス」で、ほぼ2年ごとに2本のペースで、ほとんどおんなじのを作り続けています。

 子供のころから眼鏡はずっとかけてなくって、入社してからも免許の書きかえでかけるぐらい。目が悪いのでひとの顔とか憶えるのが苦手なんですが、それでもちょっと、眼鏡はめんどくさかったのです。

 そんなわたしが眼鏡をするようになったのは、『夜ヒット』のADとかで草野球チームをつくったとき。大学時代の阪神ファンクラブの名前から名付けて「優虎団倶楽部」けっこう強いチームで、腕だめしに出た「グリーンカップ」では予選を3度勝って、でもメンバーが集まらずに4回戦で惨敗しましたが。そのころ、ボールがちゃんと見えるように、野球用に作ったのがプラスチックレンズのサングラス。ついでだからとガラスのちゃんとした、ウッディ・アレン風だとかジョン・レノン風なのとか、素通しの眼鏡も作ったのですが、すぐに失くしてしまって、野球用のだけ残って。それも失くすと野球ができないので予備も作って、それからそのまま現在に至りました。

 かけはじめた最初はディレクターになりたてだったこともあり「できあがってんじゃねえ」とかしょっちゅう叱られてましたが、なんかなじんでしまって、今ではすっかり顔の一部。さすがにお葬式のときなどははずしますが、結婚式とかもこのままで、もうめがねをはずすと何もできません。

 いつか武道館の楽屋で、井上陽水さんがおんなじサングラスしていて、サイコーにバツが悪かったこともありましたが。

 大兄貴分の鈴木雅之さんとか、かわいがっていただいているCHAGEさんとか、もちろんわたしもですが、サングラスを常用してらっしゃるみなさんは、素顔は意外にやさしいしいつぶらな瞳だったりもします。わたしに言われたかないでしょうが(笑)。


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