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レポート

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#280(11/03/30)

ひとつになろう日本♪ テレビが音楽でできること

 わたしは岩手の出身で被災関係者ですが幸い両親は無事で、けれど高校の同級生には大船渡や陸前高田のコたちも多数いて、岩手宮城に散らばる幾百人もの深かれ浅かれの知人友人親戚の安否は知りようもありません。何年も経って知ったりするのか、いざとなると怖いものです。

 年始に帰省したとき、鉄子な私は地元のローカル大船渡線にひさしぶりに乗ったのですが、あのとき見た沿線の光景やら、気仙沼の見知る建物やら看板が、うそのように呑まれてゆくのをテレビ画面のリプレイで、ただただ呆然と眺めるだけでした。

 そのときわたしたちは『堂本兄弟』ゆずの回のプレビュー中でした。場面は「一問一答」半ば辺りで、17階のプレビュー室にも余りに衝撃的な激震、止まない烈震。ドアを開け放ち導線を確保して、でも人間はこうやって死ぬのかと覚悟ともつかない。コンクリか建材の粉が降る廊下を伝って、窓のある部屋から外を見れば、目の前の建設中のビルの最上階が崩落して、さらにそのむこう湾岸スタジオのすぐむこうから巨大な黒煙が立ちのぼり、その元に炎を見たときには、東京が壊れてしまった、と震えました。

 その週末は音組3番組も放送休止となり、1週遅れてゆずの『堂本』が放送されましたが、ちょうど1週間後の同じ時間、改めてプレビュー室で観たその回ゆず×堂本ブラザーズバンドのセッション曲が、「Hey和」。こんなに響いて泣きそうでした。

 前号書いた『堂本』10周年パーティはもちろん中止となりましたが、テレビが音楽でできることを考えて収録は開きました。

 元気な人が、元気を出して、日本を元気にしなくちゃ、ね。うたでひとつになりましょう。そのためにできることを、今、私たち音組は毎日考えています。

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