本作は、久々の連続ドラマとなりますね。
最近、母親役が続いていましたので、こういったテイストの違う作品に関われるのが楽しみで、期待感を持っています。
奥田英朗氏著の原作も読まれたそうですが、本作の台本を読んでいかがでしたか?
特に女性に見ていただきたいと考えると、サスペンスタッチの作品は魅力的だと思いますが、あまりバイオレンスな方向に振ったり、怖い描写にしないというのは、プロデューサーさんや監督さんとも共通した意見なんです。サスペンスの要素はありつつも、人物像やその背景をしっかりと描いていますし、そこに加えて、直美や加奈子(内田有紀)たちの何気ない会話やエピソードも説得力がある形で書かれていますので、たくさんの女性に共感を持っていただける作品になるのではないか、と感じています。
直美は、親友の加奈子を守るために、ある一線を超えてしまいます。直美と加奈子の選択についてはどう感じられますか?
犯罪という部分では、どう考えても肯定はできませんし、共感に値するかどうかも難しいと思います。でも、大きな壁にぶち当たってその闇から抜け出せなかったときに、今回の作品では犯罪になってしまいますが、そこから逃れる道を探す手段を考える、幸せにつながる選択をするというのは、人にとって大切なことだと思います。しかもそこに、友人や、支えになってくれる存在があるというのはありがたいことで。ドラマを見る方にはまず、「もしかしたら、自分がそうなっていたかもしれない」とか、「自分もあんな気持ちになるかもしれない」と感じていただくところから始まり、次第に直美と加奈子を応援したいと思っていただけたらありがたいです。私自身、とても新しい試みの作品ですが、実際、そういう展開にできるのではないかと期待しています。
直美を演じるうえで心がけていることがあれば教えてください。
ほんわかとして優しいイメージのある加奈子に対して、直美は色でいうと黒のような、キリッとしたキャリアウーマンに見えるといいのかな、と思っていました。でも、それだけではなく、少し抜けていたり残念なところがあったほうが人間らしくて親近感を持っていただけると思い、あまり固めて作りすぎないほうがいいだろう、と今は考えています。ですから、仕事ができて正義感が強いというだけではなく、理想の実現に至らずにジレンマを抱えているといった、少しネガティブな部分も持っているキャラクターとしてとらえ、フラットにお芝居ができたらいいな、と思っています。そんな直美の役ですが、ときには加奈子と立場が逆転するような場面もあるかもしれない、と監督さんとも話しています。最初は、直美の強さが目立つかもしれませんが、精神的に追い詰められている加奈子のほうが、貫く強さがあるように見えることがあるかもしれません。そういうバランスの変化も面白く描かれていくのではないでしょうか。
広末さんが演じられる直美がますます楽しみになりました。
台本を読んでいて、加奈子よりも直美のほうが自分に近い気がして、より演じやすいように感じています。直美にとって加奈子が抱える問題は、急に降りかかってきたことではあるけれども、見逃せない、目をつぶれない現実なんです。大事な人が傷ついているのを見たときに、それを自分の痛みに変えることができるのが人間という動物で、私自身もそこに疑問はありませんので、「行動を起こすうえでのプロセスがないと演じられない」というような役ではないと思っています。
そして、DV夫・服部達郎を演じる佐藤隆太さん、達郎の姉・陽子を演じる吉田羊さん、直美と加奈子に大きな影響を与える李朱美を演じる高畑淳子さんと、共演陣も実力派揃いですね。
最後に、みなさんとの共演の意気込みをお聞かせください。
佐藤さんは、さわやかでいい人のイメージがありますが、悪いお芝居もとってもお上手ですよね。今回は、二役というところでも期待しています。高畑さんは、朱美の役を演じるのを想像しただけで笑ってしまいました(笑)。強烈なキャラクターの中国人役で、直美も心を開いたり、背中を押される存在になってくれる、ある意味、高畑さんにしかできない役だと思いますので、すごく楽しみです。そして、今回初めてお芝居でご一緒する吉田羊さん。優しく包み込むようなお芝居をされるイメージと同じくらい、強いお芝居のイメージもありますので、そんな吉田さん演じる陽子と戦えるのがとっても楽しみです。