レポート

TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY
#105(04/06/23)インタビュー
×Gackt
『HEY!HEY!HEY!』
2004年5月23日 夕方
東京メディアシティ 楽屋でインタビュー

きくち
まだツアーは続いてるけど、とりあえず武道館はお疲れさま。2時間40分、軽くチケット代の5倍の価値はある内容だったと思う。
Gackt
どうなんだろうね。いつも行けるところまでって思ってて、次の日のこととか考えてないから。
きくち
そうだね、Gacktのライブは本当に「全力」。前に(堂本)剛くんと出かけたとき、ライブの後挨拶しようと待ってたらなかなか出てこなくて。1時間半くらいしてやっと出て来たら、両脇をSPさんに抱えられてて。その時はちょっと感動したよ。「ライブでここまで燃え尽きられるんだ」って。
Gackt
そんな状態になるまでやるなんて、アタマ悪いよね(笑)。
きくち
いやいや、あれだけのステージを見せてくれればね、もう大満足だよ。体験したことのない人は絶対一度観てほしい。まず…アクティブなGacktにびっくりするから。
Gackt
(笑)。
きくち
「来いよお前ら!」的なロックなGacktにね。あとはGacktのいわゆるパブリックイメージと違った、音楽と笑いの融合(?)もあるし。
Gackt
そんなにね、最初から最後までずっとカッコつけなくてもいいと思うんだよね。ただカッコいいだけの人間より、ドンクサさやブサイクなところもある方が、逆にステージが華やかになるから。それでその人に対しての距離…僕は「精神の距離」って呼んでるんだけど、その距離が離れたままより、近づいたり、また離れたりした方が見ている人は楽しめると思うんだ。
きくち
ああ、わかる。すごくわかる。
Gackt
だからステージを観た人は、人生を1回経験したみたいな感じがするんじゃないかな。だから終わった時に涙が出たりとか、すごくいい顔で帰ったりするんだよね。
きくち
演ってるGacktもライブたのしいでしょ?
Gackt
もちろんほかの仕事も楽しいんだけど、ただ…ステージはリミットの無い世界っていうか。で、見に来てくれている人とキャッチボールできる空間がそこに広がってる。
きくち
1曲1曲お客さんと魂のキャッチボールをするんだ?
Gackt
そう、倒れるまでね。だから投げられたボールを投げ返せなくなったら、僕はステージに立つ資格が無いと思う。魂の交流があるってことが、僕のライブだからね。
きくち
ほんと観るたび「何てすごいライブなんだ!」って思うよ。ダンスも上手いし。昔っから出来たっけ?
Gackt
いやいや、練習してるよ。ドンクサいから(笑)。
きくち
Gacktがどんくさかったら、世の中の男はみんなドンクサいよ(笑)。さっきピアノの前で写真撮ったときだってさ、すごぃカッコよかった。曲もピアノで作ってるの?
Gackt
いや、特に楽器は決めてない。頭の中で作ってるから、譜面に起こすこともあれば、ICレコーダーに吹き込んじゃうこともあるし。ただ音や詞からスキームとして作るんじゃなくて、必ず先に物語がある。それが音を呼び起こしてくれるって感覚だね。
きくち
頭の中にあるイメージが、デバイスして外に出てくる感じ?
Gackt
そうそう。僕は翻訳者みたいなものだからね。頭の中に降りてきた物語や映像を音楽にしてるだけ。もし自分が音楽以外に表現出来れば、ほかのもので表現してもいいんだけど。
きくち
ビジュアルやボーカルが強いから置き去りにされがちだけど、すごい言葉をいっぱい使ってるよね。文学的というか、哲学的というか。
Gackt
善し悪しはあるだろうけど、それは僕が決めることじゃない。僕の詞…電波を受け取った人が、それぞれ判断してくれればいいと思う。人間には頭の中で描き上げる「想像」と、それを形にする「創造」って力を与えられてるんだから、自分の力で考えるべきだよ。これは僕の詞だけじゃなく、何事でもそうだよね。
きくち
相変わらずキレがいい、快速球だね、しゃべる言が。Gacktのこんな言葉も聞いてほしいから、みんなにライブに行ってほしいな。

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