NONFIX過去放送した番組

徴兵制をとる韓国では、成年男子は必ず兵役に就かなければならない。
18歳になると徴兵検査を受け、等級に応じて兵役が課せられる。陸軍は26ヶ月、空軍は30ヶ月。原則的に免除はなく、たとえ軍務に適さないと認定されても公益勤務、義務警察、戦闘警察などの代替勤務に服さなくてはならない。
今も戦時にある韓国での兵役は過酷で、毎年100名余が自殺し、200名強が訓練事故で亡くなっている。

およそ韓国で生まれた男子の青年期の人生設計は、「兵役」を中心に立てられるといっても過言ではない。
高校を出てすぐに入営するのか、それとも大学に入ってからか、あるいは就職してからか。18歳から29歳までの期間、入営時期を選べるとはいっても、それぞれ悩みは深い。人生のとば口の2年~3年を軍務に奪われることのハンディに違いはないからだ。

一方、宗教上の理由などで軍務を拒否する「良心的兵役拒否者」という人達もいる。だが韓国の最高裁で示されたように、韓国では「国防義務は個人の良心に優先する」。
彼らはみな兵役法、または抗命罪により逮捕、収監されている。
国内良心的な拒否者は理念的、思想の問題として拡散され、2003年には705名が刑務所行きを選択した。

韓国では兵役をすませないと一人前の男として扱われない。
就職の条件で兵役を重視する企業もある。
海外メディア初のTVカメラ取材により、韓国の若者たちにとって、また韓国社会にとって、徴兵制度はどういう意味を持つのか、徴兵制度に対する韓国の若者たちの価値観の変遷も浮き彫りにする。

【番組内容】

新兵訓練所のある街

忠青道。新兵訓練所のあるこの街は、毎年時期になると入営する若者たちであふれかえる。バス停前の床屋は大忙し。
入営直前に丸坊主にする若者たちが殺到するからだ。
営舎前の旅館では兄弟や恋人と別れを惜しむ若者が最後の夜を過ごす人々もいる。

若者たちは年齢も経歴もバラバラ。高校出たてもいればサラリーマン経験者もいる。
入営時期のこの街に充満するのは、不安、恐怖、あきらめ、そしてわずかな希望。
新兵の街論山で入営直前の若者たちの姿を追った。

ある入営者

高校卒業後、大学2年の途中、兵役に迷った末、A君は兵役を選んだ。
父に、何とかコネで兵役を免れられないかと相談したこともある。でも「軍隊に行って初めて男になれるんだ」と怒鳴られてしまった。逆に叔父は「軍隊で腐ってこい!」と言う。

高校時代の仲間たちともよく兵役について話し合った。
ある友人は「軍隊に行ったら頭がバカになって社会復帰できなくなるから、オレは大学を出て就職してから行く」と言う。
最大の悩みは、つきあっている彼女が2年間待っていてくれるかどうかだ。
入営が近づくにつれ、A君の不安は増していく。A君の入営式までを追った。

兵役拒否

今年7月、韓国最高裁は「良心的兵役拒否者」に対して有罪の判決を下した。
現在良心的兵役拒否者は439名。
彼らを支援する宗教団体「エホバの証人」やNGO「連帯の会」が中心となって裁判活動などを行っている。
彼らはなぜリスクを冒して兵役を拒否するのか…。

徴兵制で起こる様々な問題

徴兵制は庶民だけの法律か。
今まで、政府高位管理の息子や大企業の御曹司といわれる息子、有名芸能人、二重国籍問題など、何らかの理由で徴兵を逃れてきた。
それが、2年前大きな社会問題となった。
軍隊に送る全ての親の気持ちに変わりはないのに。
軍に入る前に受ける身体検査で一人の人生が変わるかも!
その問題点はないのか?