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「簡単に金メダルを取る！」

11月19日(日)放送の『スポーツLIFE HERO’S』は、ノルディックスキー複合の渡部暁斗選手に密着。来たる平昌オリンピックで、金メダルの獲得を目指している渡部選手の、独自のトレーニング方法、思考、そして結婚生活に迫りました。

2014年のソチオリンピック。ノルディック個人複合で、日本人として20年ぶりの銀メダルを手にした渡部選手は、今年３月に行われた世界選手権でも２位に入るなど、世界のトップとして戦い続けてきました。当然、平昌での目標は…金メダル。しかも、「簡単に金メダルを取ることですね」「金メダルを取るつもりではいるんですけど」「金メダルを３つ取って帰ってきたいですね」と意欲満々。実は、強気にも聞こえるこれらの発言こそが“渡部流”なのです。この点について、北野建設スキー部で渡部選手を指導する、荻原健司さん(92年アルベールビル、94年リレハンメル２大会連続複合団体金メダリスト)も、「(渡部選手は)有言実行タイプだと見ていますので、平昌ではメダル獲得に向けて大きな期待が持てると考えています」と、太鼓判を押します。

ノルディック複合は、ジャンプの技術・瞬発力と、クロスカントリーの持久力が同時に求められ、スキー競技の中で最も高度とされる種目。ヨーロッパでは、絶大な人気を誇り、その王者は「キング・オブ・スキー」として称えられます。それほどの競技を制するために、渡部選手は「僕は、『明日オリンピックがあります』と、急に言われても大丈夫なように、そういう心構えで生活をしているので、いつ来てもらっても構わないです」と語ります。

アスリートの妻と久しぶりの外食

そんなある日のオフ、渡部さんは妻の由梨恵さんを連れ立って、行きつけの焼き肉屋さんへ。実は、由梨恵さんも、スキーのフリースタイルハーフパイプ国内強化選手で、平昌オリンピックを目指すアスリート。大学のスキー部で同級生だったふたりは、およそ４年の交際を経て、2014年に夫婦となりました。

Q.夫婦になって初めてのオリンピック。心境の変化は？
渡部：これは、よく聞かれるんですけど、そういうのはまったくなくて。「この人が応援してくれるから」とか、「この人がいるから頑張ろう」とかじゃなくて。もっと芯の部分で、自分がそこ(五輪)に向かうかどうかだと思うので。だから、「一緒に頑張ろう」というのは愚問ですね。絶対にウチでは一言も出てこないです、「一緒にオリンピック頑張ろう」とかは。
由梨恵：私も、楽でいいです。「一緒に頑張ろう」とか言ってたら、こちらも、「自分の競技だけじゃダメ、サポートしないと」となってしまう。「申し訳ないな」と思う気持ちは、多少出かかるんですけど、別に考えなくていいんだ、と思えるので。
渡部：まあ、でも応援はしてますよ、もちろん。それは、夫婦だからではなくて頑張ってほしいなっていう。

ふたりは種目が違うため、１年で一緒に過ごせるのは、わずか３ヵ月程度。それでも、お互いを尊敬し合い、「夫婦生活よりも、今はお互いの結果こそがふたりの幸せ」と、それが渡部家のスタイルなのです。

自分の体をより理解すること

ソチからの３年間、渡部選手が追い求めてきたのは、自分の体をより理解し、持っている力を今まで以上に発揮すること。雪のない夏には、さまざまなトレーニングを取り入れてきました。ときには、足場の不安定なスタンドアップパドル(サーフボードの上に立ち、オールを使ってバランスを取りながら移動するウォータースポーツ)に挑戦、無意識のうちに体幹が鍛えられるといいます。また、４年前から取り入れたトレイルランでは、高低差のある大自然の中を疾走。今年６月には、一般ランナーに交じって10キロのレースに参加し、356人中トップでゴール。充実したオフシーズンを過ごしてきました。すべては、あの大舞台で頂点に立つため。「結果はひとつしか求めていない。金メダルを取るってことだけを頭において。どうやって取るかも大事だと思うので、それまでの戦い方や発言、行動といった、いろんなものが伴って金メダルが取れるように準備していきたいと思います」。独自のトレーニング、思考、そして競技優先の結婚生活、最後まで“渡部流”で、平昌まで突き進みます。

番組情報

『スポーツLIFE HERO’S』

＜放送＞

毎週土曜　24時35分～25時15分
毎週日曜　23時15分～24時30分

＜キャスター＞

加藤綾子(日曜MC)
佐野瑞樹(日曜MC/フジテレビアナウンサー)
田中大貴(土曜MC/日曜チーフプレゼンター/フジテレビアナウンサー)
宮澤 智(土曜MC/フジテレビアナウンサー)