

――第9話のラストシーンで、久々のご登場となりましたね。
そうなんですよ! 第6話から3話ほど登場シーンがなくて、(キムラ)緑子さんとも「私たちもう出番はないんじゃないの?」なんて話していたら、第9話の最後で(直子<榮倉奈々>と雅人<ARATA>の記事が載った)週刊誌を握りしめていました(笑)。第10話にも僕らは登場しますが、ここ最近、普段の自分がなんだかどんよりした重い気分だったんですよ。なんでだろうかと思ったら、「ああそうだ、直子の問題があるからだ」って。今後の展開についてあれこれ想像すればするほど、自分が重くなってしまうんです。
――実生活でも直子のお父さんの気分ということなんでしょうか。

どうやら、そうみたいです。榮倉さんを見るたびに「あ、娘だ」って思いますから。第8話でAKB48を踊っている姿をテレビ見ても、榮倉さんとして出演しているCMを見ても「かわいいなぁ、直子はこんなこともやるのか」って(笑)。僕は登場シーンが多くない分、牛窓のお父ちゃんが直子や雅人のエピソードをVTRで見ているような気分でドラマを見られるんです。直子のことはもちろん、雅人は立派な医師になってアメリカから帰ってきたなぁとか、則杉くん(康志)は牛窓に来たときには初々しかったのに、最近はとんでもないことをしているなとかね。なかなか客観視できないですね。
――そんな洋介さんを演じるうえで心がけているのはどんなことですか?
まず、直子のような大人の娘の父親に見えるように、どっしりと落ち着いた芝居をしようと思いました。まして、田舎でオリーブ園を切り盛りしているような人なら、なおさら地に足がついた感じにしなきゃいけませんよね。撮影には、いつもそういう心積もりで臨むんですが、芝居がはじまるとつい浮足立って、舞台人同士緑子さんとああでもないこうでもない、といろいろやってしまうきらいがありまして…。そこらへんをグッと抑えつつ、重厚感のある父親役ができればいいと思っているんですが、これがなかなかねぇ(笑)。
――キムラさんとおふたり、とても素敵なご両親に見えます。

少しでもそう思ってもらえれば嬉しいですが、自分で見てても、「う~ん、これは」って思うんですよ。そもそも、僕からあんなにスラッとした直子が生まれるのか疑問ですし、異母兄弟とはいえシュッとした面持ちの雅人が弟でいいんだろうか、とかね(笑)。でも、そういう課題はありつつも、現場はすごく楽しいです。終盤、浮足立たないように頑張りたいと思っています。
――第10話では、直子の週刊誌の問題で両親が行動を起こしますね。
両親は田舎の狭い世界で生きている人たちですから、そこに自分の娘に関するとんでもない噂が飛び込んできたら、とにかく排除したい、拒否したいという気持ちになると思うんです。そうなった場合、僕自身ならまず雅人に事情を聴くと思いますが、両親はそこで彩さん(菅野美穂)に連絡を取るんですよね。久子(キムラ)が「当事者よりも、まず第三者に聴くほうがいいんじゃない?」と言い出したのかな、と僕は思うんですが。男親としては、彩さんより雅人のほうが話しやすいですから、実際、彩さんを目の前にして何をどう切り出していいかわからず、しゃべったと思ったら急に大きい声を出してしまう、という言動になってしまうわけです。
――そこで直子に聴くという選択肢はありませんか?
僕のなかではないですね。男親は、娘がかわいすぎて、なかなか直接的なことは聴けないんじゃないかと思います。そこは、洋介とも意見が合うところですね。
――そんな直子と雅人がどうなるのか、結末の展開はなかなか読めませんね。

例え、直子と雅人が結ばれてふたりは幸せになったとしても、親や周囲にいる人の心配は尽きないですよね。しかも、その問題が親の商売にまでも影響を及ぼしそうなんですから、一体どうなるんだろうかと思います。そうや って世間の目にさらされるなかで、ふたりがどういう選択をしていくのか、僕としても気になるところです。それから、森本家周りでは、久子が直子に自分の過去について明かすシーンがあります。僕はそれを第10話を読んで初めて知りましたが、洋介は一生知らないままなんでしょうね。そこも、ちょっと複雑な思いがしました(笑)。
――最後に、ドラマを応援してくださっている視聴者のみなさまに
メッセージをお願いできますか。
残すところドラマもあと2話となりましたが、個人的に、最終回は新たなステージに行けるような広がりのあるラストになっているといいな、と思っています。そして、久子と洋介も、最初の頃のように牛窓の自宅でほっこりできているといいなって(笑)。とはいえ、きっと甘いだけではない『蜜の味』らしいラストになると思いますので、期待していただきたいですね。