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スノーボード竹内智香、大ケガからの復活

12月３日放送の『スポーツLIFE HERO’S』は、平昌で５度目のオリンピック出場を目指す、女子スノーボードアルペンの第一人者、竹内智香(たけうち・ともか)選手に密着。取材は、竹内選手と親交があり『ピョンチャン五輪中継』のキャスターを務める、野村忠宏さんが担当しました。

ソチ銀メダルの裏側、平昌五輪への思い

竹内智香選手は、４度目の出場となったソチオリンピックのパラレル大回転で、日本女子初のメダルを獲得(銀メダル)。決勝の２本目では中盤までリードしながら転倒、金メダルまであと少しというところでした。

野村：ソチ五輪のときはいけるという自信はありましたか？
竹内：よくわからない自信、感触がありました。最後だと思っていたし、金メダルをとって引退というストーリーは考えていましたね。でも、(決勝で)あれがあったから、きっと平昌があるんです。
野村：転倒した瞬間は何を感じた？
竹内：銀メダルがショックとかそういうのではなくて。ああ、もう４年か、長いな。もう1回金メダルが欲しいなら、あと４年、平昌か。無理だなっていうのを考えていました。

それでも、レース後、すぐに思い描いたのは４年後の金メダルだったといいます。竹内選手は、５度目のオリンピック挑戦を決めます。しかし、彼女を待っていたのは、さらなる試練でした。昨年３月、ワールドカップの競技中に転倒し、左膝前十字靭帯断裂。長い選手生活で初めての大ケガ、競技生活を左右しかねない事態でした。診断結果は全治10ヵ月――。

そんな中、手術直前の竹内選手は「(靭帯が)切れて良かったと思う。もう一回頑張る気になったから。やっぱり、ソチが終わってから、なんだかんだ気が抜けていた。これはこれで課題ができて面白いなと思って。一番大事なのはメンタルです」と、笑顔を見せました。

野村：前十字靭帯断裂でしょ。アスリートとしたら致命傷というか。選手生命を絶たれた人も多い。
竹内：私もいろんなアスリート仲間を見てきて、リハビリで苦しんでいる人、腫れたり水を抜いている人を見て、同じようになる覚悟もあって。もしかしたら自分もその道を歩まなきゃな、という覚悟もあったんだけど、よくわからない自信というか、自分は絶対大丈夫、絶対に戻れるっていうふうに考えていた。

竹内選手は、強靭なメンタル、持ち前のポジティブさで、早期復帰を目指しリハビリ生活をスタート。驚異的なスピードでケガは回復し、術後８週間で走れるまでになっていました。「意外と楽しい。立てるようになるところから、走れるようになり、ジャンプができるようになり、この半年間で赤ちゃんみたいな生活ができる。すごくないですか」。その後も数々の検査をこなし、５ヵ月半後には、診断結果を大きく上回り雪上練習に復帰。久しぶりの雪の感触を確かめるように、何度も何度も滑り込みました。竹内選手は「最高です。もう膝は完治。良かった。今日は膝が柔らかかった」と、笑顔を見せました。

また、ケガによって得られるものもありました。滑ることができない間に上半身や体幹を徹底的に鍛え上げ、持ち味である技術に加え、肉体の強さが新たな武器となったのです。トレーナーの友岡和彦さんも「今は体の調子がいい。30代半ばとは思えない。28歳くらいだと思います。ちょうど経験もあってフィジカルものってきた。自己ベストがでる状態だと思います」と太鼓判を押します。

手術から11ヵ月後の今年２月には、ワールドカップで３年ぶりの表彰台。かつての強さが戻ってきました。平昌五輪は完全復活をアピールする絶好の舞台となります。

野村：平昌五輪のメダルも発表された。あのデザインどう？
竹内：金メダルだったらなんでもいい(笑)。発表されたメダルは(携帯の)待ち受けになっています。
野村：(平昌では)どんな滑りをしたい？
竹内：ダントツ的な速さをもって平昌に行って、ソチの準決勝までのように、スタートに立っただけで、自分が勝つような雰囲気を作り出して金メダルを取りたいです。

すべては、３年前にあと一歩のところで届かなかったオリンピックの舞台で頂点に立つために――竹内智香選手は、ポジティブに、そのときを見据えています。

番組情報

『スポーツLIFE HERO’S』

＜放送＞

毎週土曜　24時35分～25時15分
毎週日曜　23時15分～24時30分

＜キャスター＞

加藤綾子(日曜MC)
佐野瑞樹(日曜MC/フジテレビアナウンサー)
田中大貴(土曜MC/日曜チーフプレゼンター/フジテレビアナウンサー)
宮澤智(土曜MC/フジテレビアナウンサー)