レポート

サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #139(05/07/08)


ライブ番組通じて起きた サイコーに嬉しい出来事

 今夜11時半の『僕らの音楽』は男気ロッカー向井秀徳さん。
「福岡市博多区からやってまいりましたナンバーガールです」という口上で深夜のライブ番組『FACTORY』に平成11年11月に初登場。ナンバーガールで計3回、現在のバンド;ZAZEN BOYSで1回、無戒秀徳としてソロで1回、さらにムーンライダーズのイントロデュースのためにライブハウスから飛び込みで1回。『FACTORY』にはなくてはならない大事なアーティストです。
 その向井くんが5月にソロで『FACTORY』にやってきて、演奏前のバックステージで出番をじっと待っているときに
「きくちさん、ビール飲んでもいいっスか?」ということで乾杯になって、わたしが着ていた例の『僕ら』のTシャツに気づいて
「いい番組っスね。さだまさしさんのクリスマスソングに衝撃をうけました」と言ってくれました。これは、うれしかった。向井くんがさださんに感動するというのは、わたしがつくる音楽番組の言わば理想形で、ゲストのファンじゃない人にこそ番組を観てほしい、音楽を聴いてほしい。番組のファンになって毎週放送をたのしんで、観たことのないアーティスト、聴いたことのない音楽と出逢ってほしい。そしてそこにもし新しい感動が生まれたなら、それこそがわたしたちテレビの制作者が音楽と視聴者のためにできること、だと思うのです。ファン層が全く重ならないと想像される向井くんとさださん。その向井くんが、そのさださんの音楽から、わたしの番組を通して感動を受けとったのならば、それこそがサイコーの出来事。今度は、おそらく向井秀徳の音楽を全くご存じないであろうさだまさしさんに、今回の『僕らの音楽』をごらんになっていただきたい、と夢見てしまいます(笑)。
 今夜はもうひとつ、わたし的に歴史的な出来事がありまして、それは、向井くんとのトークそして楽曲コラボレーションのお相手として、椎名林檎さんに出演していただけたこと。大好きなアーティストで熱烈な出演交渉も続けてきたのですが、今回、向井くんと椎名さんの実に個人的な人間関係から、わたしたちと椎名さんとのはじめてのお仕事が実現しました。向井くんと『僕らの音楽』の打合せをしているときに、彼から挙がったお相手の候補が長渕剛さんと椎名林檎さんで、うーん、長渕さんはさすがに無理だよな、ってびびってたらば、椎名さんのマネジャーさんから快諾のお返事があり、わりとあっさりと椎名さんとのはじめてのお仕事が成立しちゃいました。もちろんごっつうれしいんですけどもね(笑)。
 向井くんとの『僕らの音楽』は極めて純粋な感動からはじまっていて、椎名林檎さんと番組をつくりたい気持ちも全く別でこれもまた純粋にもりあがってきて、それがこんなふうにしてひとつになってしまいました。スゴイ番組です。もちろん向井くんとはこれからもエッジの効いたいいお仕事を重ねてイキたいし、椎名さんとはここからがやっとスタートだと思います。
 今夜の『僕らの音楽』。女子バレー中継が最大30分延長の可能性があります。が、この素敵な音楽ドキュメンタリーを、どうかお見逃しなく。向井秀徳と椎名林檎さん、ふたりっきりで生演奏する「KIMOCHI」は、きっと伝わるものがあります。
 フジテレビ「音組」応援よろしくお願いします。

フジテレビ きくち
 

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