KIKCHY FACTORY

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#14(00/12/06)



年に一度の大仕事!明日は『FNS歌謡祭』

 LOVEx2の200回が終わったばかりですが、ある意味わたしたちの年末いちばんの大仕事「FNS歌謡祭」が今年もまたやってきます。わたしも入社以来ずっとでもう16回目。かくし芸があって、FNSがあって、HEYの生のXmasがあって、大晦日にドームというのがここ数年のわたしたちの12月です。

「FNS歌謡祭」というのは特別な番組で、年にいちど、わたしが会社に入ったころの歌番組「夜のヒットスタジオ」など思い出させてくれる貴重な現場です。わたしたちがちょっと忘れかけた若いころの教訓の数々が、会場のあちらこちらに散らばっています。ふだん最近のものわかりのいい音楽番組をやっているわたしたちにはまぶしいくらい胸を張った、気高くて背筋の伸びた一大音楽イヴェントです。

 85年わたしのはじめてのFNSは、いわゆる賞レースの番組でした。中野サンプラザでノミネート歌手が発表になり、日本武道館でグランプリがキマりました。そのころは民放各局に大きな賞番組があり、局をまたいで「歌謡大賞」があって、さらにいくつものそれ系の音楽祭や有線の賞番組などもあって、最優秀新人賞や大賞を競って、それが年末の日本の音楽シーンを彩っていました。

 ベストテン番組や「夜ヒット」がなくなって、音楽番組の世代交代が進んで、賞番組もその嵐にもまれるなか、いち早く方向転換をキメたのが「FNS歌謡祭」でした。90年に賞を廃止、91年からは1年間の日本の音楽シーンを代表するトップアーティストたちが集う、ほんとうの意味での「音楽祭」として高い視聴率を獲得してきました。2度ほど横浜アリーナからライブなスタイルで放送しましたが、他の特番と一線を画して、「飛天」からショウなスタイルで今年もお届けします。

 ADのころからプロデューサーになってもわたしは会場でちょこまか働いているのですが、2回だけ地方から中継のディレクターをやったことがあって、1回は札幌からチャゲさんの、もう1回は金沢から小田和正さん。それで小田さんの下見のときに一世一代の大寝坊をして(笑)大ひんしゅくを買いました。前の晩「G−STAGE」という生放送の音楽 番組の担当ディレクターで、しかもその夜はとんねるずが歌謡大賞を受賞した記念すべき夜で、あっちこっちで大騒ぎで飲んでいて(笑)朝方家に帰ってお風呂にお湯ためてトー チュウ広げ・たところで記憶がなくなって(笑)記憶が戻ったのは昼の12時半!金沢の下見は13時に石川テレビで待合せ・・・さすがに30分では羽田にも着きません。真っ白になったりトイレでもどしたり、散々に謝ったのが、FNSのいちばんの(イヤな)思い出です(笑)。

 いい思い出はいくらでもあります。たぶん今年もきっと!です。


フジテレビ きくち



モドル




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