山の木々が色づき始めた群馬県・みなかみ町。この町の、旅館が軒を連ねる山間の温泉町で一匹のわんこが暮らしています。それが、とある旅館のロビーでくつろいでいる13才のおばあちゃんわんこ「ラブ」です。
ここは創業80年を超える老舗の旅館。「ラブ」はその初代看板犬でいつも玄関が見渡せるロビーでお客さんを迎えています。そんな「ラブ」は、穏やかな性格でお客さんたちに大人気。
看板犬を始めて13年になる今では女将さんを支えるベテラン。実は、そんな「ラブ」がこの旅館にやって来たのには、ちょっとしたわけがありました。
当初は猛反対したご主人でしたが、1年後のある日、近所で生まれた子犬を目にして運命的な出会いが…
「ラブ」が来た当初は普通の旅館でしたが「ラブ」の散歩中にある出会いが…。「ラブ」を通じて出会った観光客の一言がきっかけでご主人は昭和の初期から続いてきた老舗旅館の経営方針を大転換することを決意。
そう、歴史ある老舗旅館がわんこが泊まれる旅館に生まれ変わったんです。「ラブ」が家族の一員になったことで今までは気にも留めなかったことに気が付かされたご主人と女将さん。老舗旅館にとって、「ラブ」はかけがえのない存在になったんです。
そんな「ラブ」は季節の移り変わりを肌で感じたいのか、秋になった今でも散歩の途中、近くを流れる川に足を付けてひと休み。そして、散歩から戻ってくると旅館にある温泉に浸かって日々の疲れの癒すのが日課です。
老舗旅館を変えた「ラブ」は今日も看板犬として旅館を支えているのでした。
ところ変わって、こちらは古都、京都。町の中心を流れる鴨川沿いを毎日の散歩コースにしているわんこがいます。これが、「ココ」です。
今日も88才のご主人と一緒に深まり行く秋のことを眺めながらのんびりと朝の散歩。その帰り道に必ず寄るのが、ここ。
そう、近くの消防署。毎朝、消防署の消防士さんたちに朝の挨拶をするのが、「ココ」の日課なんです。
散歩から帰ると「ココ」の朝ごはん。そしてご主人が始めるのが家の前の水まき。実は、ご主人はこの自宅で骨董品店を経営しているんです。
「ココ」は、京都で80年以上にわたって続いている骨董品店の4代目の看板犬なんです。主に扱っているのは京都ならではの着物の数々。
「ココ」はこうして毎日夕方5時まで看板犬。生後2ヵ月でこの店にやって来た「ココ」。
ご主人が地元の消防団に所属していたことで4年前から「ココ」の生活は一変しました。そう、高齢化と共に団員の数が減りつつあった地元消防団の様々な式典や防災の広報活動に参加するようになったんです。
今や看板犬の枠を超えて地元のためにも働く様になった「ココ」。そんな「ココ」はご主人一家が夕ご飯を済ませた7時過ぎ、消防団員の制服に着替えたご主人と一緒にある場所へと向かいます。
やって来た所は、消防団の詰め所。団員の人達と挨拶をすると、「ココ」もご主人お手製の帽子と火の用心を書かれたベストを着て夜回りへ。夜回りをする「ココ」の姿を見かけると町の人達は次々と声を掛けてくれます。
今日も自分の愛する町を火事から守ろうと防災を呼び掛けて回る「ココ」なのでした。