「自分は最低賃金じゃない」と思っている方、実は最低賃金の底上げで、最低賃金で働いていない人もお給料がアップする可能性があるんです!

先日決定した2015年度の最低賃金の引き上げ額の目安。
時給は全国平均で780円から18円アップして798円になりました。
引き上げ率は2.3%と2002年以降で最大の上げ幅です。

さらにパートやアルバイトなどの非正規雇用の最低賃金引き上げだけでなく、今年の春闘で正社員の給料も上がりました。
これにより個人の消費も活性化して、一見、いいことずくめです。

そうした賃金アップの背景には、円安の恩恵による企業の業績アップがあります。
企業の業績が上がることで労働者の賃金も上がり、賃金が上がれば消費も上がる、そうすれば、さらに業績も上がるといういい形の循環が形成されますが、これまで企業はデフレ時の「賃上げ恐怖症」からなかなか賃金を上げることができませんでした。

そこで動いたのが安倍首相でした。今年の春闘や最低賃金を決める会議で、先頭に立って企業側に賃上げを要請したのです。

こうして今回、大幅な賃金の引き上げが実現しましたが、その副作用もありました。
中小企業、特に小売店や飲食店などの非製造業では円安の恩恵を受けられず、業績は上がらないままというケースも。
しかし、人件費は上げなければならないので、値上げやリストラを検討せざるを得ないなどかなり苦しい状況になってしまいます。
こうした中小企業の問題は、特に地方で顕著に表れています。

大和総研エコノミストの長内智(おさないさとし)氏は今回のような政治主導の賃上げを評価しつつも、本来は望ましくないとし、今後の賃金アップの継続や地方へのフォローが重要であると指摘しました。

きのう、宮内庁が「皇后さまに心筋虚血の疑いがある」と発表しました。
心配されている方も多い皇后さまのご体調と、この「心筋虚血」とはどのような病気なのか、心臓疾患の“賢人”南淵明宏医師とフジテレビの橋本寿史編集委員と【#ふかぼり】ました。

南淵医師によると、「心筋虚血」とは、心臓の筋肉に血液を供給する冠動脈と呼ばれる血管の一部が狭くなり、心臓への血流が低下する症状です。
はっきりとした原因は不明で、若者から高齢者まで誰にでも起こる可能性があるといいます。
胸が締め付けられるような痛みが出ることもありますが、一方で痛みが全く出ないこともあり発見が遅れる場合もあるということです。
さらに、心筋虚血は「狭心症」や「心筋梗塞」といった病気につながることもあり、天皇陛下は心筋虚血と診断された1年後に、狭心症と診断されました。

今回の、皇后さまの「心筋虚血の疑い」。その経緯を振り返ってみます。
皇后さまは6月末に胸の痛みを訴えられました。そして当初は1週間に数回でしたが1日に数回と頻度が上がっていったそうです。
一方、今月6日と8日には定期の健康診断がありましたが、このとき異常はありませんでした。
ところが今月24日、24時間の心電図検査を受けられ「心筋虚血が疑われる所見を得た」ということです。
 この検査後の今月26日から28日、皇后さまは愛知県を訪問されていますが、この時には痛みはなかったということです。

皇后さまは来月9日、冠動脈CT検査を受けることになりました。
宮内庁は炎天下での行事や激しい運動は控えて頂きたいと発表しましたが、予定されているご公務には変更はないということです。

調布飛行場を飛び立った小型航空機がおよそ400m先の住宅に墜落した事故からきょうで3日。
事故原因を読み解く、新たな事実が次々と明らかになってきました。
きょうは、なぜ事故が起こったのかを、“航空安全の賢人”、元日本航空の機長で航空評論家の山田不二昭さんと【#ふかぼり】ました。

墜落した事故機は、飛行目的をパイロットの技能維持を目的とした「慣熟飛行」としていましたが、飛行の前に当初予定していた2~4人乗りの機体とは別の6人乗りの機体に変更していたことが明らかとなりました。
さらに、変更された機体は、先頭座席の2席ともに操縦桿がついているタイプ。
山田さんは、慣熟飛行なら予定していた飛行機を変えるのは違和感を感じると指摘しています。
一部報道では、慣熟飛行ではなく、調布飛行場では禁止されている「遊覧飛行」が行われていたのではとの疑いもでています。

 さらに、新たにわかってきたのが、離陸前の事故機の「重量」。
 この事故機の「最大離陸重量」、つまり、離陸可能な積載重量は1950kgで、事故機の機体は1200kgです。
 燃料は申告によると5時間分の飛行が可能な300kg。
 搭乗者は大人5名で合わせて350kgと仮定すると、合計が1850kgと、最大離陸重量に対してギリギリのようにも感じます。
この重量が飛行に影響を与えたのでしょうか?
山田さんは、機長が重量や気温などを踏まえ離陸が可能かを判断するための計算をキチンと行っていれば問題ないと考えられますが、小型機の場合、このチェックが機長の自己チェックのみとなるため、「本当に計算が行われたのか?」「計算が間違ってはいなかったか?」など、ヒューマンエラーの可能性も指摘しています。

 また、山田さんは事故機が通常ならば600mほどで離陸できる中、800mの滑走路のギリギリまで離陸していなかったため、滑走路上で燃料系統のトラブルが起こり、エンジンの出力が不足したのではないかと指摘しています。
 しかし、そのようなトラブルが起こった場合、事故機のようなエンジンが一つの航空機は、即離陸を中止するのが鉄則だとのことです。
 そのため、機長の判断ミスから離陸してしまい事故につながった可能性もあるのではとみています。

次々と明らかになる新事実。事故原因の究明が待たれます。

TPP(環太平洋経済連携協定)の閣僚会合が米・ハワイで開かれます。
TPPは、日本、アメリカなど太平洋を囲む地域12か国でこの地域間の関税を原則ゼロにするというものです。
妥結目前に、外務省経済局参事官として貿易交渉の現場に立った経験を持つ慶応義塾大学教授の渡邊頼純(わたなべ よりずみ)さんに解説していただきました。

日本の最大の焦点になっているのは、コメです!
現在は輸入されるコメに対して高い関税をかけて国産米を守っています。
実際には1キロあたり341円の関税がかかります。10キロであれば3410円が関税としてかかってくるのです。
つまり解説パネルの「KOSHIHIKARI」には関税分3410円がかかってきますので、合計5410円になります。
日本産の「こしひかり」が4000円なので、この価格差であれば日本のコメが有利になります。
関税の引き下げ要求…コメの危機は今回が初めてではありません。

1993年ガットウルグアイラウンドの貿易交渉では、ミニマムアクセス米が日本に対して義務づけられました。高い関税と引き換えに主に主食用以外のコメを受け入れたのです。
日本はコメを年間で77万トン、その内アメリカから36万トン買い入れています。ただこのミニマムアクセス米を受け入れることによる損失は累計で2723億円にふくらんでいます。
TPP交渉では、主食用のコメの無関税輸入枠としてアメリカが17.5万トンの受け入れを日本に要求。
一方、日本は5万トンにとどめるよう要求しています。
しかし渡邊さんは、TPPはチャンスだとして、もともと品質の良い日本のコメは海外で需要が高まることも考えられるといいます。
そしてTPPを機に農地改革を進めれば日本米の輸出を増やすこともできると指摘しました。

きのう東京・調布市で起きた小型機墜落事故。
住宅街という身近な場所になぜ小型機は墜落したのでしょうか?
航空政策の“賢人”早稲田大学教授・戸崎肇さんとともに【#ふかぼり】ました。
事故を起こした小型機が離陸した調布飛行場は住宅密集地にあり、周囲の安全対策を施すのは大変難しい場所です。
1980年には調布中学校の校庭に小型機が墜落し、搭乗員2人が死亡する事故が起きています。
近隣住民からは廃止の声が上がり、1997年に都は調布・三鷹・府中の3市と騒音軽減や安全確保のための覚書を交わし飛行制限を設けました。

今回の事故では小型機が抱える問題も浮き彫りになっています。
事故機を操縦していた川村泰史さん(36)は総飛行時間1500時間、2年に1回受けなければならない技能審査も去年合格したベテランともいえるパイロットでした。
戸崎さんは機体の整備に問題はなかったのか?と指摘します。
事故機の管理をしていた日本エアロテックは国の認可を受けた会社で、小型機の整備・管理をしています。
事故機は今年1月、検査に合格しましたが実は2004年にも北海道で着陸に失敗し機体を損傷しています。今回の事故との因果関係は不明ですが、この点も気になります。

また、小型機にはボイスレコーダー、フライトレコーダーの搭載義務がない点も問題であると戸崎さんは指摘しました。
訪日する中国人富裕層の増加や東京五輪などに向け、小型機は今後の需要が増えることが予想されています。
今回の事故は改めて小型機の抱える問題、住宅密集地の安全対策の難しさを 浮き彫りにする形になりました。

中国による東シナ海のガス田開発の現状を示す、新たな写真を政府が公開しました。
天然ガスを採掘するためのプラットホームはこれまで4基確認されていましたが、おととし以降、わずか2年の間に新たに12基が確認されました。

東海大学 海洋学部の山田吉彦教授は、東シナ海の現状をスプラトリー(南沙)諸島の現状と似ていると指摘します。

ガス田のプラットホームの大きさは、一辺約30~40m。
さらに救命ボートとみられる船から、ここではおよそ40~50人が作業をしていると考えられるといいます。

東シナ海の水深は100mから深くて200m。
土台を立てるのは大変ですがそれができてしまえば、1か月から2か月でプラットホームは“完成”してしまうのです。

また、山田教授によると、東シナ海のこの場所の資源量はそれほど多くなく、採算が取れず効率も悪いと指摘します。

そのような場所でガス田開発を進める中国の真の目的は…?

その答えは、公開された写真に隠されていました。
写真に写る建物は、ほぼ同じ形状、大きさです。山田教授は、これは規格化されたプラットホームで、ガス田開発というよりヘリポートとしての用途を重視したものではないかと指摘、つまり中国は、ヘリポートを建設して軍事目的に使用する可能性があるのです。

実は、中国は温州に大型基地の建設を予定しており、さらに洋上拠点として、11500tクラスの大型船をすでに2隻建造しています。そしてこの東シナ海のヘリポート、これら3点で海と空を支配しようとしているというのです。

さらに、中谷防衛大臣はある脅威を委員会で口にします。
中国がプラットホームに「レーダー」をつける可能性です。
このレーダーについてフジテレビの能勢 解説委員は、プラットホームにレーダーを配備することで、中国は東シナ海全域を監視範囲におさめ、那覇や嘉手納から発進した戦闘機の動きまで把握することが可能になるといいます。

東シナ海で活発化する中国の動きは、今後も注視する必要がありそうです。

先週金曜日、安倍首相が白紙撤回を決断した新国立競技場。
先日みんなのニュースに出演した安倍首相は責任は自分にあるとしましたが、今後、建設はどのように進むのでしょうか? きょうは2016年の東京オリンピック招致の際の推進担当課長も務めた順天堂大学 客員教授の鈴木知幸(すずきともゆき)さんと【ふかぼり】ました。

まず鈴木さんは、これまで文科省、日本スポーツ振興センター、JSCを中心として進められてきた体制が問題だとし、特にJSCについては公共事業の“素人”で財源の見通しも甘いと指摘しました。

そうした中、きのう立ち上がった新たな整備計画を作るための組織では、下村文科大臣はトップから事実上の“降格”。JSCは「協力メンバー」となり組織の中心から外れました。 その一方で財源のプロ、財務省の麻生大臣、そして公共事業のプロ、国土交通省の太田大臣が組織に加わったことを鈴木さんは評価しました。

では次に、どんな施設を作るべきなのでしょうか?
鈴木さんは前回のコンペの条件について、「8万人収容」はサッカーW杯のため、「可動式屋根」もコンサート開催のため、などと目的がたくさんあり、最も重視する目的が明確ではなかったことが問題であり、まず、そこを整理すべきだと指摘しました。

特に重要なのが五輪後、この競技場がどう使われるのかということです。
鈴木さんは、過去、夏季オリンピックのメインスタジアムの多くが陸上競技兼サッカー場になっていることから、やはり陸上競技、サッカーを中心に考えていくことが望ましいとしました。

陸上競技のためにサブトラックを常設、サッカーのためには屋根は必要ではなくなり、W杯招致の条件となる8万人の収容については可動席でカバーすればいいというのが鈴木さんの意見です。

そうした明確な目的に沿って計画を立てていけば、総工費はおのずと見えてくるということでした。

今年9月に整備計画を策定し、2020年春に完成を目指す新国立競技場。
みなさんが重視すべきだと思うことは何ですか?

不適切設計 なぜここまで拡大?
第三者委員会の報告書で2008年度から2014年度まで累計1518億円の利益の水増しが明らかになった東芝。
経営トップが関与していたその背景には何があったのか、企業経営論の “賢人” 経済ジャーナリストの片山修さんとともに【ふかぼり】ました。

第三者委が調査対象としたのは西田厚聡氏・佐々木則夫氏・田中久雄氏の歴代3社長が在任していた2008年4月から14年の12月です。
2008年当時の社長・西田氏は06年にアメリカの原子力大手企業を買収。原子力部門の実質トップだった佐々木氏と二人三脚で買収を勝ち取ります。
そして08年3月、売上高が過去最高となります。

ところが08年9月、リーマンショックにより翌年赤字に転落。
しかし09年、佐々木氏が社長の座になっても「利益至上主義」は受け継がれ、翌年黒字化させました。
東芝では西田社長の時代から過大な目標設定を指示し、これを「チャレンジ」と呼んでいました。
13年に、西田氏は佐々木氏に代わり長年目をかけてきた田中氏を後任として指名。
しかし、田中氏が社長になっても「チャレンジ」が終わることはありませんでした。
これが現場へのプレッシャーとなり、「不適切な会計」に結びついていきました。

新国立競技場、どう見直すの?

きょう、安倍総理は2520億円もの巨額の建設費が問題となっていた新国立競技場の建設計画見直しを正式に表明しました。では、今後どう見直すことになるのでしょうか? 競技場建設の “賢人” で、自民党の勉強会でも意見を述べた建築エコノミストの森山高至さんとともに【ふかぼり】ました。

森山さんの見直しポイントはズバリ、「コスト削減」と「工期短縮」。

まず、ザハ案で問題になっているのが、特徴的な「キールアーチ」。鮮やかなデザインですが、このアーチには「強度に不安」があると言われており、強度を高めるためにコストが増えてしまうといいます。また森山さんは、一気に工事が出来ないという点も指摘、「廃案」にすべきと主張しました。

では、2020年までに完成を間に合わせることは出来るのでしょうか?コンペでの選定のポイントとして、やはり「コスト削減」とともに「工期短縮」も出来る案でないと意味がない、と森山さんは指摘しています。

そこで参考になるのが、総工費およそ840億円の「ロンドン五輪メイン会場」です。そこまで総工費を抑えた秘密は「ショートケーキ工法」。共通した土木材料や部品が使え、総工費も安く工期も短縮できるといいます。

もう一つ参考になるのが、「ガンバ大阪新スタジアム」。収容人数はおよそ4万人で総工費はおよそ140億円。その秘密は「直線」にあります。曲線的でなく、「直線」のスタジアムにすることでコスト削減と工期の短縮が出来るといいます。

森山さんが次に提案するのは「スウォッチ方式」。これは競技場の骨組みを決めてから周りのデザインを募集するというやり方で、この方法ならオリンピックに間に合うとしています。

2520億円もの巨額の建設が問題となっている新国立競技場。いよいよその見直しの議論が本格化してきました。そのカギを握るのは安倍総理。では、いったいどうしてこのような事態に陥ったのか、政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんを “賢人” に迎え、ひも解きました。

国立競技場を新しくしようという動きが出たのは、2000年代に入ったころです。1964年の東京オリンピックの際に整備された代々木周辺のスポーツ施設が一気に老朽化したためでした。これらの施設を新しくしようと動いたのが森喜朗元首相。スポーツに造詣の深い森元首相は、2019年ラグビーワールドカップの日本開催の決定を機に、国立競技場の建て替えに向けて働きかけました。

そして、東京都の石原都知事にも働きかけ、2020年東京オリンピックの誘致を目指します。ここで、国立競技場を新しくするためデザインコンペを開き、国際的に有名な建築家ザハ・ハディド氏の斬新なデザインが採用されたのです。これにより、2020年の東京五輪誘致に成功。しかし、その後建築費用は2520億円にまでふくらみました。

オリンピック開催まで次第に残り時間が少なくなる中、だれがどのように決着をつけるのか、国民が注目しています。

国会が大荒れの中、きょう採決された「安全保障関連法案」。
民主党の岡田克也代表と、“ひげの隊長” こと自民党の佐藤正久 元防衛政務官が生出演し、「安保法案強行採決 なぜこうなった?」をテーマに【ふかぼり】ました。

この安保法案を巡っては、多くの国民にたくさんのモヤモヤが渦巻いています。

その一つが、「審議は尽くされたのか?」という疑問。今回の安保法案では、歴代で6位となる116時間が審議にかけられています。与党は、審議時間は充分として説明していますが、国民は「説明不足ではないの?」というモヤモヤを抱えていることが、報道各社の世論調査で明らかとなっています。

さらに、安保のエキスパート、自民党の石破大臣も「数字を見て国民の理解は進んできたと言い切る自信はございません」と発言するなど、与党内からも国民の理解に疑問符がつけらています。

このような状態で野党からは “強行採決” との批判もあがった安保法案。明日の衆議院本会議で可決され、参議院に送付される見通しです。

2019年に行われるラグビーワールドカップ、そして2020年に行われる東京オリンピック。そのメインスタジアムとなる新国立競技場の建設をめぐり、いま反対の声が高まっています。

2012年にデザイン案がコンペで決定し、総工費1300億円を目安としていたのですが、その後、1625億円からさらに今月には2520億円の総工費がかかることが明らかになりました。

しかし、開閉式の屋根などに関しては東京五輪後に見送られ、その費用は2520億円に含まれていないことが明らかになりました。

きょうは、その膨大な新国立競技場の費用を2016年の東京オリンピック招致にも携わり、今回の建設に反対の立場をとる順天堂大学 客員教授 鈴木知幸さんとともに【#ふかぼり】ました。鈴木さんは、2520億円とは着工するために出した試算で、工事が始まるとさらに総工費が増し、東京五輪後も維持管理費や大規模な修繕費が年間数十億単位で必要になると指摘しました。

さらにその費用はtotoスポーツ振興くじから支払われるとし、本来は選手の育成やこどもたちのスポーツ活動助成のためのお金が新たな競技場に使われることへ懸念を示しました。

先週、重要法案通過の目安といわれる審議時間100時間を超え、あさってにも採決されるとみられている安全保障関連法案。
今国会での法案成立をめざす安倍政権にとって、今週は山場と言えそうです。

そんな国会を劇場にたとえると、今回の「安保法案採決」という演目では主演の安倍首相の一人舞台、つまり強行採決となりそうです。
しかし、観客である国民には「集団的自衛権は違憲では?」「もっと丁寧な審議を…」といった モヤモヤした空気が漂っています。

強行採決という1人舞台を避けたい考えの安倍首相は、維新の党を舞台に招きます。
維新は安保法案の対案を提出し、さらに民主党とも共同で対案を出しましたが、あさっての採決になると、せっかくの対案があまり審議されないことになってしまいます。

こうなると、民主党も維新の党も舞台から出ていき、結局 安倍首相は1人舞台…強行採決をすることになりますが、国民のモヤモヤは解消されないままになりそうです。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、武力行使のルールを論ずるには、それを食い止めるための外交手段についてもセットで議論されるべきで、そこが伴わない限り、国民にとっては違和感・モヤモヤが残るのではと指摘しました。

上海市場の株価は、先月半ばからわずか1か月足らずで30%以上も暴落。
しかし、きのう5.7%高。暴落から一転、急上昇しました。
その背景には、中国政府がなりふり構わず打ち出した数々の株価対策がありました。
そこできょうは『株が乱高下…中国政府が恐れるものは?』という視点でふかぼりました。

中国分析の賢人・遠藤誉さんによると、中国で株を持っている大半は「個人投資家」で、この人たちのことを中国では「股民(グーミン)」と呼んでいるそうです。
約1億人いるといわれるグーミンとは、富裕層だけでなく主婦やフリーターも含まれるといいます。

そんな中で起きた今回の暴落で、グーミンが政府に対して暴動を起こす可能性はあるのでしょうか?
遠藤さんは、可能性は低いと解説。
その理由は、グーミンの特徴は「貯金しない」「儲けたい」というギャンブル大好きな人が多く、宝くじを買うような感覚で株を購入するからだと指摘しました。

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」でリスクは承知の上。
「向銭看(シャンチェンカン)」=「銭に向かって走れ!」という思考があり、さらに最後には政府が何とかしてくれるという思いがあるようです。

では中国政府は株価暴落の何を恐れて今回の対策を講じたのでしょうか?
遠藤さんはグーミンからの政府批判ではなく、中国経済そのものがリーマンショックのように壊れることへの恐れだと解説。
だからこそ今回の強引な株価維持策を行ったのだと指摘しました。

きのう、日本の株価が急落。
その背景には、中国の株価暴落がありました。
中国で一体何が起きているのか?

きょうは、中国経済分析の賢人、第一生命経済研究所の西濱徹さんとともに“ふかぼり”ました。

上海市場の株価が値上がりし始めたのは、去年11月ごろ。それまで、中国の投資家たちは不動産を中心に投資活動を行っていました。
しかし、行き過ぎた投資により、“不動産バブル”状態に。
中国は、バブルを防ぐために不動産取引の規制などを行い、不動産バブルは崩壊します。
すると、投資の矛先はどこへ向いたか。それが「株」だったのです。
株に投資が集まったことで、株価は徐々に上昇。
さらに、投資家の8割が“個人投資家”という中国特有の事情も株価上昇の一因となりました。

しかし、その個人投資家たち、テレビやラジオから情報を得て投資を行っているのですが、メディアは中国の国営のため「株価の上昇は問題なし」と政府の思惑を代弁しているのだと、西濱さんは指摘しています。
この国のお墨付きにより、投資はさらに過熱。
銀行以外の“影の銀行”から、借金してまで投資を行うほどでした。

そして、儲けた中国人投資家たちが向かった先のひとつが日本。
日本でのブランド品や家電製品の“爆買い”や不動産投資にもお金がつぎこまれました。

このように、株価は上昇し、一見すると景気がいいように見える中国。
しかし、実際には中国の経済は減速しています。
つまり、実体経済と株式市場が乖離する、“バブル状態”を突き進んでいたのです。
そして先月中ごろ、個人投資家たちが内に秘めていた不安は大きくなり、ついにはじけ、株価の急落が起こったのです。
西濱さんは、実はこの急落、何がきっかけで起こったのかはわからないといいます。

この急落の影響は、日本にもおよび、それまでの中国人による“爆買い”や不動産投資の減少や、日本から中国への輸出減につながる可能性もあるといいます。
今後、株価はどのような動きを見せるのか、中国政府の動きに注目が集まります。

今年も始まったデパートの夏商戦…先週そごう・西武と松屋が夏のセールを開始し、大丸松坂屋と髙島屋も8日にスタートしました。
さらに来週15日には三越伊勢丹がセール開始予定です。

実はここ数年夏のセールに異変が起きています!
2011年には、大手百貨店は一律7月1日にセールをスタートさせていましたが、今年は多くのデパートでスタート日が後ろ倒しされ、分散化の傾向がみられます。

スタジオでは流通業界に精通しトレンドを分析するジャーナリスト西川立一氏が解説しました。

バブル崩壊前、百貨店各社の思いは「定価で商品を売りたい」、一方消費者は、景気も良かったこともあり、「良いものを長く」使いたいという意識があったといいます。
そのため百貨店セールへの期待度、購買意欲は高いものがありました。

しかしバブル崩壊後、景気が落ち込み百貨店各社の業績も頭打ちに。
定価で売りたいところではあるものの、売上を優先する中で、目を付けたのが人気のあったセールでした。
開始日を前倒しすることで集客売上を確保したいと考えるようになったのです。
ただセールは百貨店にとって利益は低く、消費者から見ると品揃えの点では不満の残るものでした。

こうした中で2012年に変化が起きます。業界トップの三越伊勢丹がセール開始日を7月中旬に移したのです。
この背景にはEDLP(エブリディロープライス)つまり安さを武器としたファストファッション、アウトレットモールなどの台頭があります。
こうした勢力により百貨店セールへの期待度、購買意欲は低くなってしまい、消費者に「ほしいものをほしいときに買う」という心理が生まれてきたことで、夏セールの後ろ倒しの動きが出てきたのです。

百貨店としては元々の定価で商品を販売できれば利益も高くなる、という考えに回帰した形です。

そしてここにきて、商品を「定価」でどんどん買ってくれる外国人客が出現、夏のセールの後ろ倒し、分散化をさらに進める要因になっていると西川氏は指摘します。

では消費者はセールをどう活用すればいいのか?
パーソナルスタイリストの政近準子さんによると、じっくり吟味することが大切だといいます。
またトレンドものは割り切って買うこと、そして流行に左右されにくい靴やハンドバッグ、アクセサリーなどがねらい目だといいます。

5日に行われた、EU側の提案する緊縮策の是非を問うギリシャの国民投票。
その結果は、国民の多数が緊縮策に反対するものでした。
これによりギリシャの「ユーロ圏離脱」が現実味を増したとする声が高まっています。
果たして、今後のヨーロッパ経済はどうなるのでしょうか?
欧米経済を研究する第一生命経済研究所主席エコノミスト・田中理さんに、ユーロ圏を『ユーロ商事』という会社に例えて解説してもらいました。

その会社を取り仕切るのは、ユーロ商事本社の取締役兼、業績好調のドイツ支店の支店長でもあるメルケル氏。その悩みの種となっているのが、ギリシャ支店の扱いです。
不正経理の問題が発覚して以来、経費削減が行われてきましたが、資金繰りが苦しくなってきました。
そこでギリシャ支店長チプラス氏はユーロ商事本社に新たな支援を要請しましたが、メルケル氏は更なる経費削減を求めてきました。
そこで行われたのが「社員アンケート」つまり今回の「国民投票」です。

しかしこのアンケートは、ギリシャ支店としては経費削減に対して聞いたもので、騒がれているユーロ圏の離脱ということではありませんでした。
田中さんの指摘ではギリシャは財政の切り詰めは苦しいけれど、大きな会社であるユーロ商事の傘下に残りたいというのがホンネだと指摘します。
それが表れたのが交渉役として評判の悪いバルファキス財務部長の交代です。
ただメルケル氏は自分が支店長を務めるドイツ支店の社員から、経営努力が足りないギリシャの切り離しを望む声もあることから厳しい対応をとってきました。

では、実際にユーロ商事からギリシャ支店の切り離しに動くのか?
実はメルケル氏も本当に離脱させるわけにはいかないと考えているようです。
離脱させてしまうと、業績が悪いイタリアやスペインのような他の支店に影響が及ぶ可能性もあります。
更にこの機会にギリシャを傘下に収めようとするライバル、ロシアとの争いも予想されます。

田中さんの見立てでは、今後もお互いせめぎあいながらギリギリの支援を継続していくのではということでした。 これからEU首脳とギリシャの会談が行われることになっていますが、皆さんはどう思われますか?

連覇を目指し、ワールドカップ決勝トーナメントを駆け上がってきた「なでしこジャパン」。
最後の戦い、決勝ではアメリカに5対2で敗れ準優勝。
連覇にはあと一歩届きませんでした。

今日は、サッカー女子元日本代表 大竹七未さんと、男子サッカー元日本代表、“ナニワのストライカー”こと永島昭浩さんとともに、激戦を戦い抜いてきた なでしこを支えるキャプテン宮間あや選手をふかぼりました。
今大会では、なでしこは「宮間あやのチーム」と海外メディアに評されるほど、宮間選手の活躍には目覚ましいものがありました。
すべての試合で得点を演出し、見事、MVP3位を獲得。
プレーのうまさが評価される一方で、宮間選手は“気配りの人”であると大竹さんは言います。
過去には、控え選手が飲むドリンクのボトルに、一人一人にアドバイスやメッセージを書き、常に仲間への気遣いを忘れません。
さらに宮間選手は今大会に大きな思い入れを持っています。
決勝前日の会見では女子サッカーを「ブームではなく文化に」と語り、なでしこが勝利することで、女子サッカーの普及まで考えプレーしているのだといいます。

今大会では、なでしこに大きな収穫がありました。
それは宇津木選手、有吉選手、岩淵選手など、なでしこの世代交代が進んだ大会でもあったのからです。
2016年のリオ五輪、2019年のフランスW杯でも、なでしこの活躍に期待です!

税制全般を根本的に見直すためきのう始まった政府の税制調査会。
その焦点の一つとして注目されているのが、これまで何度も廃止が議論されてきた「配偶者控除」です。
これは、高度経済成長期にはじまり、働く夫を支える妻の “内助の功” に報いるため、夫の所得から38万円分を差し引くことで税金を安くしたものです。
また、パートとして働く妻についても、年収103万円までなら控除が受けられるという、これまでの日本を支えてきた制度です。

しかし、財務省で税制の設計に携わってきた森信茂樹さんの主張は「廃止」です。
専業主婦が多かった時代に比べ、現在では共働きの世帯が中心になっており、専業主婦世帯向けの控除は税制として不公平で、「役目を終えた制度」だということです。
さらに問題だとされているのが “103万円のカベ” の問題です。
主婦の年収が103万円を超えると控除が受けられなくなるので、働くことを抑えてしまう人が多いのです。これでは、女性の社会進出が進まないとも指摘しています。

一方で、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、控除をなくす前に女性が働きやすい環境が整えるのが先と主張しました。
妻が働こうとした場合、子供を預ける保育園がない、親の介護などがあり働く時間がないなどと、家庭のリスクが増えている中での配偶者控除の廃止は、単なる増税になるという意見です。
一方の森信さんは単なる廃止ではなく、ベビーシッター代を経費として認めるなど、新たな税制で子育て支援ができると提案しました。

今後も議論は続きます。皆さんはどう思われますか?

FIFA女子ワールドカップ準決勝でイングランドに勝利したなでしこジャパン!
決勝の相手は、これまで数々の死闘をくりひろげてきた宿敵アメリカです。

なでしこはアメリカに勝てるのでしょうか?その攻略法を【ふかぼり】ました。
きょうの解説は “賢人” ツートップ、サッカー元日本代表コンビの永島昭浩氏と大竹七未氏です。

アメリカはスター軍団と言われています。個人の能力が高いのです。その中でも気をつけたいのは “美しすぎるストライカー” こと、モーガン選手。そのスピードが強みです。
また、強固な組織力も持ちます。その守りの司令塔となるのが “世界一のキーパー” と呼ばれるソロ選手。

大竹さんのアドバイスは「ワンチャンスをモノにしろ」。
鉄壁の守備をほこるアメリカから得点をとるには数少ないチャンスをしっかりと得点に繋げることが勝利のカギだと解説しました。
さらに永島さんは「なでしこらしさを全うしろ」と熱く語りました。

そして気になる勝利の可能性は…?
いま、注目度急上昇の占いインコ、オリビアちゃんが明日行われる優勝国占いを前にリハーサルをしました。その時点の予想は…なでしこジャパン!
なでしこジャパンの勝利は間違いなし、でしょうか!?

決勝戦は日本時間で来週の月曜日の朝です。

なでしこジャパンが、準決勝でイングランドと激突します!
ワールドカップ2大会に出場したサッカー女子元日本代表の “賢人”、おなじみ大竹七未さんが解説しました。

イングランドとなでしこの対戦成績は0勝2敗2分、一度も勝ったことがない相手です。
前回のワールドカップでも、唯一の黒星を喫しました。

大竹さんはイングランドについて平均的チームと分析します。
これはイングランドに突出した特徴がなく、しかし個々の能力は高いので、なでしこから見ると的が絞れない戦いにくい相手だと大竹さんは言います。

イングランドの注意しなくてはならない選手は10番のカーニー選手です。ドリブルの巧みさが秀でていると指摘しました。さらにもう一人。12番のブロンズ選手は、ディフェンダーにも関わらず、決勝トーナメントで2得点と破壊力のある選手です。

また大竹さんはイングランドの戦術としてセットプレーの巧みさを挙げます。カナダ戦でもブロンズ選手がセットプレーから得点しました。

そして、もう一つ注意しなくてはいけないのがアーリークロス。
これは守備が戻り切れていない段階でクロスボールをあげることで得点のチャンスを大きくするもの。イングランドの攻撃の軸になっているんです。

では、なでしこはイングランド相手にどう戦えばいいのでしょうか?
大竹さんは、勝利へのカギは前線からプレスをかけていくことだといいます。
これにより、イングランドが得意とするアーリークロスを先につぶすことができるのです。

では、永島昭浩さんの考える勝利のカギは…?
「こぼれ球をひろえ!」です。
オーストラリア戦、得点シーンの前にあった宇津木選手のこぼれ球を追いかける姿こそ得点へつながったプレーだと指摘しました。

なでしこのキープレイヤーは、オーストラリア戦で決勝ゴールを決めた岩渕真奈選手。
チーム最年少の22歳です。身長155cmと小柄ながらも、高速ドリブルが持ち味で、“マナドーナ”とも呼ばれています。
大竹さんは相手が疲れてきた後半で、岩渕選手のドリブル、そしてシュートがチャンスを生むといいます。

イングランドを撃破し、決勝進出を!なでしこ連覇まであと2勝です!