2018.03.15更新
2018年3月8日(木)、フジテレビアニメラインナップ発表会2018として「Plus Ultra」が開催。フジテレビの新しいアニメ枠「+Ultra」の発表、ノイタミナ作品の出演声優によるトークにつづいて、第3部では、テレビアニメの枠を飛び越え、劇場版アニメ3作品が発表されました。
ひとつめの作品は、今年8月に全国公開される劇場アニメ『ペンギン・ハイウェイ』。本作は、『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』など京都が舞台の作品で有名な森見登美彦さんの作品。気鋭のアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」が手がけます。スタジオコロリドは、ショートアニメ『フミコの告白』で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した石田祐康、スタジオジブリ出身の新井陽次郎を中心に、デジタル作画でありながら繊細で温かみのある表現を追求するアニメーション制作会社。同スタジオの第1回長編アニメーション作品第一弾となっており、発表されるやいなや多くの注目を集めています。
物語は、夏の小学生をテーマにしている、森見さんの“原点にして新境地”となる作品。また、現在29歳の石田監督の初監督作品でもあり、主人公のアオヤマくん役を若手女優の北香那さん、アオヤマくんの初恋の相手であるミステリアスなお姉さん役を蒼井優さんが務めます。
荒木哲郎監督
二つめは、劇場中編アニメーション『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』。ステージ上にはゲストとして、『進撃の巨人』や『ギルティクラウン』を手掛けた荒木哲郎監督が登壇しました。本作品は、テレビアニメ『甲鉄城のカバネリ』の半年後となる続編が描かれています。荒木監督は、今回続編として劇場版を制作することとなった経緯について、「作品を作り終わったあとも、メインのキャラクターたちへの思い入れが非常に強かった」と話し、「彼らの物語の続きを書きたいと思いました。ですので、スピンオフではありません」と語りました。
また、テレビシリーズでは大河内一楼さんが脚本を担当していましたが、劇場版では荒木監督が担当。「今回は、大河内さんに構成を作ってもらい、それを基にして私がシナリオを作り、再び大河内さん含むスタッフの方たちに見てもらう、という、私が作ったものにダメ出しをもらえるチャンスを作りたくてこの形になりました」と説明。開かれたエンターテイメントにするには、様々な感性を持った人たちを集めて、意見を出し合って取り込むことが大切だと話していました。
(C)カバネリ製作委員会
左から荒木監督、小松昌平、黒沢ともよ、梅原裕一郎、脚本の笠岡淳平
さらに、「甲鉄城のカバネリ」プロジェクトの1つとして、ゲーム『甲鉄城のカバネリ 乱』も発表されました。ここで追加のゲストとして、要役の小松昌平さん、葉矢役の黒沢ともよさん、千尋役の梅原裕一郎さん、脚本・クリエイティブディレクターの笠岡淳平さんが登場。海門決戦は半年後の物語ですが、こちらのゲームは3か月後の物語だそうで、笠岡さんによると、「テレビアニメ版と劇場版の間を埋める話」とのこと。
新キャラクターである要、葉矢、千尋の3人は、カバネによって親を失った子どもたち。要は、そんな仲間を「家族」と呼んでとても大切にしているキャラクターですが、「最初のうちは、要はあまり自分を持っていない」と小松さん。話が進む中で成長していくキャラクターだと明かしました。また、葉矢は、「家族」の中で年上の方にいる唯一の女の子で、「お姉さんやお母さんとしての責任感を持っている優しい子です」と黒沢さん。千尋は「家族」のお兄さん的ポジションで、バランサーとしての役割を担っているそうで、梅原さん曰く「自分が孤児であるという立場を理解していて、狡猾な部分もあるたくましいキャラクターです」。
笠岡さんは、ゲームを作っていくにあたって、「テレビアニメ版は綺麗に整っている作品なので、ゲームとして、より多くのキャラクターを同時に存在させられる世界観を0から組み上げていきました」と、そこが楽しかった点でもあり苦労した点でもあると語っていました。
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左から関智一、野島健児、塩谷直義監督
最後は、ファン待望の『PSYCHO-PASS』Next Project、劇場中編作品『PSYCHO-PASS サイコパス SS』の詳細が明らかにされました。タイトルにある「SS」は、「Sinners of the System(シナーズオブザシステム)」の略で、“システムの罪人たち”という意味。ゲストとして、狡噛慎也役の関智一さん、宜野座伸元役の野島健児さん、監督の塩谷直義さんが登場し、トークを繰り広げました。
この劇場中編作品3本は、『PSYCHO-PASS サイコパス』のスピンオフ作品で、宜野座×と霜月編の「Case.1 罪と罰」、須郷×征陸編の「Case.2 First Guardian」、狡噛編の「Case.3 恩讐の彼方に__ 」となっています。塩谷監督によると、時系列としては、すべて劇場版のあとの話になっているそうです。
現在、アフレコは3本とも完了しているようで、「制作陣の意図も分かりやすく、完成度の高い状態でアフレコを行うことができました」と関さん。また、野島さんも「早く完成版を観たいです!」と期待を膨らませていました。監督は作品の出来に自信を持っており「Case.3の収録が終わったあと泣いちゃいました」と告白していました。
Case.1では、霜月と宜野座がある女性を送還するために、青森にある潜在犯隔離施設へ向かい、そこから何かが始まっていきます。Case.2では、須郷が執行官になる前に征陸と何があったのかが描かれます。そしてCase.3では、アジアのとある町で狡噛が武装ゲリラから1人の少女を救出して…。
『PSYCHO-PASS サイコパス』Next Projectは、この3本だけでなく、今後も続いていく様子です。
(C)サイコパス製作委員会
取材・文=月乃雫
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