KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #25(03/04/18)


18年前の坂崎さんとの出会いが音楽とわたしを結び付けてくれた

 一昨年秋から、モーニング娘。関係のアイドルたちによるフォークソングのカバーアルバムが3作リリースされています。そのプロデューサーであるシャ乱Qのたいせーが、このあいだ市井紗耶香と『HEY!HEY!HEY!』に来て、今そのシリーズの4枚目をつくっている、とはりきっていました。
 その流れでわたしたちは、CS放送のフジテレビ721を中心に『フォークデイズ』という番組をつくっています。3年前の2000年4月9日、「フォークの日」にスタートしたこのイベント、もうかれこれ35回を数え、そのほかにも昨年末には後藤真希と藤本美貴と中澤裕子のフォークライブの中継なども放送しています。

 たとえアイドルがきっかけであっても、若いコたちに自分らが生まれる前の名曲を聴かせようという企画は楽曲が大量に生産され消費されていく世の中ではすこぶる健全な考えかたで、昨今のカバーブームのその前から、フォークソングを21世紀のニッポンに響かせよう、としていた志には個人的にも共感しています。
 この『フォークデイズ』もともとそういうイベントをただ収録させていただいて、放送するだけのお仕事だったのですが、音楽の趣味嗜好からもわたしは血が騒いでしまいまして、そのジャンルでのわたしのいちばんの師匠であり理解者であり「フォーク仲間」でもある、坂崎幸之助さんと、イベント自体の企画段階からいっしょにつくりあげたくて、去年の8月8日にはお台場フジテレビ7階の屋外特設ステージになぎら健壱さん加川良さんそして高田渡さんなどお呼びして、坂崎さんの司会で「フォークジャンボリー」を開催しました。夏のお台場の屋外で、家族連れやらカップルやら、不特定多数の人通りのなかでうたう、高田渡さん。どんなジャンルの音楽でも、コアなファンだけに届けるのでなく、まったく別の層にも聴いてもらうのが、音楽番組を手がけるわたしたちの使命と常々考えているので、この違和感は、まさしく本望でありました(笑)。
 そんななか、坂崎さんが長らくレギュラーを務めていた、NHK-BSのフォーク番組が、この春終了しまして、4月からはついに、わたしたちの『フォークデイズ』のナビゲーターをやっていただけることになりました。昨日がその1回目で、わたしの郷土の英雄、岩手県は一関市出身のフォークグループ「NSP」の「30周年記念コンサート」をつくらせていただきました。オープニングでは昭和49年の彼らのヒット曲、オリコン3位の「夕暮れ時はさびしそう」を坂崎さんが篠原ともえちゃんのオカリナを交えてうたい、アンコールには、リーダーの天野滋さんがかつて楽曲を書いた、堀ちえみさん石川ひとみさんそして伊藤つかささんがかけつけてうたう、というやりたい放題のコンサート。ごめんなさい、正直、おもしろかったです(笑)。
 わたしが会社に入って『夜のヒットスタジオ』のADになって、最初に話しかけてくれた芸能人(?)が、THE ALFEEの坂崎さん。それも坂崎さんが楽屋でフォークソングを爪弾いているのに聴き惚れて、いっしょに口ずさんでしまってからのおつきあいです。18年たって、今こうしてわたしなりに音楽に愛情を持ったお仕事を、坂崎さんとつくっていけることは、フジテレビにも運命の神様にも感謝してやみません。
 CS放送をごらんになれるかたはそんなふうなわたしたちの作品も、よかったらば一度ごらんになってみてください。



フジテレビ きくち

 


モドル



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