
決勝トーナメント
予選一次リーグ
| グループA | 勝ち点 | 順位 | ||||
| 0 - 0 | 2 - 0 | 0 - 2 | 4 | 2 | ||
| 0 - 0 | 0 - 0 | 0 - 1 | 2 | 3 | ||
| 0 - 2 | 0 - 0 | 0 - 5 | 1 | 4 | ||
| 2 - 0 | 1 - 0 | 5 - 0 | 9 | 1 |
| グループB | アメリカ |
勝ち点 | 順位 | |||
アメリカ |
1 - 3 | 0 - 3 | 3 - 0 | 3 | 2 | |
| 3 - 1 | 0 - 3 | 0 - 1 | 3 | 3 | ||
| 3 - 0 | 3 - 0 | 4 - 3 | 9 | 1 | ||
| 0 - 3 | 1 - 0 | 3 - 4 | 3 | 4 |
レビュー
【Match No.1】 南アフリカ vs イラク (0 - 0)
ヨハネスブルク エリスパークにて盛大に行われた開会式の直後、ホスト国である南アフリカがアジアカップチャンピオンのイラクと対戦した。
元仙台のサンタナ監督が指揮をとる南アフリカは、ホームの大声援を受け、しばしばイラクゴールを脅かす。MF モディセがゲームを組み立て、FW ファンテニのポストプレーがチャンスを作ったのだが、得点には至らない。対するイラクはMF ナシャト アクラム、FW マフムードら20才代の選手が大半を占める若いチーム。個々人の能力は高いものがあるが、未だ発育途上の感は否めない。
南アフリカは後半終了間際、足首の怪我のためにスタメンから外れていた、プレミアリーグ・エヴァートン所属のピエナールを投入。ボールを集めて最後の勝負に出たが、結局ゴールは奪えなかった。大興奮の開幕戦はスコアレスドローに終わった。
【Match No.2】 ニュージーランド vs スペイン (0 - 5)
無敵艦隊磐石の発進
試合前の大方の予想は「スペイン勝利」。ただ、オセアニア・ネーションズカップ王者・ニュージーランドが、平均身長185cmという体格の利を生かし、EURO2008チャンピオンのスペインにどこまで渡り合えるのか?が興味の焦点でもあった。しかし、FIFAランキング1位に君臨するスペインがその実力をまざまざと見せつける結果となった。スペインはイニエスタ、ピケ、マルコス セナといったディフェンシブな選手が怪我のため出場できなかったが、守備の不安は微塵も感じさせない、完璧な試合運びだった。まず前半6分にフェルナンド トーレスがゴール前でボールを受けると、冷静にゴール右隅に蹴りこみ先制。その後、10分、17分にも得点をあげ、早くもハットトリックを達成し、試合の大勢を決定付けた。スペインは変幻自在にポジションチェンジを繰り返しながら、素早いボール回しでニュージーランドを翻弄し、前半24分にはセスク ファブレガスが4点目をあげる。後半開始早々には、相手ディフェンスのミスからつかんだ好機をヴィジャがきっちり決めて5点差とした。
ニュージーランドはセットプレーや早いタイミングでのゴール前へのフィードで、何度かチャンスを演出するが最後までイケル カシージャスの守るゴールを割ることはできなかった。スペイン代表は国際Aマッチ33戦負けなし(2引き分け含む)となった。このチームを止めるのは果たしてどの国なのか?
【Match No.3】 ブラジル vs エジプト (4 - 3)
混戦が予想される、予選グループBの開幕戦となったこの試合。戦前の予想は、前評判はそれほど高くないものの、やはりサッカー王国ブラジルが有利。しかし試合は、正に混戦を予想させる、壮絶な打ち合いとなった。
まずは開始5分、早くもブラジルがエジプトに襲い掛かる。先日、93億円という移籍金でレアル・マドリードに移籍したカカが、個人技でエジプトDFを抜き去り、あっさり先制する。
このままブラジルの大量得点での勝利を予感させる展開となったが、エジプトがアフリカ大陸王者の意地を見せる。9分、ドイツ・ブンデスリーガで活躍するモハメド・ジダンが右サイドからのクロスをヘディングで合わせ同点とする。しかし、失点で目が覚めたのか、ブラジルが12分にルイス・ファビアーノ、37分にはジュアンが、両方ともセットプレーからの得点を挙げ、ブラジルが2点リードで前半を終了する。後半は一転してエジプトペースとなり、54分、ブラジルのサイドを切り崩し、シャウキーがゴール。その1分後、浮き足立つブラジルの守備陣に、さらにエジプトが猛攻。今度は中央からモハメド・ジダンがこの試合2点目となる同点ゴールを叩き込む。その後はブラジル、エジプト、一進一退の攻防をみせ、このまま引き分けで試合終了かと思われた85分過ぎ、ブラジルのFKからのルシオのシュートをエジプトDFアル・ムハマディがゴールライン上で手でブロック。当然アル・ムハマディはレッドカードで退場。それで得たPKをカカが落ち着いて決め、勝負あり。ブラジルが苦しみながらも初戦を勝利で飾った。
ドゥンガ率いる今大会のブラジルは、組織的な守備をチームのコンセプトとしていただけに、初戦から3失点は想定外だろう。対したエジプトは敗れたものの、ブラジル相手に3得点を挙げ、互角の戦いをした事は、前向きに捉えられるだろう。
4-3、初戦から点の取り合いとなった予選グループBの開幕戦は、ブラジルが勝利を収めた。
【Match No.4】 アメリカ vs イタリア (1 - 3)
予選グループB、2試合目。いよいよW杯王者イタリアが登場。序盤は静かな立ち上がりとなったが、ドノバン、アルティドアを中心に徐々にアメリカがペースを握りはじめる。しかし32分、アメリカのリカルド・クラークがガットゥーゾに対するファウルで一発レッド。アメリカはW杯王者に一人少ない状態で戦わなくてはいけなくなる。
そんな中、41分にイタリアDFキエッリーニがペナルティエリアでアルティドアを倒し、PKを献上、そのPKをドノバンが決め、一人少ないアメリカが先制する。前半のイタリアは、攻撃のアイディアがあまりにも乏しかった。後半に入ると、W杯王者イタリアがその実力を発揮する。ガットゥーゾと交代したジュゼッペ・ロッシが、中盤でボールを奪うとそのままミドルシュートを叩き込む。更に72分にはデ・ロッシが逆転となるミドルシュートを決める。アメリカは一人少ないという事もあり、防戦一方となり、後半ロスタイムにはピルロに個人技でサイドを破られ、決定的な3点目を決められてしまう。
3-1、リッピ采配も見事にはまり、イタリアがW杯王者の実力を見せつけ、アメリカに勝利した。
【Match No.5】 スペイン vs イラク (1 - 0)
緒戦で大量得点を挙げ、優勝へ向けてこの上ないスタートを切ったスペイン。この試合に勝利すれば早くも決勝トーナメント進出が確定するため、世界屈指の2トップ、フェルナンド トーレスとヴィジャがキックオフと同時にイラクゴールに襲い掛かった。これに対しイラクを率いる名将・ボラ監督は、チームにディフェンシブな戦術を指示。5バックとも見える布陣で臨む。
スペインの攻撃時には10人が自陣深い位置まで戻り、文字通り「人の壁」が立ち塞がることとなった。シャビ、セルヒオ ラモス、シャビ アロンソらが素早いパス回しでイラクの様子を伺いながら、一瞬の隙を突き、縦パスでアタックを仕掛けたり、プレースピードのギアをアップさせサイドからの突破を試みるが、ゴールを奪うまでにはいたらない。圧倒的に攻め続けながらも前半は0-0で折り返すこととなった。
ゲームが動いたのは後半10分。イラクが攻めに転じようとして前がかりになったところでスペインが中盤でインターセプト。イラクの守備陣形が整いきる前にカプデヴィラがサイドをえぐってクロスをあげ、ゴール前にフリーで待ち構えていたヴィジャが頭であわせて待望の1点を獲得する。
リードされたにもかかわらず、イラクは試合開始当初からのゲームプランを変更することはなく、危険を冒してまで点を取りに行くといった姿勢は、最後まで伺えなかった。
結局、1-0のまま試合終了のホイッスル。スペインが両グループを通じて最速で決勝トーナメント進出を決めた。
【Match No.6】 南アフリカ vs ニュージーランド (2 - 0)
スペインの強さが際立つ予選グループAだが、その他のチームには一様に決勝トーナメント進出の可能性が残されている。そのためには直接対決で負けないことが必要条件といえる。
開幕試合はホームの声援がやや重荷になった感のある南アフリカ。2戦目となる対ニュージーランド戦には、エースナンバー10を背負うピエナールをスタメンで起用。ゲーム序盤からボールに絡み、攻撃にを指揮した。
前半21分、そのピエナールからボールを受けた左サイドバックのマシレラがペナルティエリア内まで侵入。中央へ折り返したところにフリーで待っていたパーカーが左足にダイレクトで合わせてシュート。キーパーの手を弾き飛ばし、記念すべき大会初ゴールを獲得した。
後半7分にも全く同じように、ピエナールからのパスをマシレラがドリブルで持ち込み鋭いクロスをあげる。相手ゴール前でマークを外したパーカーが左足を振りぬきダイレクトボレー。これがサイドネットに突き刺さり2点目。スタジアムは歓喜に包まれた。
対するニュージーランドは初戦同様攻めの形が見出せない。ボールを奪っても縦へのパスコースがなく、後ろへ下がるか南アフリカ選手に囲まれて失ってしまう場面が多く見受けられた。
2-0で勝利した南アフリカは予選突破の可能性が大きく広がった。
【Match No.7】 アメリカ vs ブラジル (0 - 3)
一勝のブラジルと、一敗のアメリカという状況で迎えたこの試合。開始7分、初戦と同様、ブラジルが早い時間帯にセットプレーからメロが決め先制する。
ブラジルは初戦、先制した直後に失点してしまった事もあり、この日は集中した守備を見せる。そして20分、アメリカのCKからのミスを見逃さず、素早いカウンターで一気にアメリカのゴール前へ、最後はロビーニョが落ち着いて流し込み、2点目。得点後にはゴール裏でインタビューに答える余裕のパフォーマンスを見せる。前半は2-0で終始ブラジルペースで終了した。アメリカは前半、一本もシュートが打てなく、あまりにも苦しい展開となった。後半、アメリカは何とかペースを自分達に引き戻そうとするが、57分、退場者を出してしまう。初戦同様、一人少ない状態になってしまったアメリカは、何度か惜しいシュートを放つが、ポストにも嫌われ、運も無い。対するブラジルは62分、右サイドバックのマイコンが攻め上がり、マイコン→ラミレス→カカ、そして最後はマイコンと見事なパスワークで勝負を決める3点目を挙げる。
試合は終始ブラジルがペースを握り、完勝で2連勝。アメリカはイタリア戦同様、退場者を出し、自滅という形になってしまった。
3-0、ブラジルがコンディションを上げてきた。
【Match No.8】 エジプト vs イタリア (1 - 0)
混戦が予想されているグループB、ついに波乱が起きた。初戦、アメリカに逆転勝ちし、良いスタートを切ったイタリアと、敗れたものの、ブラジル相手に互角の戦いを見せ、チームの状態は悪くないエジプト。5万人を超える観衆が集まったヨハネスブルクでキックオフしたこの試合、イタリアは初戦で2得点を挙げた好調のロッシを先発で起用する。試合はイタリアがボールを支配するが、なかなかゴールを決められない。エジプトは耐える形となったが、40分、コーナーキックから先制ゴールを決める。
エジプトは理想の時間帯に先制し、前半を1-0で折り返す。後半もイタリアがボールを支配し、アメリカ戦のように逆転を狙うが、なかなかゴールを決められない。結局、エジプトがイタリアの十八番カテナチオを髣髴させる守備を見せ、一点を守りきって勝利を収めた。イタリアは、エジプトのシュート数5本の4倍近いシュートを
放ちながら得点を決めることが出来ず、W杯王者が予選リーグで早くも一敗を喫した。
イタリアは次戦は、今大会予選リーグ最大の注目の試合、ブラジル戦を迎える。予選敗退の危機を迎えたW杯王者が意地を見せるのか!?エジプトが混戦のグループB、台風の目となるか!?予選最終戦も目が離せない。
【Match No.9】 イラク vs ニュージーランド (0 - 0)
2位通過の可能性が残るイラクとしては、果敢にゴールを狙い勝点3をゲットし、同時刻にプレーしている南アフリカの結果によらずに決勝トーナメント進出を決めたいところだ。10 マフムード、17 アブドゥル ザハラらが攻撃の核となりニュージーランドゴールへ襲い掛かるがどれも決定力に欠け、なかなか得点をあげることができない。
ボラ監督が立ち上がって選手たちに指示を送るシーンが、試合中何度も画面に映し出されたように、名将のプランどおりには試合はは進まなかったようだ。
一方、既に予選リーグ敗退が確定しているニュージーランドもゴールへの強い意欲を見せる。もともと体格差があるだけに、ゴール前に攻撃陣がなだれ込むプレースタイルは迫力満点。それを生かすためサイド攻撃が何度も繰り返され、イラクゴールを脅かし続けた。
試合は結局0-0のスコアレスドロー。これにより、イラクの決勝トーナメント進出の望みは絶たれた。
【Match No.10】 スペイン vs 南アフリカ (2 - 0)
この予選最終節の結果如何によって、に決勝トーナメント進出が懸かる南アフリカ。勝点を得られれば文句なしで予選突破となるだけに、スタジアムの南アフリカサポーターも試合前からヒートアップ。試合はというと、ピエナールを中心とした南アフリカ攻撃陣が、格上のスペイン相手にも臆することなく、
ゴール前まで果敢に攻め込む場面が多々見られた。すでに決勝トーナメント通過が決定しているスペインは守護神・イケル カシージャスを温存。
だが代わって先発したレイナも安定したプレーを見せ、簡単には南アフリカに得点を許さない。前半は双方ともチャンスを演出しながらも決定力にかけ、0-0で折り返した。後半5分、ヴィジャからパスを受けたセスク ファブレガスがペナルティエリア内で足をかけられ転倒。主審はファウル判定を下し、スペインはPKを獲得した。キッカーはヴィジャ。だが、ゴール右下を狙ったキックは南アフリカGKクーンがセーブ。さらに、詰めてきたプジョールのシュートをがっちりとキャッチし窮地を脱した。
スタジアムは地元サポーターの歓喜の声に包まれたが、その余韻も覚めやらぬ後半7分、リエラの左サイドからのクロスをヴィジャがジャンプしながら胸でトラップ。
そのままボールが地面に触れる前に左足を振りぬきゴールを決める。また後半15分にフェルナンド トーレスを交代して入ったフェルナンド ジョレンテが27分にゴールをゲット。差を2点に開いた。南アフリカはその後もスペインゴールに迫ったが、決定機を生かせず無得点に終わった。
【Match No.11】 イタリア vs ブラジル (0 - 3)
今大会予選リーグ最大の注目の試合となった一戦。イタリアはトーニが初先発。何としても得点を取って勝つという布陣。
しかし試合は以外にもワンサイドな展開となる。前半37分、ブラジルがルイス・ファビアーノのゴールで先制すると、43分にも追加点を挙げる。更に前半ロスタイムにはロビーニョのクロスをイタリアDFドッセーナがまさかのOG。イタリアは前半でまさかの3失点。最悪な展開で前半を折り返す。後半もブラジルの攻勢が続く中、イタリアはロッシがミドルシュートで何度かブラジルゴールを脅かすが、ミドルシュートしか打てず、ブラジルDFの牙城を崩せない。
結局、後半はスコアは動かず試合は終了。イタリアはブラジルを研究してきたが、ブラジルは個の力でそれを上回り、ブラジルの底力と個の力を感じさせる試合となった。この結果、ブラジルは3連勝で文句なしの準決勝進出が決定。注目の2位争いは、もう一方のゲームでアメリカがエジプトを破り、勝点・得失点差ではイタリアとアメリカが並んだが、総得点の差で1点及ばず、アメリカが準決勝進出となった。イタリアはOGさえ無ければ・・・という結果になったが、そこもサッカーの厳しさ、W杯王者が予選リーグで敗退という、イタリアには悪夢の結果となった。
【Match No.12】 エジプト vs アメリカ (0 - 3)
エジプトは勝てば準決勝進出の道が大きく開け、アメリカは数字上は可能性が残るが、準決勝進出はかなり厳しい状況の中、行なわれた一戦。
序盤は予選2試合、ここまで好調なエジプトが猛攻をしかける。アメリカはエジプトの攻撃陣にマークを付け切れない。しかし徐々にアメリカも修正し、反撃を試みる。
前半21分、アルティドアのクロスをエジプトDFとGKエルハダリがもつれ、ボールがこぼれる、そこをチャーリー・ディビスがつめ、アメリカが先制。アメリカリードで前半を終了する。後半、アメリカが先制した勢いそのままに攻め続ける。何度か決定的なチャンスがアメリカにおとずれる中、63分、ドノバンのクロスから、アメリカ代表監督の息子でもあるブラットリーJrが追加点を奪う。更に71分、アメリカがデンプシーのヘディングで試合を決める3点目を奪う。
エジプトは疲れからか足が止まり、反撃もままならない。後半唯一のチャンスであったゴマーのヘディングも枠をとらえきれず、結局1点も決める事が出来ず、試合終了。アメリカは2連敗からの勝利で、逆転で決勝進出!準決勝で無敵艦隊スペインと対戦する。エジプトはブラジル戦、イタリア戦と良いサッカーを見せ、予選最終戦で力尽きたが、本大会へ向け、収穫のある大会だっただろう。
【Match No.13】 準決勝 スペイン vs アメリカ (0 - 2)
ここまで磐石な戦いぶりで勝ちあがってきた無敵艦隊スペインと、奇跡の準決勝進出を果たしたアメリカとの対戦となった試合。戦前の予想は、やはり無敵艦隊スペイン有利。序盤、一進一退の攻防を見せる中、スペインが徐々にペースを握り始める。ビジャ、トーレスがアメリカゴールを破るのは時間の問題かと思われたが、27分、アメリカがスペインの一瞬の隙をつき、アルティドアがゴール前でスペインDFにうまく体をいれ前を向きシュート!ボールはカシージャスの右手をかすめそのままゴール。アメリカが先制点を挙げる。しかし欧州王者スペインも慌てる事なく、その後もビジャ、トーレスを中心にアメリカゴールを脅かすが、前半は得点を挙げる事無く終了。後半、前半同様スペインがアメリカを攻め立てる。アメリカは苦しい展開。だがスペインもシュートは放つもののなかなか得点を挙げる事が出来ない。流石のスペインも少し焦りが見えた74分、アメリカが久しぶりの攻撃でスペインのゴール前に攻め込むと、一度はスペインDFにボールを奪われたと思ったが、ゴール前でセルヒオ・ラモスの一瞬の隙をつき、デンプシーがボールを奪いゴール!!
勝負を決める2点目が決まる。その後、必死の攻撃でスペインがアメリカゴールに襲い掛かるが、時間が無い。結局、スペインのシュート本数29(枠内8)につきアメリカの枠内シュート数は2本。その2本が得点につながり、アメリカが勝利。アメリカは大金星で決勝進出。今大会優勝大本命だったスペインは、まさかの3位決定戦にまわった。アメリカがFIFA主要世界大会で決勝に進出するのは全年代を通じて初めての快挙となった。対する世界ランキング1位のスペインは、2006年11月のルーマニア戦以来の敗戦で、ブラジルと最多35試合で並んでいた連続無敗記録の更新はならなかった。今大会で新記録を樹立した国際Aマッチの連勝も15で止まった。無敵艦隊スペインが決勝という大舞台を前に、沈んでしまった・・・。
【Match No.14】 準決勝 ブラジル vs 南アフリカ (1 - 0)
アメリカがスペイン代表の連勝記録を15でストップさせた準決勝第1試合。
接戦が予想されたとはいえ、その結果に世界中が驚愕したことは間違いない。
そしてむかえた準決勝第2試合、ブラジル対南アフリカ戦が行われるヨハネスブルグ、エリスパークには
「大番狂わせが再びおこるのでは・・・」との期待感がスタジアム中に満ちていた。
試合は大方の予想通り、地元サポーターの大声援とブブゼイラの後押しを受けた南アフリカが、
ブラジル陣内へ果敢に攻め込む場面が多く見られた。
対するブラジルは自陣に引いて守ることが多かったが、ボールを奪うとカカを中心としてカウンター攻撃をしかける戦術。
センターフォワードに位置するルイス ファビアーノが個人技を生かし、相手ゴール前でチャンスを演出する場面が試合中何度も見られた。
前半12分にはそのルイス ファビアーノからゴール前のラミレスに絶好のパスが送られるも、
シュートは南アフリカGKクーンにがっちりとキャッチされてしまった。
ブラジルはその後もカカがゴール左45度からドリブルで進入してシュートを放つなどチャンスを迎えるが得点には至らない。
対する南アフリカはピエナールを中心にリズムのよい攻撃を組み立てる。
前半21分のモコエナのヘディングシュートや前半終了間際のピエナールのシュートは
「あわやゴールか?!」という惜しいチャンスだったが、決めきることはできなかった。
その後もブラジルの攻撃は、南アフリカのポジショニングのよさから縦パスを思うように通すことができず、
個々人のドリブルに頼る場面が多くみられた。
ルイス ファビアーノのドリブルシュートやロビーニョのボレーシュートも得点にはいたらない。
また、しばしばパスカットされてカウンターを受け得点には結びつかないまでも南アフリカのスピードとシンプルな攻撃に、ピンチを迎えることがあった。
後半37分、ブラジルのドゥンガ監督は状況を打開するためにDFアンドレ サントスに代えてダニエウ アウヴェスを投入。
その僅か6分後、南アフリカDFモコエナのファールで得たFKのキッカーはそのダニエウ アウヴェス。
ペナルティエリア外側から直接ゴールを狙ったキックは直接ゴールネットに突き刺さり、待望の1点を先制する。
そのままタイムアップをむかえ、前回王者のブラジルが決勝進出を決めた。
敗れた南アフリカはスペインとの3位決定戦に臨むこととなる。
【Match No.15】 3位決定戦 スペイン vs 南アフリカ (3 - 2)
連勝街道をひた走ってきたスペインにとっては、まさかの3位決定戦進出であっただろう。ただ、ここでさらに負けを重ねるわけにはいかない。
スペインが中3日、南アフリカは中2日、インターバルだけを見ればスペインに分がありそうに思えるが、やはりモチベーション、地元の大声援等の要素は南アフリカにとって圧倒的優位な条件だ。スペインはW杯本大会におけるテストの意味合いもあるのが、ビジャ、セスク ファブレガス、セルヒオ ラモスらをサブに回して試合に臨んだ。シャビ アロンソがボールを散らし、主にサイドからの攻撃をこころみるが、これまでのようなテンポのよいショートパスのつながりがみられない。
23分には右サイドにできたスペースをフェルナンド トーレスが突破をはかるが、シュートはブロックされてしまう。対する南アフリカは連戦の疲れも感じさせず、スペインゴールに襲いかかるものの、こちらもなかなか決めきれない。ピエナール、パーカー、シャバララの攻撃はスペインGKカシージャスの好セーブに何度となく阻まれる。そんな中、スペインは後半12分、ビジャ→シルバ、フェルナンド トーレス→グイサとFW2枚を同時に交代。これにより、目に見えてスペインイレブンの連携がうまくいき始める。そんな中、南アフリカは後半28分、シャバララが左サイドを深くえぐってゴール前に折り返したボールをスペインディフェンスの隙をついてフリーで走りこんだ、途中交代のムヘラが左足でゴールへ蹴りこむ。大観衆が待ち望んだ1点を挙げる。このまま試合終了かと思われた後半43分、スペインはグイサがカソルラからのパスを決め同点に。さらに1分後には右サイドからループシュートを決めて逆転に成功!スタジアムを静まり返らせる。
南アフリカサポーターたちが会場を去り始めたロスタイム3分、ゴール前絶好の位置でFKを得た南アフリカのキッカーは9ムヘラ。これを直接ゴールネットに突き刺し、土壇場でまさかの同点に!試合は延長戦へと突入した。この長い戦いの決勝点は延長後半2分、スペイン14シャビ アロンソのはなったFKが直接ゴールネットを揺らす。
南アフリカも最後まで反撃を試みるが時間がすぎ試合終了のホイッスル。両チームにとって収穫の多い試合は、スペインがかろうじてヨーロッパ王者の面目を保った形となった。
【Match No.16】 決勝戦 アメリカ vs ブラジル (2 - 3)
3年に及ぶスペインの無敗記録を止めたアメリカ。予選リーグでは0-3でブラジルに敗れているとはいえこの決勝は分からない、というのが試合開始前の関係者の見方であった。だが「ブラジル優位」との思いを崩すまでにはいたっていなかったが、前半終了時の結果はその考えを一変させた。
ボブ ブラッドリー監督指揮のもと、アメリカの組織的な守備はスペインのシャビとフェルナンド トーレスを孤立させることに成功。そして決勝でもディフェンスに重点を置く戦術を踏襲。ボールを奪っても最終ラインは自陣から攻めあがることはなかった。最初の得点はアメリカ、前半10分に右サイドからスペクターが折り返したクロスをデンプシーがダイレクトボレーで決める。対するブラジルもカカがボールを持つとリズムが生まれ、周りが安心して攻撃へ参加しだす。15分にはロビーニョがノートラップでシュートを放つが、アメリカGKハワードに阻まれる。その後もアメリカはブラジルの攻撃を跳ね返し、チャンスを見てカウンターを狙っていたが、27分、自陣ペナルティーエリア付近でボールを奪った瞬間、デイビスとドノバンが反応。僅か2タッチでブラジルゴール前まで攻め上がり、ドノバンが左足で落ち着いてゴール隅に決め2点目。
ハーフタイムでロッカールームへ引き上げる両軍の表情は対照的であった。だが、後半はさすがディフェンディングチャンピオン・ブラジル。アメリカの守備に翻弄されていた前半から一転、個々人のアイデアと球離れの早さでアメリカ守備にに隙を作り出す。
ブラジルは前半からゴール前でチャンスをうかがっていたルイス ファビアーノが後半開始早々、ペナルティエリア内で反転しながら左足で蹴りこみ1点を返す。さらに32分、カカが左サイドをドリブルで切れ込み、ゴール前へ折り返したボールにまたもやルイス ファビアーノが反応。キーパーがブロックしたボールを押し込み同点とする。そして39分に途中出場のエラーノが蹴った右サイドからのコーナーキックを、キャプテン・ルシオがヘッドで押し込みついに逆転!
これが決勝点となり、ブラジルが連覇を達成した!!試合終了後のセレモニーには、重圧から解き放たれたセレソンたちの歓喜の表情が満ちていた。
なお、MVPにはカカが選出され、ゴールデングローブ賞にはアメリカGKハワードが選ばれた。