レポート

サンスポ 連載:きくち伸話
タイトルも見出しもわたしがキメたわけでは決してありません
オリジナル原稿 #118(05/02/11)


NSPが23年ぶりにテレビ出演

 明日夜11時半からの『僕らの音楽』はまさかのNSP。これまで、松浦亜弥さん、Gackt、堂本剛さん、サンボマスター、と、番組イメージとのミスマッチをあえて狙っては「音楽に貴賤はない」とか「すべての音楽をすべての音楽ファンに」という気持ちを広げてきました。そのなかでも今回は異色中の異色、わたしなりに真剣にかなり悩みましたが、正月休みに考えに考え抜いて決断しました。
 ほとんどのみなさんがご存じないかと思いますが、NSPというのは1970年代から80年代に活動した3人組のフォークグループ。4枚目のシングル「夕暮れ時はさびしそう」が35万枚のヒット、アルバム『ひとやすみ』はチャートの3位を記録しました。1987年に14年続いた活動を休止。そして平成14年、16年ぶりにオリジナルメンバーでの活動を再開。フォークブームだった全盛時は「テレビに出ない」ことがカッコよかった時代で、まぁ悲しいかな今またそんなかんじもありますが、そんな時代を生きたNSPのテレビ(地上波)出演は、実に23年ぶり。当時サポートでギターを弾いていたCharさんや、当時のアレンジャーで今や中島みゆきさんの音楽監督;瀬尾一三さんとの共演など、「旧友再会」な生演奏でもりあげます。番組の音楽を担当する僕の盟友武部聡志さんは松任谷由実さんの音楽監督ですから、同じ1曲のなかで、みゆきさんとユーミンの「音楽監督」対決、なんてことにもなっています。
 NSPはわたしと同郷、岩手県出身。小中学生のころ、彼らはたとえるならビートルズのように地元では誰もが知っているグループでした。少年のような詞、田舎っぽいメロディーライン、ちょっとハスキーな細かいビブラート。彼らは「上手な」ミュージシャンでも「天才」アーティストでもありませんが、思春期前のわたしにとっていちばん「せつない」音楽でした。彼らの詞に出てきた「マークII」という曲名から田舎の小学生はよしだたくろうと出逢い、拓郎さんを求めてラジオを聴きはじめて小学生のわたしが、はっぴいえんどやRCサクセションと出逢いました。
 今『僕らの音楽』にNSP、というのはそんな想いを込めまくって、やらないとわたしが後悔すると考えて実現しました。これもまた、僕らが音楽のためにできること、と考えます。
 ちょっとちがった『僕らの音楽』。リアルタイムでごらんください。

フジテレビ きくち
 

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