KIKCHY FACTORY

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#45(02/02/13)



わたしたちのフォーク・デイズのそのつづき

 日本青年館のNSP復活のコンサートに出かけてきました。70年代に人気のあった3人編成のフォークグループで、代表曲の「夕暮れ時はさびしそう」はオリコンのたしか3位。わたしと同郷で地元では中高生の誰もが知っている音楽でした。当時生で観ることができなかったので、再結成の今回がわたしにとってはじめての彼らのコンサート。20年近い年月を越えて、それはデジャヴのようにわたしを包み込みました。

 わたしと坂崎幸之助さんの共通のキーワード、そして吉田拓郎さんとのNGワード?(笑)「フォークソング」そういう時代がわたしたちにはありました。

 CS放送フジテレビ721でわたしたちが制作している『フォーク・デイズ』、加川良さんや高田渡さん遠藤賢司さん友部正人さん、そしてこれも同郷のあんべ光俊さん、涙の出そうな先輩方がまだまだ山のように、一昨年の4月から放送も20回を重ねています。

 そのスペシャルとして12月にAXで収録したのが、市井紗耶香さんの復帰コンサート『FOLK DAYS』、中澤裕子さんとのカバーCD『FOLK SONGS』のライブでした。昼夜2回の公演に詰めかけた3000人もの男のコたち!観たことも聴いたことももちろんないフォークソング、おそらくは一生涯聴くこともなかったフォークソングの数々を、市井や中澤をきっかけに、CDでライブでたのしんで。これはそうとうに志が高い企画だと思います。クライマックスはゲストに堀内孝雄さんとばんばひろふみさんを迎えての「秋止符」1979年のアリスの佳作を、市井・ばんばさん・堀内さん・中澤とならんで後ろにはたいせーがいての生演奏。堀内さんのうたにもりあがる男のコたちのほとんどは、この曲よりか後に生まれてたりするわけで、それはちょっとすごいなって思うのです。

 なんか楽曲が大量に生産されて大量に消費されていくようにも思えてしまう今日このごろ、聴くひともうたうひともはじめて出逢うずっと過ぎ去った楽曲が、まったくの新曲として受け入れられたりする。さらにはオリジナルが気になったり、さかのぼってそのアーティストをまるごと聴いてみたり。洋楽ならわたしたちでもよくある楽曲へのリスペクト。日本のアーティストに対してもあっていいし、それはそれで前向きなんじゃないか、とか考えたりもしています。

 4月『FACTORY』がウイークリーで成立したらば、そんなリプロダクツなことも考えています。わたしが大好きだったガールポップとか歌謡曲とか、フォークソングに、リスペクトをこめて。日本中の音楽に愛情を持って。がんばります。


フジテレビ きくち





モドル




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