KIKCHY FACTORY

『CD HITS!』10月号
[業界人が見たミュージック・シーン 1998 → 2001]


 テレビのこっち側から観ていて思うのは音楽番組の数がずいぶんと増えて楽曲の一般性が高まった そのかわりにテレビ的なバリューが減ったというか希少性は薄くなったような気がします.
そこに来て 趣味嗜好の細分化がさらに進んでユーザーが 積極的にテレビで観たい楽曲やアーティストの数や種類はどんどん落ち込んでいるのではないかと.
純粋な意味合いでの テレビの音楽番組はいよいよ むつかしくなってきていると 感じています.

 そのかわり シングルチャートの10位台とかに昔だったらばインディーズに区分されるようなCDが平気で入ってくるようになって,シングルが売れなくなったとか言われてはいるけどもとっても健全な音楽状況でもあると思います.
メディアが「いい」と叫ばなくてもユーザーがいいと感じたらば 買ってくれる.
それはとっても いいかんじです.
R&B,HIP HOP,TRANCE,98年末から宇多田さんや Dragon Ash以前には たぶんマニアックな メジャーからはずれた位置にあった音楽が,メジャーシーンを席巻して そのうえでそのまんまカッコイイ!
ジャンルとかテレビとか業界とか そういうのとも もう関係なくなってきてるそんな素敵な時代だと思います.

 99年からは 浜崎あゆみさんとモーニング娘。極めてテレビ的な 極めてフォトジェニックなある種 両極の女性ヴォーカリストが女の子人気から駆けあがってきました.
お茶の間の復権というか こどもからお年寄りまで誰もが知ってる 楽しめる誰にでもわかりやすい 上質なエンターテインメント.
去年今年の「慎吾ママ」も「明日があるさ」も「ミニモニ。」もこどもがふつうに生活していて 耳からおぼえてしまう楽曲です.
個人的には 浜崎さんは自分で作曲をはじめた 昨年末の「M」からよりストレートに わたしには響いてきています.

 で わたしがこの3年間でいちばん好きだったCDは と考えてみたのですがシングルなんですが 蓮井朱夏さんの「ZOO〜愛をください〜」でしょうか.
特にトラック2のアコースティックなの.
ほめてるのか けなしてるのか わかりませんが「うたはうまいへた(だけ)じゃない」なって 実感させられました.
彼女 いいうたをうたいます.
あとは これもシングルですが くるりの「東京」
アルバムはたくさんありすぎて ちょっと撰べませんでした.
ごめんなさい.
参考までに自分のテレビ番組のなかでなら「LOVE LOVE あいしてる」で中居正広くんがうたったブルーハーツの「チェインギャング」は感無量.
FACTORY系のバンドは 大好きなのが多くてやっぱり撰べませんでした.

フジテレビ きくち伸




モドル




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