KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #35(03/06/27)


あす夜から『FNS27時間テレビ』
台本のないドラマにドキドキ


 明日の夜からフジテレビでは吉例の『FNS27時間テレビ』がはじまります。今年は音楽班は桑田佳祐さんの伝説の番組『音楽寅さん』のスペシャルを放送します。深夜零時過ぎからの予定です。是非とも生でごらんになってください!
 そんなこんな『27時間テレビ』、わたしたちのチームもだいたい毎年何らかのかたちでお仕事させていただいて来ました。
  1997年にはダウンタウンが総合司会、篠原ともえちゃんをアシスタントに『HEY!HEY!HEY!』チームで『27時間テレビ』をつくったのですが、その冒頭、台風でナゴヤドームのナイターがまさかの中止になって、当時はドーム球場の野球が中止になることは想定していなかったので、何のバックアップも用意してなくって、降りしきる雨の中、巨大な屋外ステージの脇の、ちっちゃいテントの中のちっちゃいテレビをつかってのゲーム大会、というたいへんなスタートとなりました。その後『LOVE LOVEあいしてる』はじめての生放送もあったり、翌日一転からりと晴れあがった巨大ステージでのライブも感動のフィナーレもあり、音楽班が総力をあげた、素晴らしい『27時間』でした。
 翌1998年の『27時間テレビ』では、わたしたちのお仕事は木村拓哉くんをゲストに迎えての生『LOVE LOVE』、布袋寅泰さんとの「BORN TO BE WILD」にはシビれました!
 そしていちばん印象深いのが1999年、中居正広くんが司会をつとめた『27時間テレビ』。この年わたしたちは『TK MUSIC CLAMP』という伝説の深夜番組をベースに、SMAPの『LIVE×LIVE』というライブ番組をつくりました。小室哲哉さんが司会で、SMAPの5人のメンバーのそれぞれと5つの音楽セッションをつくるという企画で、中居くんが吉田拓郎さんと名曲「ともだち」をうたったり、小室さんのピアノ1本の生演奏生放送で木村くんがジョン・レノンをうたったりだとか、サイコーのライブをつくることができました。
 その『27時間テレビ』のエンディングに、がんばった中居くんのために、中居にないしょで、彼が大事にしているSMAPの曲をうたおうと木村くんが言い出して、その深夜のライブ番組に参加したメンバーで、演奏することになったのです。小室さんのピアノ、拓郎さんのギター、吉田建さんのベース、そしてドラムにはサザンオールスターズの松田弘さん。ないしょでこっそりリハーサルもして、エンディングの前にまた集まる、予定だったのですが、昼間に用事があって福岡に出かけていた小室さんが予定の飛行機に乗り遅れてしまって、次の便はもうどう考えてもまにあわない時間で。
 お台場フジテレビのスタジオでの演奏予定は夜21時18分、飛行機の羽田着が21時ちょうど。羽田からフジテレビまで、どんなにすいてても15分はかかる。到着してから車に乗るまでの時間とか、ふつうに考えてもう絶対にまにあわないと判断して、かわりのキーボードさんをさがして拓郎さんの楽屋で譜面だけ追って、4人をスタジオセットの登場口の裏までお連れしてから、わたしはフジテレビ脇の高速の出口で、それでも小室さんを待ちました。
 そうしたらば奇跡の21時15分、小室さんを乗せたロケ車が到着。エレベーターまでまわってたらばとてもまにあわないので、わたしが手を引っ張って、小室さんと3階のスタジオまで階段を駆け上がって。フロアの人混みを大声で掻き分けて小室さんをステージに押し込んだのが、ちょうど9時18分。かわりのキーボードさんを含むメンバーが登場したところでした。
 これこそテレビのお仕事の、そして生放送の醍醐味。こうやってギリギリのところでなんとか出来ちゃうところが、小室さん、中居くん、そして企画した木村くん、3人のスーパースターたるところ。この台本のないものすごいドラマに、わたしは現場でふるえがとまりませんでした。
 そんな『27時間テレビ』、今年もきっと生ならではの、驚くようなドラマが味わえるはずです。

フジテレビ きくち

 


モドル



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