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2018.01.27更新

元『ジャンクSPORTS』スタイリストに聞く! アスリートの衣装選びのウラ話

福原愛さんのスタイリングで苦労したこと

リサーチ力がスタイリングにいきる!

スポーツ番組を中心にさまざまな番組で見かけるようになったアスリートのみなさん。練習や競技中の姿とは違うスタイリッシュな装いで登場し、タレントと見間違うこともあるのではないでしょうか?

オシャレなアスリートの影にはスタイリストのフォローがありました。しかしどんなふうに衣装を選んでいるのでしょう? 『ジャンクSPORTS』のほか、さまざまなアスリートの担当経験がある、スタイリストの藤澤まさみさんに聞きました。

『ジャンクSPORTS』は1月28日午後7時に復活します!

Q.収録に着る衣裳はどうやって決めるのですか?

藤澤さん:
事前にご本人のB(バスト)、W(ウエスト)、H(ヒップ)など体のサイズや好きな色、ブランドなどをいただき、私のほうでもふだんどんなお洋服を着ていらっしゃるか画像検索をして傾向を探り衣裳を選んでいきます。

収録の当日に初めてフィッティングやお話をさせていただくので、アスリートと実際にお会いしたことがある競技担当のプロデューサーさんやディレクターさんに、どんな私服を着ていたか聞いたりする事もありますね。


Q.ものすごいリサーチ力ですね!

藤澤さん:
初めてスタイリングを担当させて頂く時は、できるだけ要望にお応えできるようかなり幅広いタイプの衣裳を用意します。ワンピースだったら無地と柄物、襟元が詰まっている、開いているという感じで。

『ジャンクSPORTS』の場合、衣裳は1ラックいっぱいにご用意させて頂く事が多かったですね。何回か担当させていただき、嗜好がわかってきた方はご本人の好きそうな衣裳を5~6ポーズ厳選してご用意していました。

Q.そのあとは、ご本人が選んでいくんですね。ほかの共演者と被ることはないですか?

藤澤さん:
あります! ですから、事前に他の出演者のスタイリストさんに色をお伺いをしたうえで衣裳を提案します。女性ばかり出演の時はキャリアや座り位置(両隣や、前後)で色が被らないように考慮します。
同じ種目の先輩・後輩で凄く仲がいいと、お互い衣裳を選びあったりしている事もありました。ちなみに色に関しては出演者だけじゃなくて、番組のセットの色やデザインにも気を配ります。事前にセットのイラストや写真をいただき、衣裳選びの参考にする事もあります

上下で4サイズ差も。アスリートのカラダはスゴイ

Q.日々、鍛えているアスリートの方は一般の人と体型が違いますよね?

藤澤さん:
そうですね、競技によって筋肉のつき方が違ったり、上半身と下半身で全くサイズが違ったりということはよくあります。

ある女性アスリートの方は、肩や腕や首などの筋肉が発達している為、トップスは13号なのに、ボトムは9号だったり。けっこう可愛らしい服がお好きな方だったんですが、肩に合わせるとウエストがガバガバだったり、ウエストのサイズに合わせると肩が入らないとか窮屈そうに見えてしまったりとか。現役の方は大変だなといつも思います。

担当させていただいている卓球の福原愛さんは、実際にお会いすると小柄で華奢なんですが、ラケットを持つ利き腕のほうが少し太く、長いんですよね。左右のバランスが違うので少し服がよれてしまうこともあります。

Q.そういうときはどうするんですか?

藤澤さん:
正面しか映らない場合は、キレイに見えるサイズを着ていただいて、背面を糸で縫ってサイズを調節したりします。
競技の実戦がある場合は全身を動かす為、縫ったり出来ないのでよれが目立ちにくい服を選ぶようにしています。

番組のなかでよく「I字バランスをやってください」といった要望がある、元新体操の畠山愛理さん。彼女はスタイル抜群でなんでも着こなせるんですが、競技の実戦をお願いされることが多いので、動きやすさを優先するとワイドパンツやストレッチの効いたパンツになりがちで(笑)。もっといろんなお洋服を着せてあげたいですけど、いつも同じような衣裳になりがちなんですよね。スタイリストとしては悩ましいところです。

見せ方を知っている新世代

Q.SNSを見ていても、おしゃれなアスリートが増えていますよね。

藤澤さん:
本当にそう思います。10代後半〜20代のアスリートは、見られることにも慣れているし、見せ方が上手だと思いますね。若い頃から取材をされていたりもしますし、SNSを通じて自分の情報を発信したり、逆にいろんな流行の情報もすぐキャッチしている。だから、事前にお伺いすると好きなブランドを具体的にあげていただける場合が多いです。情報がすぐ入る時代もあると思いますね。


Q.少し前はスポーツ選手がバラエティに出演することもなかったですよね?

藤澤さん:
はい。メジャーリーガーの上原浩治さんや女子バレーボール(現全日本女子監督)の中田久美さんとは、十数年前に『ジャンクSPORTS』で初めて担当させていただき、今もスタイリングさせて頂く事があります。お二人とも背が高く、トールサイズの物じゃないと袖丈やパンツの丈が短くなることが多いので、いつも「藤澤さんにおまかせ」と言ってくださいます。信頼していただいているのは大変光栄な事です。その分、期待に答えたいと言う気持ちが強くプレッシャーも感じますね(笑)

余談ですが、男性のサイズの大きいアスリートあるあるだと思いますが、ふだん練習などでジャージなどゆったりしたものを身につけている事が多いのでタイト目なジャケットやスーツに抵抗を感じる方がいらっしゃいます。窮屈に感じて嫌がられてしまうんですよね。(笑)


Q.まずは本人の好み、共演者や番組セットとのバランス、そして藤澤さんの感性と、緻密な計算のもとにスタイリングされていることがわかりました。

藤澤さん:
大変な事もありますけど、凄く楽しいですよ(笑)。
普段とは違う世界のテレビ出演で「今日の私は最高!」という気持ちで収録に臨んでいただけることがいちばんです。ご本人のお好きなものが第一優先ですが、用意した衣裳をひと通り試着し、私の提案したスタイリングを気に入っていただけた時、「新しい発見がありました」とか「こんなの着たことなかったですけど、買い物するときに参考にします」と言っていただけた時はスタイリストとして本当に嬉しいです。

取材・文=パンチ広沢

※浜田雅功さん、永島アナのスタイリングは藤澤さんのご担当ではありません。

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。