2018.03.15更新
1999年に4歳で子役デビュー。 2002年の『人にやさしく』の五十嵐明役で一気に注目を集めた須賀健太さん。 その後も、ドラマ、映画、舞台などで活躍し、役者として着実にステップアップしてきた須賀さんは、現在放送中の『隣の家族は青く見える』で、松山ケンイチさん演じる大器と同じ会社で働く後輩・矢野朋也役を演じています。 妊活についての知識も豊富で、人の気持ちを察することもできることから、SNSでも「理想の恋人」と話題になった朋也役について、お話を伺いました。
――まずは、今回の撮影現場の印象からお願いします。
ほぼ松山ケンイチさんの印象、という感じです(笑)。 僕は松山さんとのシーンばかりだったので。 あと、毎話ちょっとずつの撮影だったので、現場に入るたびにどこかいつも緊張していました。
――ほかの共演者との絡みが少ないのも寂しいですね。
そうなんです。 だから、ちょっと視聴者のみなさんと同じような目線で見ているようなところもありました。 それは不思議な感覚でしたね。 会社だけ、という感じで、コーポラティブハウスの方にはまったく行っていないですし。 だから、初めて『いがらし』に行ったときは面白かったです。 「あ、テレビで見たことある!」みたいな(笑)。
――朋也というキャラクターを演じるにあたって特に考えたことは?
最初は「いまどきの若者」というイメージからスタートしたんですけど、独身なのに不妊治療に関する知識はたくさん持っていますし、自分から精子の検査を受けたりするようなキャラクターだったので、どうやって肉付けしていくかを考えました。 演じ方によっては、ちょっと嫌味なキャラクターに見せることも出来ると思ったんですけど、松山さん演じる大器がピュアでとても素敵なキャラクターだったので、その後輩としては、嫌味な感じを強調したりせずに、大器を尊敬しているという部分をストレートに伝えれば十分なんじゃないかな、と思ったんです。 現場に入って、松山さんとお芝居をして僕が感じた部分を活かしたというか。 有難いことに、1話を見てくれた周りの方からの反響も大きかったんです。 完全に脚本の力なんですけど(笑)。
――朋也に対しては「理想の男子」「恋人にしたい」という反響が大きかったですね。
ビックリしました。 あれだけの知識量があって、無知こそが要らぬ差別や偏見を生む、という考え方を持っているというのは凄いですよね。 でも、ちょっとプレッシャーも感じで怖かったです(笑)。 特に序盤の朋也は、説明役というか、問題提起をさせてもらう役割でもあったわけですけど、恥ずかしながら僕も今回の台本で初めて知ったことが多くて。 でも、本来は男性も学んでおかなければいけないことなんですよね。
――優しい大器と、しっかりした朋也のコンビは本当に素敵でした。
物語がどんどんシリアスな流れになっていく中で、比較的リラックスして見ていただけるシーンなのかもしれないですね。「会社の絵になるとホッとする」という意見をいただけたのも嬉しかったです。物語が進んでいくにつれて、大器さんもどんどん勉強していって、逆に僕が教えてもらうような感じになっていたのも面白かったです。妊活に真剣に向き合っている大器さんと、そんな先輩をリスペクトしている朋也、という感じがどんどん明確になっていったのも「いいなぁ」と感じていました。
――松山さんとのお芝居に関して、特に印象に残っていることは?
お芝居でご一緒させていただくのは初めてなんですけど、ホントに普段の会話のようにお芝居を受けてくださる方で……。 本筋のセリフが終わった後、「カット」の声がかかるまで何秒かあるんですけど、そういうところでアドリブを見せてくれたり、リハーサルのときのアドリブからお芝居が広がったりすることもありました。
――撮影の合間、どんな話をされましたか?
ずっと同じ舞台をやっていたので、その話が多かったですね。 『髑髏城の七人』という舞台を、違う時期にやっていたんです。 松山さんが先にやられていて、僕は公演期間中にこのドラマの撮影があったので、「ケガしてないか?」とか「後半になってくると疲れてくるから」とか。 あとは……家電の話も結構してくれましたね。 テレビとかモニターとかゲームとか。松山さん、詳しいんですよ。 普段から松山さんはとても気さくな方なんですけど、でもちゃんとひとりの感覚も持っているような方だったりもするので、そういう姿を見られるのは楽しかったです。
――普段から、大器のような雰囲気もありますよね。
多少なりとも意識してそうしている部分もあるのかもしれないですね。 だから、後輩役の僕にも気さくに話しかけてくださったとも思うので、ホントに感謝しています。
――現場への居方というのは役者さんによっても違うものですよね。
僕も、結構話したいタイプなんです。 でも今回は、朝イチのシーンをとってバタバタ出ていくような感じだったので、スタッフさんたちとゆっくりお話する機会も少なかったんです。 そういう意味でも松山さんには助けていただきました。
――舞台出演とドラマの撮影があるというハードなスケジュールの中で、モチベーションを保つ秘訣は?
その切り替えが楽しかったりもするんです。 作品ごとに違う役を演じるというのは、役者という仕事の醍醐味だと思うんです。 自分自身から離れている、というのは案外ストレス発散にもなるんです。 現場ごとで雰囲気も全然違いますから、自然と気持ちも切り替わりますし……。 あとは、ご飯ですね(笑)。 『食』は本当に大切だと、最近特に思います。 疲れたりしたとき、最後はやっぱり肉だな、と(笑)。 僕もようやくそこにたどり着きました。
――朋也は、奈々(深田恭子)と大器夫妻に憧れていて、現在婚活をしているという設定です。 最終回には結婚報告があったりするんでしょうか?
僕自身の中では、まだ早いワードではありますけど、朋也ならおかしくない感じですよね。 どうなるんでしょう? 朋也は誠実で良い人なので見つかると思うんですけど(笑)。 僕も23歳になったので、いつまでも子どものような感覚ではいられないですし、今回の朋也のようなキャラクターを演じると、「もっと勉強しなくちゃ!」と痛感しました。
――この先、「理想の恋人」として見られるようになると思いますので。
それはちょっと遠いなぁ(笑)。 あまり照らし合わさないでほしいんですけど……。 でも、良い機会なのでこれからも勉強していきたいです!
<プロフィール>
須賀健太(すが・けんた)さん
1994年10月19日生まれ。東京都出身。ドラマ『人にやさしく』、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなど数多くの作品に出演。劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人』(2017〜2018)-上弦の月 兵庫役も話題になった。
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