無痛

10/07 スタート
為頼英介役 西島秀俊さん

『無痛〜診える眼〜』出演オファーを受けて、また台本を読まれての印象はいかがでしたか?

1話の台本を読んで、何かすごく面白い連ドラになるんじゃないかっていう予感がしました。登場人物それぞれがすごく魅力的。その人物たちが単純に敵対するだけじゃなくて、時には共感したり…いろいろな要素が人間関係のなかに盛り込まれていると思えましたのですごく楽しみです。

チーフ演出の佐藤(祐市)監督とは?

佐藤監督は、『ストロベリーナイト』で僕が演じた菊田というキャラクターが一番好きだとおっしゃって下さっていて…。そのドラマや映画のシリーズでもずっとご一緒していました。また、最近は『脳内ポイズンベリー』という映画で、全然違う役を一緒に作り出していただいています。今回も監督は硬質な役ではなく、“もっと普段通りの、笑ったり、朗らかにしている西島君を出していきたいと思っている”と、おっしゃられています。また、自分にとっての代表作になるような新しい役を作っていただけるんじゃないかと思って期待しています。

為頼という役をどのように捉えていらっしゃいますか?

為頼は基本的に患者の気持ちを共有しながら治療を行うという、すごく真っ直ぐで大きな良心を持った医者だと思います。常に患者と寄り添っているんですね。その上で、患者の外見を凝視しただけで病気の全容が見えてしまうという能力を持っています。ですので、医者として治療できない患者がわかってしまいます。その能力は犯因症という、犯罪者が一線を超えるエネルギーを持っていることも見えてしまうんです。そう言った、“診えてしまう”ことへの苦しみも同時に抱えています。特殊な能力を持っているがゆえに悩みを抱えてしまうのは、ある意味人間らしいですよね。普段の僕も、みなさんと同じようにすごく明るくて楽しくて充実している時もあるし、何か悩みを抱えて苦しんでいる時もあります。そんな、いろんな面が為頼という役を通して表現出来るのではないか? と思っています。

西島秀俊さん

では、具体的な演技プランはございますか?

とにかく人を見ると、病状とかそういうものが詳細に見えてしまう人なので、あまり人を見て歩くことはないでしょう。きっとどこかうつむいて、なるたけ人を見ないようにしている。でも、見えてしまった時は何とか助けたいと思って声をかけちゃうだろうし…。声をかければ当然、“何この人?”ってこともあったでしょう。だから、あまり目立たないようにひっそりと生きている…能力を隠して生きている人物に見えればと…。

伊藤英明さんが演じる白神陽児も為頼と同じ能力を持っています。

為頼とは正反対なイメージで、白神は本当に自分が正しいと信じる道を歩もうとしています。能力をフルに使って、“医学界の革命児”と呼ばれるようなスターのような大きな存在となっています。

西島さんは、為頼、白神のどちらに診てもらいたいですか?

どっちですかね?(笑)。白神の病院は施設も充実しているようだし…悩ましいですね。どちらも同じ能力を持っていて、僕は両方に共感出来る部分があります。ストーリー的には、今後そんな2人がどこかで対決しなければいけない時が来そうな感じです。それは、本当に治せない病気をどうするのか? その時に医者は?っていうところだったりするのかなって思いますけど…。僕だったら、その辺を2人に聞いてみてから選びたいですね。

今回の現場で苦労しそうなことはございますか?

医療ドラマなので、医学用語は“こういう病気ね”、“こういう症状なんだ”と調べながら台本を読んでいます。…しかも、事件ものでもあるので台本を覚えるのが大変なんじゃないかなって。まあ、それが僕の仕事なんですけど(笑)。あとは、為頼は謎めいた人物なので、急に変なところでポンと“この人、なんでこんな質問しているんだろう?”と思うことがあります。もちろん、彼のなかでは関係があるし、それが後のセリフにつながっていきます。ですので、台本の分析は必要だと思っています。

共演のみなさんは?

刑事の早瀬(順一郎)役の伊藤淳史くんとは、以前『ダブルフェイス』(TBS系)でバディを組ませてもらって、ものすごく楽しくて、ものすごく何かうまくいったので、ぜひもう一回そういう相棒として演じたいと思っていました。その伊藤淳史くんは、伊藤英明さんと『海猿』でバディを演じていたので、何か因縁めいたものを感じます。僕自身は、伊藤英明さんとは初共演なので、すごく楽しみです。同じ能力を持った役として対峙するのも楽しみでしょうがないんですよ。でも、監督には“(演者として)楽しむのは良いけど、もっと深いところまでやっていきましょう”と言われています。だから、もっといろいろと勉強しなくちゃなって感じです。

伊藤淳史さんは、どんな役者だと思いますか?

やっぱり特別な俳優だと思います。まず、あんなにいい男いないです。本当に会った人は誰でも“いいヤツだ”って言うし、その人が本当にいい役を演じるから説得力があります。善人も嘘くさくなく演じられる数少ない俳優でしょう。

伊藤淳史さんが、今回ただの善人ではない早瀬刑事を演じるのは新鮮ですね。

そうですよね。悪人ではないですけど、裏の顔を持っているような…そんな伊藤淳史くんの演技をずっと見たいと思っていました。相当怖いだろうなって思うんです。早瀬は正義感の強い刑事ですけど、正義が行き過ぎて、ちょっと踏み外しそうになっている危うい感じが楽しみです。

西島秀俊さん

『無痛〜診える眼〜』の見どころをお願いします。

僕は結構、ストレスとかプレッシャーとか、痛い撮影も結構好きなのであまり参考にならないのかもしれないですけど(笑)。でも痛みは基本的にはマイナスなので、無くなった方がいいことがほとんどだと思います。このドラマが向かう先には、完全に痛みがなくなったり、感じられなくなると人はどうなるのか? ということがあると思います。もしかしたら、他者の痛みも分からなくなるのではないか? とか、プラスもあるけどマイナス面も大きくなるのでは? という話になっていくのではないか、と。痛い思いをしたからこそわかることもたくさんあるから…。きっとタイトルの『無痛』と言う言葉はそれを指しているんですね。“無痛”とは人間にとってどういうことなのか? そんなテーマを、最終的に描いていくと思います。と言っても、そんなに難しい話でもないんですけど(笑)。そんなことを感じつつ、エンタテインメントとして楽しんでご覧いただければありがたいです。

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