中国人の李朱美役が評判となっていますが、演じていていかがですか?
最初に、お話をいただいて読んだ原作小説が面白く、その後にいただいた台本もとても面白いものだったんですが、何が面白いかといえば、“ずれ”なんですね。中国人の朱美さんと日本人の考え方のずれ、加奈子さん(内田有紀)とDV夫(佐藤隆太)の価値観のずれ、そして、直美さん(広末涼子)と会社の感覚のずれのようなものがとても興味深くて。よく、外国の方に対して「考え方が違う」「文化が違う」と言いますが、特に朱美さんの場合、「こんなに違うのか!」と驚くことばかりで。それが面白くて、やってみたいと思ったんです。ただ、中国語なまりの日本語のセリフを、自分ひとりでやるのは無理だと思いまして。それで、言語指導の方を付けていただくようお願いをしました。
どのような方法で指導を受けているのですか?
実際に中国の方にセリフを読んでいただいたテープを参考にして演じています。最初、日本語を教えていらっしゃる中国の若いお嬢さん方にお会いしたら、みなさん日本語がお上手で何の違和感もなかったんです。それで、スタッフと「困ったね…」なんて言っていたとき、最後にお会いしたのが、「まさにこの人!」という、まるで朱美さんのような話し方をされる方で。その方に読んでいただいたセリフを、完全コピーするような気持ちでやっています。
クランクインする前から、かなりセリフの練習をされていると聞きました。
いえいえ、それほどではないのですが、せっかくの作品を陳腐なものにしてしまってはいけない、と思いましたので。例えば、朱美さんには「死体は海に捨てたら、魚が全部食べるのことですね」(第2話)や、「日本人、(中略)車磨く前に、自分磨くべきですね」(第3話)といった名言がたくさんありますよね。なかでも私は、直美さんとの会話のなかで言った「殺しなさい」(第1話)が一番面白いと思いまして。「そんなDV夫は殺したらいい」という意図ですが、どうしたら、あっけらかんとした感じが出せるだろうかと思い、どこへ行ってブツブツと繰り返して言っていました。バラエティ番組の収録でメイクをしてもらっているときも、ずっとテープを流しているものだから、メイクさんがセリフを覚えてしまって。自宅でも、息子(俳優の高畑裕太さん)が覚えて笑っていましたね(笑)。言語指導の方は「そのままマネしてください」とおっしゃるんですが、どうしたらその音が出るのかが分からなくて。中国語は本当に難しいですし、今でも迷いながらやっています。
ヘアメイクや衣装も、まさに華僑の方という雰囲気ですね。
衣装合わせのときに、実際の華僑の方の写真を何枚か見せていただいたら、みなさんきちんとヘアをセットして、薄い色の入ったサングラスをかけていらしたんです。そのとき、ちょうど私も色の入ったメガネをかけていたんですが、それを見た小道具さんが「これがいいですよ!」とおっしゃって。それで使ってみたら、雰囲気が出せました。今では、あのメガネなしではできないと思っています。衣装やアクセサリーは、とっても派手で、選んでいても目がチカチカするくらいですが(笑)。
そんな朱美さんは、知ってか知らずか、結果的に直美と加奈子を助けていますね。実際、どこまで何を知っているのか、気になります。
私も「朱美はどこまで知っているんだろうか」と悩んだこともあるんですが、演じる側が分からないままやっても、映像として結構面白く見えるものだということに気がつき、今はそこは気にしていません。時々、いかにも何かを知っていそうな表情で直美さんを凝視していたりしますが、そんなときでも私は、何も知らずにそんな顔をしていたりします(笑)。私の腑に落ちていることがすべてではありませんので、こういう作品には身をゆだねた方がいいだろうと思うようになりました。
今後の展開で気になること、楽しみにされていることはありますか?
加奈子さんの変化でしょうか。きっと、直美さんと同じか、もしかしたらそれ以上の能力があるかもしれないのに、そこにフタをされていたわけですよね。そのフタが開いた今、どう変わっていくのか見守りたいです。「美味しい水が飲みたい」という加奈子さんのセリフにあったように、生きているという実感、自分のなかの細胞が呼吸できるような瞬間があるといいな、と思っています。もちろん、そこで行動を共にする直美さんも同じことで、ある意味、社会的に踏み出せずにいた直美さんも、解放されて爽快感を味わえるといいな、と思っています。
広末さん、内田さんとのお芝居はいかがですか?
広末さんは、お芝居の方向性についてもざっくばらんにオープンにお話できる、とても素敵な方ですね。内田さんは、以前、連続ドラマでご一緒したときに、シーンでのからみは少なかったものの、待ち時間にずっとお話をしていたのが印象的で、非常に好きな女優さんです。今回、おふたりは、こういう題材ということもあって、本当に身を削るような思いで集中して取り組んでいらっしゃるように感じますし、それが作品にも表れていると思います。
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします!
直美さんと加奈子さんの犯罪が、これからどう暴かれていくのか、というのが本当に楽しみなところだと思います。「陽子さん(吉田羊)さえいなければ…」と、私も台本を読んで思いましたが、陽子さんの逆襲もひとつの見どころですし、そこがドキドキ、ハラハラの要因でもありますから。そして、これはどういう仕掛けなのか、罪を犯したふたりを圧倒的に応援したくなるんですよね。私自身、「なんとかバレないでくれ!」という気持ちで見守っていますし、今後が楽しみです。みなさまも、ぜひぜひお見逃しないように追いかけていただければ、と思います。