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サイドウェイズ SIDEWAYS

■INTRODUCTION
40を過ぎても大人になりきれない2人の男が、1週間のカリフォルニア旅行でしでかす数々の出来事に爆笑するうちに、誰もが自分と重ね合わせ、人生のちょっとした寄り道に想いを馳せる—
そんな人生の折り返し点を過ぎた大人たちのためのコメディドラマが誕生した。

オリジナルは、第77回アカデミー賞で作品賞をはじめとする5部門の候補になり、脚色賞のオスカーに輝いた『サイドウェイ』。アカデミー賞以外でも。世界各国で90部門以上の賞に輝いたアメリカ映画の名作だ。今回、その日本版リメイクを製作したのは、実写邦画歴代NO.1ヒット作の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を手がけたフジテレビと、洋画歴代NO.1ヒット作『タイタニック』を手がけた20世紀フォックス映画。両社のコラボレーションによって、オール海外ロケ&海外スタッフという画期的な試みが実現。ハリウッドの名作が、より新しく、より楽しく、より親しみやすい日本映画として生まれ変わったのだ。

全編カリフォルニアを舞台に展開する物語の中で、いきいきと個性を輝かせるのは、日本を代表する実力派の4人の俳優たちだ。不器用で融通がきかない性格が災いし、負け組人生を歩んできた道雄に扮するのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『ザ・マジックアワー』で活躍する小日向文世。ナンパの達人の大介にコミカルな持ち味を光らせるのは、『ヤッターマン』や『トリック』の生瀬勝久。ハリウッドでの制作者に選ばれた「最も情けなそうな2人組」に加え、道雄が思いを寄せるキャリアウーマンの麻有子を『血と骨』 で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた鈴木京香が、落ち着いた大人の女性を魅力たっぷりに好演。さらに、大介に真剣交際を考えさせるアメリカ育ちの日本女性ミナには、『バベル』でオスカー候補になった菊地凛子が扮し、キュートなキャラを光らせる。
絶妙なアンサンブルを見せる4人と共に、5人目の主役としてドラマを彩るのがナパ・バレーの美しい景観だ。劇中には、バラエティに富む11のワイナリーが登場。さらに、地元で人気のカフェやレストランもフィーチャーされ、おしゃれなツアー気分を味わさせてくれる。また、そのナパ・バレーの雰囲気にぴったりのオリジナル・スコアを書き下ろしたのが、世界を舞台に活躍するウクレレ・プレイヤーのジェイク・シマブクロ。随所にちりばめられた80年代の音楽と共に、カリフォルニアのさわやかな空気をかもし出している。

笑えるエピソード満載で綴られるダメ男2人の珍道中。その中から浮かび上がってくる奥深いメッセージ。それは、「人生の寄り道」に、思いがけない出会いや発見があるかもしれないということ。これまでの人生で寄り道をしてこなかった人、寄り道をする余裕もなく生きている人——。そんなあなたの胸を、ワイングラス一杯分の勇気と希望で満たしてくれる映画。それが、『サイドウェイズ』なのだ。

■STORY
Saturday-土曜日-
20年前の留学生時代の親友、上原大介(生瀬勝久)の結婚式へ出席するために渡米したシナリオライターの斉藤道雄(小日向文世)。連ドラの仕事をしたのは遥か昔、今やシナリオスクールの講師に納まっている。かたや大介はロサンゼルスのレストランの雇われ店長で、オーナーの娘と結婚することになっていた。ロサンゼルスの空港まで迎えに来た大介と一緒に、男2人でウエスト・コーストへのドライブ旅行へ繰り出すことに…。
ナパ・バレーのワイン巡りをしたい道雄と、ラスベガスで独身最後の日々を謳歌したい大介。旅の行き先でモメる2人だが、留学時代の道雄の片思いの相手、田中麻有子(鈴木京香)がベイエリアにいると知り、ナパを目指すことになる。それも、道雄にっとっては麻有子とデートにまつわる苦い思い出が宿る赤いムスタングに乗って!
ナパの町に到着早々、道雄と大介は麻有子が勤めるワインショップを訪れるが、麻有子は出張中だった。仕方なく、男たちはモーテルで一夜を過ごす。

Sunday-日曜日-
道雄は念願のワイナリー巡りを開始。ナンパ目的の大介も同行するが、道雄の恋人に間違えられたりしてなかなか目的が果たせない。夜、2人はレストランへ。そこで偶然にも麻有子と再会した道雄は、彼女の成熟ぶりにショックを受け、ワインをガブ飲みしたあげく酔い潰れてしまう。一方、麻有子の連れのミナ・パーカー(菊地凛子)に目をつけた大介は、彼が主演したヒーロー番組「キャプテン・ニンジャ」のファンだったというミナを口説き、電話番号をゲットすることに成功した。

Monday-月曜日-
ミナが働くカリストーガのカフェで朝食を取った大介と道雄は、ミナがくれた割引券を手にスパを体験。その後、大介は結婚パーティ用のワインをピックアップするためワイナリーへ。いっぽうの道雄は、大介に命じられるまま麻有子の付添いをすることになった。2人が訪れたのは、セントヘレナのワイナリー。5年前、ここへやって来た麻有子と夫が予約したワインを、道雄が夫のフリをして引き取るのが目的だった。
用事を終えたあと、麻有子は自分が歩んできた道のりを道雄に話す。5年前まで有名デパート創業者一族の御曹司の夫人として日本で暮らしていたこと、ワインを注文してまもなく離婚し、必死に頑張って現在の生活を築きあげたこと……。かたや道雄も、1年前に同棲相手に出て行かれたことを打ち明ける。
夜、受け取ったワインを「全部飲んでしまおう」という道雄の提案に従って、麻有子はホームパーティを開いた。キッチンで得意の料理の腕をふるう道雄。かたやミナといいムードにになった大介は、ついにその晩モーテルに戻らなかった……。

Tuesday-火曜日-
麻有子の案内でワイナリーを見学中、彼女のトラブルを救うことになった道雄は、感謝の印として夕食に誘われる。リラックス・モードで昔話に花を咲かせ、キスを交わす2人。だが、調子に乗った道雄が「日本に帰ってきたほうがいい」と口走ったことから、一気にムードは険悪化。道雄は逃げるようにモーテルへ帰った。
一方、1日中ミナの働くカフェに入り浸り状態だった大介は、この日もモーテルに帰ってこなかった。

Wednesday-水曜日-
ミナ、大介、道雄、麻有子の4人は田園地帯へピクニックへ出かけた。昨夜のことが尾を引いて、道雄と麻有子はちょっと気まずい。それでも十分楽しい1日を過ごしたあと、大介は、自分の気持ちが真剣にミナに傾き始めたことに気づく。夜、道雄のもとに日本のテレビ局から連絡が入る。留学生活を題材にしたシナリオのドラマ化が決まりそうだとのこと。道雄は幸せな気持ちで眠りについた。

Thursday-木曜日-
大介の結婚話が麻有子にバレた。劣化のごとく怒った麻有子に、「大事なことを隠していた」と責められる道雄。罪悪感にかられた彼は、大介あての電話に応答したミナに真相をばらしてしまう。結果、ミナにフライパンで殴られて顔面を負傷する大介。帰り道、彼は婦人警官にさそわれるまま彼女の家に着いていくが、ダンナが帰宅し、裸同然でモーテルへ逃げ帰ることに。そんな彼の醜態に呆れながらも、道雄は婦警宅にしのびこみ、結婚指輪の入った財布とムスタングのキーを取り戻してやった。

Friday-金曜日-
大介と共に最後のワイナリーに巡りに出かけた道雄の元に、TV局から電話がかかってきた。ドラマ化は決まったが、肝心のシナリオは道雄の教え子が書き直したものが使われるという。プライドを傷つけられた道雄は、テイスティング用のワインをガブ飲みして大暴れ。その様子を呆れて見守っていた大介は、冷静さを取り戻した道雄がゴミ箱に捨てたシナリオを拾い上げると、それを内緒で麻有子の元に届けた。
それから2人はロサンゼルスに向けて出発。途中、大介は、突然何を思ったか、ムスタングを道路わきの大木にぶつける。顔の怪我の言い訳のために、事故を装うと言う。「結婚がミナにバレたのは自分のせいだ」と告白する道雄。コツンコツンと、2人の大人が石でバンパーを叩く音がカリフォルニアの空に虚しく響く…。

Saturday-土曜日-
大介とローラの結婚式は無事に終了。別れ際、ローラからムスタングのキーを渡された道雄は、麻有子に会いに行くために再びナパに向け車を走らせる。「電話をしてから行け」という大介のアドバイスに従って、麻有子の家の留守電にメッセージを吹き込む道雄。「ワインの美味しさを分かち合いたい一番大切な人に会いに行きます。君も同じ気持ちでいてくれるなら、ドアを開けてください」。果たして、彼の思いは麻有子の心に届くのか!?

■CAST
小日向文世
生瀬勝久
菊地凛子
鈴木京香

■STAFF
監督:チェリン・グラック
脚本:アレクサンダー・ペイン&ジム・テイラー
原作:レックス・ピケット
日本版脚本:上杉隆久
音楽:ジェイク・シマブクロ

製作:亀山千広
プロデューサー:宮澤徹 和田倉和利
撮影監督:ゲイリー・ウォーラー
美術:リチャード・C.ロウ
編集:ジム・ムンロ
キャスティング:杉野剛 ジュリア・キム
共同プロデューサー:大西洋志 ナンダ・ラオ

製作:フジテレビジョン/20世紀フォックス映画
制作プロダクション:シネバザール/プロティン・イメージ・グループ
配給:20世紀フォックス映画