KIKCHY FACTORY

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#61(02/09/25)



TVディレクターのつくりかた とか

 今年もなんとか夏が終わりました。いつもながらのあわただしい夏。ここ数年のわたしたちの夏は、27時間テレビの深夜の音楽プログラムからはじまって、7月21日の『LIVE FACTORY』、31日Zepp TokyoのGIRL POPイヴェント、そして吉例の8月8日『ともえちゃんまつり』まで。これに例年オプションがいろいろついて、今年は特にどこからが夏のロードマップかかわからないくらいに、いっぱいいっぱいつくらせていただきました。

 6月から9月のあいだでレギュラー以外が11本。それぞれにCSやらBSやら別の長さでもつくるわけですから、ざっくり倍付け。わたしたちのグループは『HEY!』『堂本兄弟』『FACTORY』の3チームにがありまして、武闘派制作集団;team FACTORYが、以上の夏の別番組まつりを基本的に全部こなしました。レギュラーの『FACTORY』『フォークデイズ』6月末までは『アヤパンウェンズデー』をつくりながらです。ちょっとすごいでしょ。

 でもすごい状況というのはディレクターもそれぞれが手いっぱいになってくるわけで、これは若いスタッフにとってはチャンスでもあります。『HEY』とか『堂本』とかメインの時間帯の番組ではなかなかかんたんにはディレクターはできませんが、team FACTORY、これだけかかえていれば比較的早くに「やってみろ」ともなり、今年も『ともえちゃんフォークジャンボリー』で、3人の女性のADさんをディレクターとしてデビューさせました。わたしが坂崎さんとつくった3部構成を1つずつ、三者三様にがんばってなかなか上げました。もちろんはじめてだから、気づいたことはダメ出してあげるし、とりあえずわたしたちのやりかたも理解させて。そこからいつか自分の演出が生まれるように。

 今年はもうひとり『アヤパン』でも『HEY』のセカンドADを生放送のディレクターとして叩き上げました。彼の3か月の経験はまちがいなく『HEY』やその次へとつながっていくはずです。

 プロデューサーもそうですが、ディレクターやったからもうフロアはやらないとか、どっちがエライとかそういうことではなく、ディレクターをやってはじめてわかるフロアやADさんの重要性を、ディレクターをやらない仕事にもつなげて、そしていつか自分で立ち上げる新しい番組の演出に生かしてほしいと願っています。

 わたしたちのチームではそうやって『HEY』や『堂本』のディレクターもつくってきました。もちろんわたしもそうやって、ディレクターにプロデューサーになったので。

フジテレビ きくち





モドル




(C) OTOGUMI ALL RIGHTS RESERVED.