KIKCHY FACTORY
サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #18(03/02/07)


わたしはヴォーカリスト『ゴマキ』の応援団

 今日日本に「キダム」が来ます。「世界最高のエンターテインメント集団」シルク・ドゥ・ソレイユの新作で、日本での前作「サルティンバンコ」をも上回る「夢のスーパーサーカス」だそうです。もちろんわたしもまだ観ていないんですが、今月中にはなんとか、と思っています。
 その「キダム」の「ファンクラブ代表」を務めるのがモーニング娘。のみなさん。昨年夏に発表したシングル「Do it! Now」は、キダムのイメージソングとして、テレビのスポットなどで、今でも流れまくっています。この曲は後藤真希さんのモーニング娘。としての最後のシングルで、安倍なつみさんとの重なる声の残像が強烈にせつない。わたしたち大人(?)がはじめて聴いても理解しにくい、戦略的な楽曲を次から次へと仕掛けてくるプロデューサーのつんくが、ひさしぶりにど真ん中で書いてきた佳曲で、わたしも最初に耳にしたときから、すぐに大好きになりました。
 そのころ後藤の卒業はまだ知りませんでしたが、デビュー前からモーニング娘。の顔としてグループを引っ張ってきた安倍と、男の子向けのふつうのアイドルグループだったモーニング娘。に鮮烈に加入して「LOVEマシーン」を擁して劇的にスーパーアイドルまで押し上げた後藤が、ひさしぶりにほぼツートップでうたいっぱなしのこの楽曲。いろんな意味でわたしには圧倒的なインパクトがありました。
 後藤とはじめて逢ったのは彼女が加入したばかりの平成11年の夏、まだステージには上がってはいない、モーニング娘。の横浜アリーナのバックステージでした。出会い頭に紹介されたあかるい茶髪の中学生。かわいいとかそういう以前に、「コイツかっ!」っていうくらい当時のモーニング娘。のなかでは違和感がありました。
 2度目に逢ったのが、旧知のマネジャーさんに頼まれて「LOVEマシーン」のプロモーションビデオの前振りの部分に参加したときで(結局その部分はカットになったのですが)、そのとき後藤はわたしのことをレコード会社のスタッフだと勘違いしていて、そんなとこまで含めて、コドモだなぁと感じたものでした。
 そのあと彼女はあっというまにモーニング娘。の一枚看板となり、身近な女の子イメージのメンバーのなかでただひとり、スーパーアイドルの立ち位置を確立したのです。
 その後藤が念願のソロデビューを果たした平成13年3月、「サルティンバンコ」の特番でLOVE LOVE ALL STARSをバックに、ただ1回の生演奏生歌でデビュー曲「愛のバカやろう」をうたったのですが、彼女の声質が抜群で、しかもソロデビューということで、普段はなかなか見せない不安げな感じが、スーパーアイドルの冠をかぶりそこなった後藤のドキドキが伝わってくるようで、そこからわたしはヴォーカリスト後藤を応援するようになったのです。
 あれから2年、シルク・ドゥ・ソレイユの新作「キダム」が日本にやってきて、前作同様モーニング娘。がイメージソングをうたって、でも後藤はそこにはいない。彼女の声の残像だけがテレビから流れてきます。「キダム」ももちろん、ですが、ソロ歌手として自立した後藤のミュージカルも、どっかで必ず観に出かけなきゃと、そう思っています

フジテレビ きくち
 


モドル



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