KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #53(03/10/31)


日本シリーズを見るために2日続けて福岡まで往復・・・

 日曜月曜と続けて、福岡ドームに出かけてきました。実は先週の火曜にも日本シリーズ第3戦の甲子園球場に向かったのですが、名古屋の手前で阪神ファン仲間から雨天中止のメールをもらって、でもそこで引き返すのもできなくて『HEY!HEY!HEY!』のディレクターふたりを引き連れて、今津にある阪神ファンの集う超有名居酒屋「虎」で飲んで飲んで日帰りしてきました。
 店主の大平さんとは、大学1年のときからのおつきあいになります。前回阪神優勝の1985年に『夜のヒットスタジオ』の1年目のADだったわたしが、「季節の風物」というオープニングの名物コーナーに、プロデューサーから「Vカット」に虎刈りした阪神ファンを仕込むように言われたときに助けてくれて、応援団のみなさんを引き連れて番組に出演していただいたこともありました。
 結局甲子園での阪神3連勝は、出かけることができませんでした。第3戦の藤本選手のサヨナラ犠牲フライは小林武史さんとMr.Childrenの12月1日放送『HEY!HEY!HEY!』の打合せの真っ最中でした。第4戦の金本選手のサヨナラホームランは『ayu ready?』の収録のあいまにスタジオのスタッフルームで観れました。第5戦はぎりぎり家に帰り着いて、勝利の瞬間はなんとか観れました。曜日が変わって行けなかった第3戦のチケットは千秋姉妹にゆずって、福岡の第6戦にわたしは賭けたのです。
 もともとは、阪神のリーグ優勝の瞬間にたまたまいっしょにお食事していた吉田拓郎さんともりあがって、「ホームラン・ブギ」をカバーしてナイターの解説までやった今年一年の総決算に、日本シリーズを観に行こう、とチケットをなんとかしてもらったのですが、結局ツアーがはじまってみて、やっぱりちょっと、という話になって、それでもわたしは出かけました。
 先週の土曜日の夜NEWSの番組の収録終わりで、寝台特急に乗って福岡に出発、岡山から新幹線に乗り換えて日曜の9時前には福岡に着きました。試合は残念な結果に終わりましたが、はじめての福岡ドームだったので、屋根が開くところが観たくて、最後まで残って、必死の思いでなんとかタクシーをみつけてやっとの思いでホテルに帰りました。
 翌日朝一番の飛行機で東京に戻って、フジテレビに出社。千秋ちゃんにもらった第7戦のチケットも持ってはいたのですが、さすがに行けないなと思ってはいたのですが、福岡にいる千秋ちゃんから「星野監督の最後の試合を観に来ないなんて信じられない」と電話があって、まわりの薦めもあり、夕方の飛行機に飛び乗って無理矢理、朝までいた福岡にまた向かいました。
 球場に着いたときはもう0−5。もうダメかな、とは思いましたが、今年1年の出来事やら、あるいは去年4月からの快進撃だとか、いろんなことをしんみりと思い出しながらでも、声を枯らして最後まで応援しました。隣の千秋ちゃんも静かに感極まっていました。反対側の隣には井川投手の友人知人がいて、何も持たずに会社を飛び出してきたわたしに、応援メガホンを貸してくれて、ダイエーの優勝で試合が終わったそのあとに「来年の日本シリーズまで預かっといてください」と、そのメガホンをわたしに託してくれました。
 千秋ちゃんとマネジャーさんはもちろん福岡に泊まったのですが、わたしはここにはいたくなくって、王監督の胴上げを背中で祝福しながら、球場を飛び出して、新幹線、寝台特急、また新幹線と乗り継いで、東京へ帰ってきました。博多駅まで向かうタクシーのなかで、泣けてきました。それはたぶん悔しくてじゃなくって、2日続けての福岡往復を許してくれたみんなへの感謝だったり、強引にわたしを福岡に呼んだ千秋ちゃんの友情への感謝だったり、そしてもちろん、星野監督と選手の1年間への感謝の気持ちで胸がいっぱいになったから。
 翌日『堂本兄弟』の収録で、ジャイアンツファンの堂本光一くんや高見沢俊彦さんとかが、妙にやさしかったのが、また心にしみました。心をこんなに揺さぶるプロ野球って、ほんとうに素晴らしいな、って感じ入った1週間でありました。

フジテレビ きくち

 


モドル



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