KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #54(03/11/07)


大いなる夢と期待』
拓郎さんが平川地一丁目にメッセージ


 夏から何度かお仕事してきた、佐渡島の中学生兄弟デュオ;平川地一丁目が昨日木曜日、シングル「とうきょう」でついにメジャーデビューを果たしました。出足はとりあえず好調のようで、来週のチャート誌の10位圏内には入るくらいのいきおいです!
 中学3年生のお兄ちゃん;龍之介くんと、中学1年生まだ12歳の弟;直次郎くん。『HEY!HEY!HEY!』出演のときに兄ちゃんはその風貌から松本人志さんに「すし職人」と評されて、弟はお客さんから「女の子みたい」ときゃあきゃあ言われて、それでうたうのがあんなメッセージ性の強いフォークソングですから、そうとうにインパクトがあります。
 わたしがはじめて目の前で彼らの演奏を観たのが8月8日の「ともえちゃんフォークジャンボリー」のとき。この日は保田圭ちゃんのモーニング娘。卒業後初ステージで、会場にはモー娘ファンの若い男の子たちと、司会の坂崎幸之助さん目当ての女性たちが合わせて1500人つめかけていて、そんななかでオープニングアクトとして最初にステージに上がったのが誰も知らない平川地一丁目。けれどその野球小僧と後藤真希・のようなものすごいビジュアルの組合せにまず観衆はざわめいて、そして女の子のような透きとおった超ボーイソプラノでうたう真っ直ぐな強い歌に、男の子も女の人も大歓声!圧倒的な印象を会場に残して、終わってからはインディーズのCDが飛ぶように売れていました。
 そして夏休み最後の8月末、今度は坂崎さんの「お台場フォーク村」というイベントに平川地一丁目がやってきました。彼らが演奏したのは火曜日だったのですが、お父さんが吉田拓郎さんの大ファンだったということもあって、前日月曜日にも、拓郎さんの復帰ステージを観るために、お客さんとして来ていました。最後にステージで篠原ともえといっしょに拓郎さんに花束を渡して、終わってから楽屋で改めてご対面、CDを渡して握手してもらって、かなり緊張していました。拓郎さんはそれをすぐ聴いてくれたみたいで、それからはものすごい応援してくれているのです。
 こないだの月曜祝日、原宿で彼らが路上ライブを演ったときにも、応援コメントを出してくれて、一部は「サンスポ」にも紹介していただいたたのですが、わたしにメールで届いた全文はこんなかんじです。

 「平川地一丁目」ってなんだい?と言うところから物語は始まるのだろう。若い人達がどのように音楽とつき合っているのか?どのように音楽を愛しているのか?何よりも「若い人達」とはどういう生き物なのか?ここにいる二人がすべての物語の主人公ではないけれどここにいる二人はあきらかに新しい物語を作り始めている。わたしは彼等の物語に大いなる夢と期待を抱いているのだ。
2003/10/31 吉田拓郎

 正直、拓郎さんがこんなに真剣にこんなにしっかりと書いてくれるなんて思ってもみなかったので、もったいなくってここに掲載しました。「フォーク村」の2日目、兄ちゃんは、ギターをはじめたときからずっと読み込んでぼろぼろになった、坂崎さん監修のギター教則本を持ってきました。サインをもらって、目の前でギターを習って、ふつうに幸せな顔をする龍之介くんは、ふつうの中学3年生でした。
 彼らがこれからどうなっていくのか、わたしにももちろんまったく想像がつきませんが、みんなのいろんな愛情のど真ん中で、いいうたをつくってうたっていってほしいな。拓郎さんと同じように、わたしも彼等のこれからの物語に、大きな夢と期待を抱いています。

フジテレビ きくち

 


モドル



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