2017.10.13更新
猫田(仮名)
44歳。ドラマ好きが高じてライターとなり、数多くの俳優、女優のインタビューを担当。“ミポリン世代”で青春時代は『すてきな片想い』、『君の瞳に恋してる!』など中山美穂主演ドラマに夢中に。マシンガントークの毒舌ライター。
犬山(仮名)
38歳。小学生からドラマを見続ける筋金入りのテレビっ子。高校時代に『ロングバケーション』を見てそのオシャレさに衝撃を受け、『ラブジェネレーション』、『HERO』を愛す“キムタク世代”。イケメンには目がなく、数々の若手俳優のインタビューを担当。
亀井(仮名)
36歳。元テレビ誌のライターで、数々のドラマ記事を担当。冷静沈着、情報通で特に脚本家に詳しく、2000年代のドラマはほぼ制覇。好きなドラマは杏主演の『デート〜恋とはどんなものかしら〜』、相葉雅紀主演の『ようこそ、わが家へ』など。
ドラマを愛して止まないアラフォーライター3人組が、秋の新ドラマをぶった斬る! PART1は木曜22時から放送中の『刑事ゆがみ』。ある意味“浅野忠信”世代ど真ん中の3人、民放初主演ドラマをどう見るのか?
亀井 これは、始まる前からとても楽しみでした〜。
猫田 私は神木くんに目がないのよ。子役の頃からずっと見てるし、よくぞこんなにかっこよく成長して…って母親みたいな目線になっちゃって(笑)。
亀井 さすがに神木くんは人気ですよね。公式サイトのメッセージを読んだら、神木くんファンの方のコメントでいっぱいでした! 人気だけじゃなく実力ももちろんありますし。
猫田 そんな神木くんと、同じく演技派の浅野忠信さんがバディ!
犬山 そうなんですよ。手堅すぎるというか、間違いなさすぎるというか…。もう見なくてもおもしろいんじゃないかと思ってしまって、私は逆に期待値が低めでした(笑)。
猫田 確かに、新鮮味はなかったかも。原作も漫画なんだよね。
亀井 私、原作を読んでるんですよ。すごくよくできていておもしろくて、主人公も浅野さんがハマりそうなキャラクターだなと思いました。
犬山 人気の漫画原作に演技派の俳優に…。やっぱり、これは鉄板すぎですね!
猫田 見る人も「おもしろくないはずがない」と思って見るだろうから、情報を入れれば入れるほど、放送前からハードルが上がっちゃった感じだね(笑)。
亀井 そして実際に1話を見てみたら…。
猫田 おもしろかった!!
犬山 本当に、素直におもしろかった。疑ってすみませんでした(笑)。
猫田 まず、あの映画のような映像がかっこよくてよかったよね。ワイパー越しに見てるような撮り方とか、普通のドラマではあんまりしないから。
犬山 登場人物が歩いているのをカメラも一緒に追ったり、ああいう動きのある画って珍しいですよね。
猫田 映画みたいなのよね。ずっと映画で活躍していた浅野さんだから、この世界観がハマる。
亀井 ドラマで映画を楽しめるようなお得感がありました!
猫田 浅野さんって、他局だけどTBSの『A LIFE〜愛しき人〜』の時は正直、浅野さんのスケール感がドラマにおさまってないっていうか、場違い感がちょっとあったのよねぇ…。今回は、浅野さんに寄せてることもあって、すごくいい!
犬山 役の作り込み方も素晴らしい。ガサツで適当な弓神を、いろいろなシーンで感じられました。食堂でナポリタンをすすって口を汚しながら食べるシーンなんて、絶妙に不快で弓神っぽくて、さすがだなと。
亀井 浅野さんって今も素敵ですけど、かつてはさらに絶大な人気を誇ってましたよね。
猫田 そうそう! アウトローな雰囲気にみんなが憧れてカリスマ的だったよね。まあ、私はトレンディ大好き、王道大好きなものであまり惹かれなかったけど(笑)。
犬山 すみません、私もキラキラのイケメン大好きなもので、あまり惹かれませんでしたけど(笑)。
亀井 そこ強調しなくていいですよ(笑)。
猫田 でも周りのおしゃれな女子はみんな浅野さんファンでしたよ! 理想のタイプを聞かれたら必ず名前が出てたぐらい。
犬山 そういう意味では、その頃に浅野作品を見ていた世代が楽しめるドラマになっていますよね。懐かしさも感じられるかも。
猫田 確かに! 最近ドラマを見てない浅野ファンの友達に教えてあげよう!
亀井 欲を言うと、もっと破天荒な浅野さんも見たいですよね?
犬山 そう! 私もこの役ならもっとやっちゃってもいいと思いました! 初回だから少し抑えていたのかしら…。
亀井 これから山本美月ちゃん演じるハッカーのヒズミとの関係や、過去の事件が明らかになるみたいですよ。ストーリーが進むとさらに浅野さんの演技もエスカレートしていくかも…。
猫田 その方が絶対おもしろくなるよね。浅野さん、遠慮なく振り切っちゃってください(笑)!
犬山 神木くんも期待を裏切りませんでしたね。何だか悔しいほどに(笑)。
猫田 1話は特に神木くん演じる羽生にとって悲しいストーリー展開だったからね。切ない表情があったり、出世欲を見せる腹黒さもあったり。楽しめたわ〜。
亀井 原作だと、神木くんの役はそこまで主張が強くないんですよ。神木くんが演じることでキャラがしっかりしたし、より弓神とのバディ感が出ていいと思いました!
犬山 謎解き部分もおもしろかったよね。犯人か?と思しき人物がどんどん移り変わっていく展開は引き込まれた。
亀井 やっぱり刑事ドラマは、ミスリードをどれだけうまく入れられるかがポイントかと!
猫田 設定もなかなか作り込まれてなかった? 痴漢する男、その妻、痴漢冤罪で父親を失った女、痴漢されて復讐で冤罪を引き起こす女、その女を憎む女…。ややこしい(笑)! SNSを使ったおとりも現代っぽいなと思ったわ〜。年かしら(笑)。ちなみに脚本は誰かな?
亀井 3人で書かれてますね。『ラヴソング』の倉光泰子さん、『好きな人がいること』の大北はるかさん、過去に『相棒』シリーズも手がけたことのある藤井清美さん。藤井さんのキャリアは長いですが、倉光さん、大北さんは最近の作品を担当していて、結構若手ですかね。
犬山 ベテランと若手が組んでやるのっていいですよね。アイデアもいろいろ出そうで。
亀井 前に脚本家さんに聞いたんですけど、特に刑事もののようにトリックや話の展開がポイントになる場合、多くの人で知恵を出し合った方がいいものができるらしいですよ。この刑事ゆがみは、ディレクターさんも3人いて、こちらもベテランから若手まで勢揃いです。
猫田 素人考えだとたくさんの人が関わると整合性が取れるのかしら、と思っちゃうけど(笑)。その方がおもしろくなるなら、視聴者としては大歓迎よね!
犬山 久々に今後の展開が楽しみなドラマですもんね。キャストもスタッフも揃い踏みって感じだから、最終回まで我々の心を惹きつけて欲しいですね!
構成・文=野々山幸(TAPE)
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