Muscat~フジテレビの番組情報

2017.09.27更新

【チャラすぎるD】『人生のパイセンTV』のマイアミ、憧れのとんねるず班へ

「スーパーカーで田舎へ行く」を担当

17年3月まで放送されていた『人生のパイセンTV』。そのチャラい演出を手掛けていたのが、同番組にたびたび登場したマイアミ・ケータこと萩原啓太さんです。

萩原さんは、現在『とんねるずのみなさんのおかげでした』でディレクターとして活躍中。『人生のパイセンTV』で得たこと、憧れだった“とんねるず班”で学んだこと、そして今後の野望まで。見た目のチャラさを裏切る、熱くまじめな素顔に迫ります。

萩原啓太(フジテレビ・編成局制作センター第二制作室)

「パイセンTV」で“テレビの力”を実感した

――『人生のパイセンTV』で、その名が知れた萩原さん。まず、フジテレビに入社してからの経歴を教えてください。

萩原 ADとして『笑っていいとも!』『もしもツアーズ』などを担当した後、ディレクターとして『キスマイBUSAIKU!?』『ヨルタモリ』を経験しました。演出として初めて自分で立ち上げたのが『人生のパイセンTV』です。

「演出」とは、映画でいうと監督のような、企画を絵にしていく立場。1本の番組について、どんなVTRを使ってどう構成するのか、テレビ画面に映るものすべてを管理します。番組内で使うVTRの一つひとつを作るのがディレクターです。

――番組開始の2015年10月当初、29歳だったそうですね。フジテレビ史上最年少のバラエティ演出家となったわけですが……。

萩原 今思うと、恐ろしい番組を作っていたな、自分、と。右も左もわからないうちだったので、「こういう企画が面白いんだ!」という勢いだけで作っていたんだなぁと思います。それでも、得たものは大きかったですね。

今のバラエティは、あらかじめ台本を作成し、「撮れ高(撮影した素材のうち使えそうな部分)がこれぐらいあれば1本分になるな」と考えながら作ります。でも『人生のパイセンTV』では、まったくそんなことをしなかった。だから、撮れ高がなさ過ぎてオンエアできないこともよくありましたが、僕たちが予想しない撮れ高になることもたくさんあって。

今のテレビではなかなかできないことに挑戦したことで、「やっぱりテレビの力ってすごいな」「奇跡って起こるんだな」と実感できたのが一番大きな経験でした。

石橋貴明「お前も早くフジテレビのエースにならなきゃいけない」

――『人生のパイセンTV』終了後は、『とんねるずのみなさんのおかげでした』にディレクターとして配属されます。配属が決まったときの感想を教えてください。

萩原 「このタイミングか」という驚きが半分、「やっと配属された!」というよろこびが半分でした。『人生のパイセンTV』という自分らしい企画があっただけに、周囲からは「意外だね」と言われることもありました。

――とはいえ、「やっと」ということはずっと希望されていたんですよね?

萩原 そう、ADのころから何度も「“とんねるず班”に入れてください!」って直談判していたんですよ。でも、かなわなくて。

もともと、僕はとんねるずさんを見てフジテレビに憧れたんですよね。とんねるずさんは小さいころからスターでしたし、学生時代には友だちと『とんねるずのみなさんのおかげでした』のお笑い水泳大会を腹かかえながら観て、すげえなぁ、バカな番組だなぁ、こんなのできたら楽しいなぁとすでに思っていたんです。

――では、配属が決定してとんねるずのお二人にお会いしたときは……?

萩原 足が震えましたね。緊張しすぎて何もしゃべれませんでした。憧れてきた人を目の前にして、本当にこの人たちと仕事をしていくんだと震えたときの感覚は、一生忘れないと思います。
配属されたてのとき、タカさん(石橋貴明さん)が言ってくださったんです。「巨人の長嶋は4年で四番を取ったんだ。お前も早くフジテレビのエースにならなきゃいけない。この番組でたたき上げるから、毎週企画を持って来い。早く名企画を生み出せ」っそんなふうにおっしゃってくださるのが、すごいうれしくて。それ以来、企画を考えて出し続けています。「つまんねえ、こんなのやりたいのか」って言われてばっかりですけど(苦笑)。て。

若い世代のブームになるようなヒット企画を生みたい

――今はどのコーナーを担当しているのでしょうか?

萩原 8月に始まった「スーパーカーで田舎に行く」です。もともとスーパーカーが好きでやりたいと言い続けていた企画で、現場では常に緊張しますが、すごく面白いです。

「スーパーカーで田舎に行く」のコーナーでは、萩原さん発案で公式インスタグラム「田舎スタグラム」を開設。ロケ中の写真などを公開している。「とんねるずさんはSNSを持っていないので、新しい試みになるかなとスタートしました」(萩原さん)

とんねるず班に入りたかった理由の一つに、マッコイ斎藤さんという大演出家と仕事をしたいという思いがありました。業界トップの演出家が、何を考え、どうやって番組を作っているのかを間近で見て勉強したくて。「スーパーカーで田舎に行く」では、マッコイさんがずっとロケ現場にいてくださるので、背中を見ながらたくさん学ばせていただいています。

10月から始まる新しくスタジオの企画も担当しています。

――『とんねるずのおかげでした』に配属されて半年あまりが経ち、どんなお気持ちですか?

萩原 今は、とにかく1つヒット企画を出したいですね。とんねるずさんに早く認めていただきたいですし、番組の力になりたい。

「スーパーカーで田舎に行く」もそうですが、とんねるずさんが一般の方と触れ合う企画を作りたいんです。とくに、若い世代と触れ合う企画を。

――いまの10代はあまりテレビを見ないともいいますね。

萩原 そうなんです。それでも「やっぱりとんねるずってすごい面白いよね」って思ってもらえる企画を作りたいんです。「野猿」にしろ、「矢島美容室」にしろ、「男気じゃんけん」にしろ、とんねるずさんは、常にブームを作ってきた方々。だから、若い子たちのブームになる企画を考えたいなとずっと思っています。

青春バラエティでフジテレビをもっと盛り上げたい!

――9月28日には、『とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念スペシャル』が放送されますね。

萩原 30周年ということで、これまでの企画のスペシャル版やダイジェストなど、特別企画がてんこ盛りです。この番組はまだまだ走り続けるんだな、走り続けてほしいなと思っていただけたらうれしいです。僕も動力になれるようにがんばります。

――萩原さんはどのコーナーを担当しているのですか?

萩原 「とんねるずを泊めよう@みやぞん宅」を担当しています。ずっとテレビで観ていた企画なので、現場に行けて楽しかったです。

泊まった家でとんねるずさんがむちゃくちゃなことをする「とんねるずを泊めよう」は、このご時世ちょっと難しい企画。スペシャルでは、スタッフ全員で現場の面白さが伝わる形を模索しました。

弱い者いじめに見えたり、演者さんが傷ついて見えたりすると、演者さんが笑いのために体を張って頑張ってくれたことが全部無駄になってしまう。だから、きちんと笑いとして伝えるのが、僕たちの責任なんだと思っています。

――最後に、萩原さんご自身の今後の展望を教えてください。

萩原 『とんねるずのみなさんのおかげでした』のような総合バラエティが減っているなか、今、僕は貴重な経験ができているんだなと感じています。今後は、この経験を活かして、若い子もその親御さんも一緒に観られるような総合バラエティを作りたいです。次は、学生の時に好きだった『学校へ行こう!』や『力の限りゴーゴゴー!!』みたいな青春ものにチャレンジしたいですね。

取材・文=有馬ゆえ

番組情報

『とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念スペシャル』
<放送>
9月28日(木) 21時~23時18分
<出演>
【メイン司会】
とんねるず

ほか豪華ゲスト

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。