2017.08.06更新
猫田(仮名)
44歳。ドラマ好きが高じてライターとなり、数多くの俳優、女優のインタビューを担当。“ミポリン世代”で青春時代は『すてきな片想い』、『君の瞳に恋してる!』など中山美穂主演ドラマに夢中に。マシンガントークの毒舌ライター。
犬山(仮名)
38歳。小学生からドラマを見続ける筋金入りのテレビっ子。高校時代に『ロングバケーション』を見てそのオシャレさに衝撃を受け、『ラブジェネレーション』、『HERO』を愛す“キムタク世代”。イケメンには目がなく、数々の若手俳優のインタビューを担当。
亀井(仮名)
36歳。元テレビ誌のライターで、数々のドラマ記事を担当。冷静沈着、情報通で特に脚本家に詳しく、2000年代のドラマはほぼ制覇。好きなドラマは杏主演の『デート〜恋とはどんなものかしら〜』、相葉雅紀主演の『ようこそ、わが家へ』など。
最終回のテーマは日曜9時のドラマ『警視庁いきもの係』。放送前の期待はあまり高くなかったようですが、意外な展開に…。
<※この座談会は第2話放送後に開催されました>
犬山 このドラマ、実は私全然期待していませんでした…(笑)。
猫田 私も! 動物を出しておけばみんな見るでしょ?っていう安易な考えなのかしらと思って(笑)。
犬山 動物で刑事モノっていう奇をてらっただけなんじゃ、とかね。何かこうグッとくるセールスポイントを感じませんでしたよね。
亀井 橋本環奈ちゃんが連ドラ初ヒロインっていうのは話題だったかもしれないけど、ファンじゃない人がそこまで興味あるかな?とも思いました。
犬山 本当に申し訳ないけど、爆死決定ぐらいに思ってたのに…(笑)。フタを開けたら…。
猫田 ね〜!! おもしろい!
犬山 一番感じるのはキャスティングの妙ですよね。キャストの並びを文字だけで見ているときには気づかなかったけど、実際に彼らが画面の中で掛け合いをしていると、芸達者揃いだしそれぞれのキャラがうまくハマってて、ホントにおもしろい!
猫田 小ネタもたくさん入ってていいよね。オヤジギャグとかね。それを渡部篤郎さんが言ってるところがまたイイ! やりようによっては寒くなりがちだけど、これは寒くないのよね~。
犬山 でも渡部さん、よくこの役を引き受けたなって思いません(笑)? 思いきった感ありますよね。単なる堅物の刑事とかならともかく。
猫田 確かに、一昔前なら受けてなかったかもね。でも、それが大成功してる!
亀井 橋本環奈ちゃんもかわいいし。アップに耐えられる!
犬山 私も、今まではまさに“ただただかわいい子”だと思ってたんですよ。でも、意外に演技もうまいし、声がいいなって。
猫田 それ私も同じこと思った(笑)。ハスキーな声! あの顔でこの声っていいですよね。
亀井 萌え声じゃないのがお芝居する上でプラスに働いてますよね。女優さんとしても今後どんどん活躍しそう。
猫田 それでいて王道のコスプレ(笑)! コスプレじゃないんだけど、仕事で着てるだけでコスプレに見えるっていう設定ね、うまいとこ持ってきたなって。メーン2人がばっちりハマっていて大成功だね。
亀井 刑事役の三浦翔平くんもよくないですか?
犬山 イイ! 翔平くんも今までたくさんの作品に出演してけっこういい演技をしていながら、これっていう代表作に恵まれなかったんだけど。この作品の翔平くんはすごく役に合ってる!
亀井 小器用な感じがいいですよね(笑)。掛け合いのテンポもよくて、こんなに演技が上手だっけ?って思いました。
猫田 あと目が離せないのは浅野温子。バブル世代にはたまらないのよ~。キターーーって感じ(笑)。W浅野の『抱きしめたい!』とか、三上博史との『世界で一番君が好き!』とかね、もう黄金期なの! 知ってる!?
亀井 すみません、『101回目のプロポーズ』なら見たことありますが…(笑)。
犬山 温度差がすごい(笑)。このドラマでの浅野さんはちょっと『あぶない刑事』(日本テレビ)のキャラ入ってますよね?
猫田 そうそう! 当時は若くてワンレンでイケイケで。ちょっとウザイ感じのね(笑)。今回はヘアスタイルもショートで新鮮!
犬山 これも、よく引き受けましたよね。
猫田 そうなのよ。その懐の深さ! でもやっぱり出てきたらいい味出すのよね~。
犬山 渡部さんといい、やっぱりこのキャスティングが勝因ですよね。こういう、できる人たちがコメディをやるとちゃんとおもしろくなるんだなっていういい例ですよ。
亀井 あと、子育て中の身としては、今年の3月でNHKの『おかあさんといっしょ』を卒業しただいすけお兄さんが、連ドラ初出演というのも期待大でした(笑)。
猫田 実は私たち全員ママなので、それはあるよね~!
犬山 ここでお兄さんを投入してきたっていう目の付け所は素晴らしい! 役柄もだいすけお兄さんならではで、イメージとかけ離れてなくてよかったよね。
亀井 お兄さんは変顔が得意なのがウリだから(笑)、今後はそういう変顔とか、おかあさんといっしょを思い出させてくれる演出にも期待ですね。
亀井 ストーリーも意外にトリックがしっかりしてておもしろかったよね。原作もあるし、脚本の田中眞一さんは、『チーム・バチスタ』などミステリーの脚本をいろいろと手がけている方なので、そのあたりは安心かもです。
猫田 動物の世界って意外にみんな知らないからね。ペンギンにエサをやるときに手に傷がつくなんて知らないし(笑)。そういうのも、おもしろいよね~。
犬山 トリックに動物の特性を使ったりしているところが新しいですよね。単純に動物は見てて癒されるし。親子で楽しめるのもいいな。
猫田 ほんと、日曜の夜って子どもの一緒に見られるあのくらいのテンションがいい! シリアスなのはいらないよね(笑)。
亀井 かつて『マルモのおきて』が成功した枠ですしね。
猫田 ただ、このドラマの弱いところとして、1話くらい見逃しても特に支障がないっていうところはありますよね(笑)。渡部さんが頭を撃たれて記憶喪失っていう謎はあるにしても、途中から見てもたぶん楽しめるので。
犬山 確かに。録画でいいやってなりそうなのが難点。
亀井 より続きが気になる感じで展開してほしいですね。あとは、やっぱりエンディングも注目じゃないです?
猫田 いいよね~! 渡部さんもちゃんと踊ってて(笑)。あれも一昔前だったらやらなかったかもと思う。いい歳のとり方してるわ。
犬山 おちゃめですよね。あれ、着ぐるみが7体出てきてるんですけど、歌ってるのが超特急っていう7人組ユニットで、中に入ってるのはメンバー本人らしいんです。顔出しもあるみたいなので、このあたりも注目です!
猫田 ああいう踊るエンディング、“恋ダンス”からはやってるよね。ドラマの最後の最後まで楽しめるからいい。初回と2回目でもちょっと変わったりしたみたいだから、最終回までどう変化するのかも、ひそかに見逃せないわね。
文=小林麻美
編集=野々山幸(TAPE)
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