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2017.12.19更新

実況担当の中村光宏アナ「大一番での一発勝負。考えただけでもゾッとする」

『全日本フィギュアスケート選手権2017』

2018年2月開幕の平昌オリンピック代表選考をかけた全日本フィギュアスケート選手権大会(以下、全日本フィギュア)が、いよいよ12月20日(水)から開催(初日は滑走順抽選・公式練習)されます。女子の実況を担当する中村光宏アナウンサーに、実況の立場から『全日本フィギュアスケート選手権2017』の魅力を語っていただきました。

女子の実況担当・中村光宏アナに聞く

Q.中村アナから見たフィギュアスケートの魅力を教えてください。
まずは、たくさんのお客さんの中で、あの白い氷のリンクに、たったひとりで立つというすごさです。それから、競技性と芸術性、各選手がそれぞれ抱えるストーリーが相まって、見ている側の応援にも本当に気持ちが入ります。その人になりきってしまうくらい、心が乗り移って応援できる競技かな、と思います。

Q.フィギュアスケートには独特の雰囲気があり、ファンの方の熱気もすごいものがありますね。
スポーツの試合は、例えば前後半45分とか、野球なら9回までありますが、フィギュアに関しては、ショートプログラムは2分50秒くらい。フリーは女子で4分、男子は4分半です。今回の全日本フィギュアは、五輪代表がかかっていますし、この4年間、そしてそれ以前からずっとやってきたものを、すべて凝縮して勝負することになります。選手の緊張感と観客の期待とが入り混じった雰囲気は、やっぱり独特だと感じます。

Q.実況していても気持ちが入りますか?
実況者としては、第三者として一歩引かなければいけない部分もありますし、もちろん気持ちを、ちょっと感じ取りながら喋らなければいけない部分もあります。そこのバランスを取る難しさはあります。

Q.中村アナの熱も高まりますか?
それは、もう高まりますね。ちょっと抑えないと、っていうくらい(笑)。実況のたびに手元に置く資料を作り直すんですが、(選手への興味が深まるので)どんどん増えていってしまうんです。その情報は自分の中に入れつつも、お伝えする上では「短く、コンパクトに」を、テーマにしています。

Q.フィギュアスケートは、各選手の演技構成がわかった上での実況となるのも特徴的ですね。
構成は各選手決まっているので、そこはもちろん把握した上で、構成の違いであるとか、ジャンプの、何が難しくて何が簡単なのか、今大会で何を変えてきたのかというところを、的確に短く伝えられたらと思っています。もちろん、転倒やミスはあるものですが、それが勝ち負け、点数にどう影響するのか、あるいは、どのくらいのミスだったら影響は少ないのか、というのを本番中は瞬時に判断してお伝えするようにしています。

Q.取材はどのようにしているのですか?
(フジテレビのスポーツ局の)フィギュア班のみなさんが、各学校や各大会に行って取材してくださって、それをみんなで共有します。もちろん僕自身も、取材に行きますし、今シーズンも何度か行きました。選手のことを知れば知るほど親近感がわいてきて、競技を見るときにはドキドキしてしまいます。だから、みなさんに頑張ってほしいな、という気持ちになるんですよね。

Q.そんな中、今回の全日本フィギュアの見どころといえば?
僕が実況を担当する女子(男子は、西岡孝洋アナが担当)では、まずは実力が拮抗した選手が揃っているということが挙げられます。五輪出場枠は2枠。今回は勝ち負け、ミスが出たらオリンピックが遠のくということになってしまいますし、かといってノーミスで演技をしても、今度はGOE(出来ばえ点)加点勝負になってきます。シニアデビューしてきた坂本花織選手、本田真凜選手、白岩優奈選手は勢いがありますし、今シーズンは、世界でも注目されている紀平梨花選手など、ジュニア勢もすごいので、彼女たちがノーミス+素晴らしい演技をした場合に、シニア勢がちょっとでも守りの演技に入ったら、逆転される可能性があります。

シニア勢では、宮原知子選手が全日本フィギュアを3連覇しており、女子をずっと引っ張ってきた存在でしたが、今シーズンはケガ(左股関節の疲労骨折)をして、10月にジャンプの練習を再開したばかりです。樋口新葉選手は、今シーズンとても安定していますが、先日のグランプリファイナルで、本人納得の演技ができなかった。それをどこまで立て直せるか、でしょうか。三原舞依選手も昨シーズンに、四大陸選手権という大きな大会を制しています。本郷理華選手も世界での経験はほかの選手を上回ります。つまり、優勝候補がたくさんいて、その実力差は、ジャンプのミスなどではなく、加点の差、つまり1点レベルでひっくり返るというほど拮抗しています。この大一番の一発勝負で、どんな意気込み、どんな演技を見せられるかにかかるのですが…いやぁ、考えただけでも本当にゾッとしてしまいます。

Q.どんな実況をしたいと考えていますか?
平昌五輪の代表選考会というのは今回しかないわけで、選手にとっては特別な、もしかしたら人生で一回のチャンスかもしれない。個人的に、そんな歴史的な瞬間に立ち会えるという喜びはあります。実況は、特別なシーンに言葉を乗せられる唯一の人間ですから、もちろんプレッシャーは大きいですが、そういった責任と誇りを持ってやっていきたいですね。

また、各選手の頑張りや辛い時期も見てきているので、できるだけ選手の思いに近づいていきたいと考えています。各ブロック大会、東日本、西日本を勝ち上がって、全日本フィギュアという国内最高峰のリンクがある。その夢の舞台に立つ選手には、オリンピックを目指している選手だけではなく、すべてのみなさんに緊張と思いがあるんです。それを、僕なりにひとつひとつ丁寧に伝えたいと思っています。

Q.最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします!
全日本フィギュアは、世界で一番難しいといってもいいくらいのハイレベルかつ代表枠をつかみ取ることが難しい大会だと思います。そのドキドキ感を楽しんでいただきたいですし、実況としても、彼女たちのスケート人生、そして本番でのスケーティングをできるだけ丁寧に正確にお伝えしますので、目を離さず見ていただきたいですね。

『全日本フィギュアスケート選手権2017』は、地上波+BSフジ+CSフジテレビONEで、4夜連続完全生中継します。どうぞお楽しみに!

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番組情報

『全日本フィギュアスケート選手権2017』
<放送>
12月21日(木) 女子ショートプログラム 
17時~18時30分 CSフジテレビONE
18時30分~21時 フジテレビ
12月22日(金) 男子ショートプログラム
17時~18時30分 BS&CSフジテレビONE
18時30分~21時 フジテレビ
12月23日(土・祝) 女子フリー
17時~19時 BS&CSフジテレビONE
19時~21時15分 フジテレビ
12月24日(日) 男子フリー
17時~19時 BS&CSフジテレビONE
19時~21時30分 フジテレビ
12月24日(日) ペア・アイスダンス
深夜3時~深夜4時 フジテレビ

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。