2009年3月30日
揺れる南アフリカ
1治安回復へ走る街
FIFAワールドカップ2010が開催される南アフリカでは、 準備の遅れとともに不安材料として治安問題が指摘されている。 アパルトヘイト(人種隔離政策)を完全撤廃した国が今、どんな問題を抱えているのか。 南アフリカ共和国ヨハネスブルクは、2010年のサッカーワールドカップの開催地として、遅れを指摘されながらも、準備が進んでいる。
悪名高いアパルトヘイトの完全撤廃から15年、開催国として世界の表舞台に立つ市民の表情は明るい。 「ビジネスも上向きになる」と、期待する声が聞かれる一方で「犯罪が多い。レイプは大問題、強盗も」といった声も。
実際、町の中には、犯罪多発地帯の看板が目立ち、高級住宅街の一帯では、家々は高い塀で囲まれ、高圧電流の電気柵が侵入者を威圧。 警備にかかわるビジネスが業績を伸ばしているという。 警備会社責任者のアルフレッド氏は「わが社では、およそ6,000人の顧客と契約があります」と話した。
南アフリカでは、年間で殺人が2万件近く、強盗はおよそ20万件、レイプは5万5,000件近くを記録している。 犯罪の原因として指摘されるのは、アパルトヘイト撤廃以後も深刻なままの貧困問題で、貧困はさまざまな問題を生み出しているといわれる。
2008年には、不法移民が雇用機会を奪っているとして、移民が殺される事件などが発生した。 暴力は一部でエスカレートし、犯罪とともに社会不安も増大したとの見方もされている。 しかし、南アフリカ警察は「現在犯罪件数を7〜10%削減という目標に到達できるレベルに来た」と話す。
一方、最も犯罪が多いとされるスラム街のクリップタウンで、「ギャング」を名のる若者たちは、強盗を働いたときの様子を悪びれずに話す。 盗み以外にアルバイトをすることもあるというが、乾燥大麻を作り、売るという犯罪にも関わっているという。
サッカーワールドカップについては「お金があったら、端っこからでも見られれば」と話す。 少年ギャングの夢でもあるサッカーワールドカップは、2010年6月に開幕する予定だ。