KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #51(03/10/17)


最後の最後までかっこよかったラストライブ
さらば、ミッシェル・ガン・エレファント


 先週の土曜日、幕張メッセに男の中のロックバンド、ミッシェル・ガン・エレファントの最後のライブに出かけてきました。最近だと「ミュージックステーション」の例のタトゥーのドタキャン騒ぎの生放送で、急遽もう1曲生演奏したことで、お茶の間にも有名になった、硬派のロックバンドです。
 会場はメッセを3区画ぶち抜いた巨大なスペース、そこに完全イスなしのオールスタンディングで3万7千人もがつめかけて、場内に入ったとたん即メガネがくもるくらいの強烈な熱気があふれ出していました。
 深夜のライブ番組『FACTORY』とスカパーでの特番のお仕事もあったのですが、それよりなによりこの歴史的な夜にどうしてもそこにいたくて、わたしは幕張まで出かけました。
 ミッシェルとは1996年3月、メジャーデビューの頃『FACTORY』の前身『TK MUSIC CLAMP』でお仕事したのがはじまり。「世界の終わり」を生演奏、そのときギターやベースを下げたスタイルだとか、アンプとつないだカールコードだとか、胸を張った細身のロッカーたちに、わたしは一発でヤられてしまいました。
 翌1997年には『MUSIC CLAMP』の2代目司会者;SMAPの中居正広くんとメインゲストとしてトーク。ミッシェルが『Mステ』の6年も前に、深夜ながらも地上波で中居くんとトークしてる、ってちょっとスゴい。そのときもらった、中居くんと彼らの両方のサインの入った台本は、今でもわたしの宝物です。大げさに言えば、20世紀ニッポンの音楽業界の奇跡の共演かも(笑)。
 流れで『HEY!HEY!HEY!』にはじめて出てきてくれたのが1998年。ダウンタウンにはさまれてお客さんの前でなごやかにトークに応じる黒ずくめのロッカーたち。けれど演奏はもうやりたい放題で(笑)もちろん生で何曲か、いつものライブをいつものように演って、かっこよかった。いわゆるテレビ的なロックバンドでもなければ、お茶の間で口ずさめる有名な楽曲があったわけでもありませんが、彼らと彼らのファンが、日本のロックをかっこよくしたのだと思います。
 最後の最後メジャーデビュー曲の「世界の終わり」がはじまって、「この曲が終わるとミッシェル・ガン・エレファントが終わるんだ」と思うともう何も言えなくて、そんななかギターの4弦が切れて、もちろん最後の最後までかっこよかったんだけど、なんかせつなかった。
 ライブが終わって、あかりがついてあらためて見渡して、屋内でライブハウス状態での3万7千人のものすごさに圧倒されました。数百人の関係者が残った打上げは、いろんな顔がいっぱいあったけど、メンバーも誰もみな虚脱感というよりは達成感というか解放感にあふれていて、それがまた彼ららしかった。
 はじめてのコンサートもあれば、最後のライブもある。わたしはこの日、今夜のこのライブに参加できたことを誇りに思います。まぁ、汗だくになった3万7千人が一斉に帰るわけですから、夜22時過ぎの海浜幕張駅はたいへんなことになってましたけど(笑)。
 日曜日にはまた、吉田拓郎さんの国際フォーラムに出かけてきます。病気から復活してはじめてのツアーの最初のステージ。これもまた、必ず見ておきたいコンサートです。

フジテレビ きくち
 


モドル



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