KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #59(03/12/12)


異色デュオ野狐禅が2度目の『HEY!』
トークだけでなく彼らの熱い歌も必聴


 来週月曜放送の『HEY!HEY!HEY!』に異色の男性デュオ・野狐禅が満を持して2度目の出演、今週放送したスネオヘアー、再来週3時間の生放送特番に出演予定の中学生兄弟デュオ・平川地一丁目、と今年わたしたちが開発してきた、爆裂トークの新戦力3組が3週連続で年末の『HEY!』を締めくくります。
 スネオくんは、深夜のライブ番組『FACTORY』でお仕事して気に入って、大急ぎで『HEY!』まで連れてったのですが、ダウンタウンとのフリートークの相性もよく、「あいつはアリやな」と2度目で浜田さんからも認めていただきました。最初の出演前と後でライブハウスの大きさも5倍くらいに大きくなった急成長株。音楽もしっかりとしているので、せっかくだから今度はもっと売れてほしいな、って思っています。
 平川地一丁目は何度かこのコラムでも書きました。弱冠12歳・弟の直次郎くんが微妙に変声期にさしかかってきたりもして、そこがまた絶妙に切ない。兄ちゃんは佐渡でしか今しかつくれないうたをつくって、直次郎は今しかうたえないうたを、まさしくうたっている。少年期の儚さみたいなものにシビれます。自分のそのころを思い出したりもします。
 野狐禅というのは竹原ピストルと濱埜くんの大学仲間のユニット。一目見て異色です。そのうえ前回出演で生演奏したメジャーデビュー曲が「自殺志願者が線路に飛び込むスピード」!ちゃんと聴けば前向きな楽曲でもあり音楽性も高く、竹原くんが強烈な個性を叩きつけてくるような熱いメッセージソングでもあります。この楽曲がなんか、ラジオではオンエアされない、とかいう話を聞いて正直ちょっと驚いています。音声だけのメディアではタイトルの聴いた語感が強烈すぎる、ということなのか、こういうことが今でもあるんだなぁ、って
 この夏坂崎幸之助さんとつくった5夜連続「お台場フォーク村」の最終日に、なぎら健壱さんと坂崎さんで「日本放送禁止歌大全」というのを演って、その辺りずいぶんと勉強したのですが、基本的には世の中に「放送禁止歌」は無くって「放送自粛歌」があるのだと理解しました。高田渡さんの「自衛隊に入ろう」とか加川良さんの「教訓T」とか、昭和40年代の発表当時よりも昨日今日のほうがずっとリアリティがあります。かつて放送されなかった時代もあったようですが「フォーク村」では真摯に放送しました。賛成とか反対とかそんな二元論でなくて、聴くものの心にどう響くのか、そして何かを考えるきっかけになれば、と思って胸を張って放送しました。
 わたしたちはこういう仕事をしているから、お茶の間のみなさんよりはやくいいうたにふれる機会が多いかもしれません。それを電波にのっけてみなさんに聴いていただいて、しあわせな気持ちになったり、感傷にひたったり、ときには怒ったり、それから世の中のこととか自分のこととか考えてみるきっかけになったら、とそんな気持ちでわたしは歌番組をつくり続けています。
 野狐禅も、スネオも、平川地も、いいうたをうたいます。爆笑トークのついででもかまわないんで、どうか耳を傾けてみてください。

フジテレビ きくち

 


モドル



コピー禁止 このページに掲載されている写真はすべて著作権管理ソフトで保護され、掲載期限を過ぎたものについては削除されます。無断で転載、加工などを行うと、著作権に基づく処罰の対象になる場合もあります。なお、『フジテレビホームページをご利用される方へ』もご覧下さい。
著作権について